イノベーティブレストラン〈ジュリア〉は、ラウンジとダイニングを移動しながら美食体験!
数あるイノベーティブレストランの中でも、今話題になっているのが神宮前の〈ジュリア(JULIA)〉。2023年11月1日に増床移転オープンしてからさらに美食体験が進化している。
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ヴィンテージ家具を配置した1階ラウンジ
来店すると、まずヴィンテージ家具を配置した1階ラウンジへと案内される。食前酒と数種類のスナックをゆっくりと楽しんでから、2階のダイニングへと移動して、オープンキッチンのパフォーマンスを鑑賞しながらコース料理を堪能。最後はまた1階のラウンジに戻って、ドリンクとデザートを嗜むという、“美食体験”となっている。
シェフのナオ(nao)さん
シェフのナオ(nao)さんは、29歳の時に料理の道に進み、ニューヨークの星付きレストランでも修業。茨城県を中心とした日本の食材にこだわり、野菜やフルーツをふんだんに用いて酸味を生かした料理を得意としている。その独自の料理と世界観が日夜ゲストを魅了し、海外からのゲストも非常に多い。
月替わりの“ディナーフルコースとドリンクペアリング”(3万1900円)では、10皿の料理と、アルコールもしくはノンアルコールのマリアージュが楽しめる。アルコールとノンアルコールのダブルペアリング(3万5200円)も用意されているから、どちらとも体験したいのならこちらもおすすめ。
ソムリエを務めるのは、二級建築士の資格をもつ本橋健一郎さん。本橋さんが最初にドリンクを考案し、それにぴったりな料理をナオさんが生み出すという流れ。
“林檎|味麗豚”
“林檎|味麗豚”は最初に提供されるスライダーで、バンズには“JULIA”の焼印が入っている。ジューシーな豚肉と酸味の効いた林檎の組み合わせが実に絶妙。
これに続くのは“ムール貝|スモーククリーム”。フレッシュな北海道のムール貝の佳味を引き出した冷菜で、スモークされたミルククリームがムール貝に調和し、バジルソースが香ばしい。和梨と大根のピクルスによって、さっぱりと仕上がっている。
胡瓜が香る“鯵|胡瓜”、紅芯大根のピクルスが名脇役の“鰹|大根”、クロケット=コロッケになった“鴨|南瓜”は、同じプレートで提供。こちらを食べ終えると、2階のダイニングへと案内される。
劇場型のカウンター席もある2階のダイニング
“洋梨|牡蠣|ヨーグルト”
“洋梨|牡蠣|ヨーグルト”は、北海道厚岸の牡蠣を鰹出汁で茹でた後に、昆布で締めた一品。ヨーグルト、バジル、沖縄県のシークワーサーの果汁でマリネした山梨県の洋梨が、牡蠣の食味をくっきりと浮かび上がらせる。上にのせたナスタチウムの緑もチャームポイント。
“無花果|鰻|大葉”
鰻を主役にしたのが“無花果|鰻|大葉”。蒸し焼きにした鰻は脂の妙味を湛えており、イチジクの果肉感とよいバランス。大葉と白ワインのソースは乙な味わいで、添えられた自家製蒸しパンでぬぐって食べても美味しい。
“巨峰|鶉”
“巨峰|鶉”は、巨峰とビーツ、アマランサスの“赤”が鮮やか。愛知県の鶉(うずら)を丁寧に火入れし、繊細な肉感を表現した。燻した巨峰も素晴らしい幽香で、鶉の味わいを引き立てる。
“スズキ|シークワーサー”
“スズキ|シークワーサー”は、食味に優れたスズキを、帆立貝とバジル、フィンガーライムとともに、ちりめんキャベツで包み込んだ。様々な味わいが一体となり、沖縄県のシークワーサーと白ワインのソースが全体を品よくまとめ上げている。茨城県のトマトを用いたソースはコクがあり、茨城県の小麦で作った全粒粉パンもソースによく合う。
“季節野菜|志筑鴨”
メインディッシュは、“季節野菜|志筑鴨”。茨城県の西崎ファームの志筑鴨を用いた一品で、その皮付き胸肉とササミを赤ワインソースで味わう。ピューレは、黒ニンニク、トマト、ニンジン、カボチャとバラエティに富んでおり、食べ比べも一興。ガルニチュールは、レンコンとナスタチウム、蕪、落花生、サツマイモなど茨城県の野菜を用いている。
“無花果|白胡麻”
“無花果|白胡麻”は、カラメリゼしたイチジクをトリュフスライサーで極薄にカットし、まるで可憐な花びらのよう。表面積が大きくなったことでさらに香りも豊かになり、テクスチャーも繊細。底に忍ばされた無花果とバルサミコ酢のアイスクリームは、抑揚のある味わい。
コーヒーとお茶菓子
ここからは1階のラウンジに移動して、食後のドリンクとお茶菓子を味わう。4種の焼き菓子とともに提供されるドリンクは、茨城県のハーブティーやブレンドを指定して専用焙煎したコーヒーで、どちらとも自慢の一杯なので、好みでチョイスして。
日本の生産者を応援したいという想いのもと、食材だけではなくお酒も日本産。
“木谷ワイン デラウェアペティアン 2023”
“木谷ワイン デラウェアペティアン 2023”は、デラウェアを用いたスパークリングワイン。ほどよい酸味があって、泡立ちもきれいなので、食前酒にぴったり。
左から、“酒井ワイナリー 四十雀 2021”、“シャトー・ルミエール キュベ・スペシャル 赤 2014”、“森島酒造 美山錦 純米酒”
同じデラウェアでも、オレンジワインにしたのが“酒井ワイナリー 四十雀 2021”。キリッとした酸味がありながらも、果実味と旨味が感じられる。可愛らしいエチケットも印象的。“シャトー・ルミエール キュベ・スペシャル 赤 2014”はメインディッシュに合わせられた赤ワイン。熟したカシスやブラックベリーの香りがあり、力強い味わいなので、主張のある鴨肉に負けていない。デザートにペアリングされたのは、日本酒の“森島酒造 美山錦 純米酒”。きれいな旨味の広がるフレッシュな味わいで、フルーツや氷菓子との相性も抜群。
料理とペアリングの息がぴったりで、次は何が出てくるのかとワクワクさせられる。グルメ好きであればもちろんのこと、イノベーティブに慣れていない人でも十分に楽しめるから、是非とも〈ジュリア〉の世界を体験してみて!
●コース内容
林檎|味麗豚
ムール貝|スモーククリーム
鯵|胡瓜
鰹|大根
鴨|南瓜
洋梨|牡蠣|ヨーグルト
鬼灯|梨|牡丹海老
無花果|鰻|大葉
巨峰|鶉
スズキ|シークワーサー
季節野菜|志筑鴨
チーズケーキの…
無花果|白胡麻
ほうじ茶|フィナンシェ
ほおずき
シャインマスカット|白餡
栗|ダックワーズ
●ジュリア(JULIA)
住所:東京都渋谷区神宮前3-1-25
営業時間:19:00~23:00 ※一斉スタート
定休日:火曜
TEL:03-5843-1982
URL:https://www.juliahospitalitygroup.com/
※サービス料別
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1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口でわかりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。