高感度な海辺の街にビーチハウスがテーマの家!
本家イタリア・ヴェニスに倣った人工運河が美しく、セレブ、サーファー、スケーター、クリエイターが多く住むビーチタウン。この西海岸のヴェニスに“日々ビーチを楽しむ”家を建て続ける映画&TVのプロデューサーが。彼がデザインした5軒めの家を紹介しよう。
- SERIES:
- 西海岸リビング&インテリア! vol.6
Venice
カリフォルニア州ロサンゼルス・ヴェニス
owner
ジョナサン・キング
映画&TVプロデューサー
「家の中で一番好きな場所はキッチン」というキング。料理を作ったりケーキを焼いたりしながら、庭の波形モザイクタイルアートやドラゴン・ツリーを眺めてビーチにいる。
毎日ビーチにいる気分!
「ビーチから少し離れているから、家に海を持ってきたんだよ」とユーモアたっぷりのキング。イタリアのミラノから取り寄せた特注タイルを用いた波形ウォールアート。水色のソファやラグも海好きならでは。
ジョナサン・キング[Jonathan King]
1964年ニューヨーク州ニューヨーク生まれ、LA育ち。
受賞歴のある映画&TVプロデューサー。
独立系映画&TV会社〈コンコルディア・スタジオ〉のCEO兼チーフ・ナラティブ・オフィサー。
LAのストリートカルチャーがあふれるヴェニス。ここに映画&TVプロデューサーのジョナサン・キングが暮らす。「ビーチが大好き。特にここは文化や芸術の多様性、フレンドリーなコミュニティが最高」とキング。2000年から住み、家や土地を見つけては建て直しや改装を行っているとか。
今回ご紹介する家もビーチハウスをテーマに建て直したもの。邸宅の象徴は、波を表したスイミングプールのウォールアート。ベージュのライムストーンとオークウッドの床は、砂浜に見立てて採用。床から天井まである高さの大きな窓を取り付け、朝陽から夕陽まで1日中太陽の光を満喫できる設計に。内と外を繋げて開放感ある構造に仕上げ、ビーチハウスを演出。
「どう生きたいか? なぜこの家具やアートが好きなのか? これらを明確にすると、自分のスタイルが生まれるんだ」
あなたにとって家とは? と聞くと、「寛げて心穏やかになれて、幸せや人生について物語る場所」と返ってきた。その言葉を裏づけるかのように、家具のほとんどは歴史やストーリーが感じられるヴィンテージ。路上に捨てられた家具を修理して使うこともあるとか。そのひとつが、ゲストハウスにあるアームチェア。またSDGsの観点から、庭には水をあまり必要としないサボテンを配す。家具や資源を大切にし、友人や家族を大事にする彼だからこそ、人々を感動させる映画やTV番組を生み出せるのだろう。
邸宅データ
●敷地面積:0.15エーカー(約187坪)
●家の面積:3944平方フィート(約111坪)
●家の値段:799万ドル(1ドル134円換算で約10億7066万円)
●部屋数:11部屋(寝室5部屋、バスルームは6室)、2階建て
●改築年:2018年
●建築家:トム・カーソン
●家族構成:1人。ペットは犬1匹
ゲストハウスの2階からもウォールアートが望める。水不足のLAにふさわしいサボテンが庭の植物のメイン。
2階のリビングルームには、これまで集めたお気に入りのポスターが壁にずらり。
〈ボッシュ〉のクルミ木目調キャビネットと冷蔵庫とアイランドカウンターがスタイリッシュなキッチン。レシピ本やフルーツが入ったボウルなどもインテリアのアクセントとしてディスプレイ。壁にかかっている、お茶目な絵画は、カリフォルニアで注目されている現代アーティスト、シェパード・フェアリーが手掛けた。
1階のパウダールームは海底洞窟にいるような空間。“(タイタニック号の)スミス船長”と題された壁紙は〈グロウ・ハウス・グロウ〉のもの。沈没船を訪れているであろうダンボ・オクトパス、クラゲ、イカなどが描かれているのだとか。
①丘を登る気分になる階段
奥はキッチン、ふたつのリビングルームに囲まれた中央はダイニングエリア。砂色のフロアはライムストーンで、冬は床暖房になる仕様。奥の階段は「上っていくときに窓から木々や雲が見えて、島の丘の上に行く気分になれる」そう。
②リビルドしたアームチェア
ゲストハウスの2階は、ツリーハウスをイメージした遊び心たっぷりのベッドルームとリビングルーム。奥にあるアームチェアは、20年前にハリウッドの路上で拾ってリビルドした思い出の品。
③朝陽と読書を楽しむ空間
通りに面した明るいリビングルーム。「朝、噴水の音を聴きながら、通りを散歩する近所の人たちを眺めたり、新聞を読んだりするのが日課なんだ」そう。奥に配したヴィンテージの長方形コーヒーテーブルの脚は、カニが歩いているみたいなのが好みとか。
④2軒分の土地に建てた家
家の玄関先には大きなパームツリーと松の木を配し、爽やかな印象。「別々に建っていた2軒の家の物件を見つけて2016年に購入。建築家と相談しながら、僕がデザインして建て直したんだ」。そのためメールボックスには住所の番号がふたつ記されている。左奥の木のドアを開けると、スイミングプールとゲストハウスが広がっている。
⑤壁には自作品のポスター
2階にあるホームオフィスには、キングがプロデュースした映画のポスターが壁にディスプレイされている。棚にはテレビドラマ『ボクらを見る目』で、様々な賞を受賞したトロフィーが3つ並ぶ。
⑥中と外を繋げるテラス
テラスにはファイヤーピットを設置。ラウンジの上方には屋外ダイニングエリアも。「友逹を家で歓待するのが好き」なのだとか。
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雑誌『Safari』11月号 P59~62掲載
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photo : Kaori Suzuki text : Yoko Fujimoto