【 アーロン・テイラー=ジョンソン 】『クレイヴン・ザ・ハンター』で見えた強靭な肉体。
PROFILE
1990年、イギリス生まれ。6歳の頃から子役として活動し、ドラマや映画、舞台に出演。ジャッキー・チェンと共演した『シャンハイ・ナイト』やエドワード・ノートン演じる主人公の少年時代を演じた『幻影師アイゼンハイム』などで映画界の注目を集める。以降の出演作は、『ジョージアの日記/ゆーうつでキラキラな毎日』、『GODZILLA ゴジラ』、『ザ・ウォール』、『アウトロー・キング~スコットランドの英雄~』など。妻サム・テイラー=ジョンソンの監督作『ア・ミリオン・リトル・ピーシズ(原題)』では主演を務め、脚本家デビューも果たした。
アーロン・テイラー=ジョンソンほど、肩の力を抜いて俳優人生、もとい、自分の人生を歩んでいるハリウッドスターはいないかもしれない。子役として母国イギリスの映画やテレビ、舞台に出演していたアーロンは、10代にしてハリウッドへ。望む役柄を思いのまま……とはいかず、歯がゆい思いをすることもありはしたものの、20歳を前に、いまや彼の出世作のひとつといわれる『キック・アス』の主人公、デイヴ・リゼウスキ役をゲット。同作の大ヒットをきっかけに、世界中で広く知られる存在になった。とはいえ、アーロンのその後の人生を決めたのは、もしかしたらデイヴ・リゼウスキではないかもしれない。『キック・アス』への出演に先立ち、彼は『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』に主演。ビートルズ結成前のジョン・レノンを演じた同作の現場で、後に妻となる監督のサム・テイラーに出会った。撮影当時のアーロンは18歳、サムは41歳。年上のクールな芸術家に恋した彼は熱烈なアプローチの末、結婚へこぎつけたという。その年齢差ゆえ当時は好奇の目を向けられもしたが、2人は幸せな家庭生活に突入。アーロンは20代にして、サムが前パートナーとの間に授かった娘2人、まもなく恵まれる娘2人の父親となった。
もともとはアーロン・ジョンソンとして活動していた彼がアーロン・テイラー=ジョンソンとして知られていることからもわかるように(サムの現在のクレジットはサム・テイラー=ジョンソン)、2人は今も仲睦まじい様子。先月もアーロンはサムとのバカンス中に撮影したらしき写真をインスタグラムにアップし、変わらぬ愛を示していた。その写真のアーロンが見事な肉体であることは後に触れるとして、家族を愛する彼のスタンスは34歳の今もなんら変わりない。結婚当時、注目の若手スターとなっていたアーロンのもとには数々のオファーが舞い込んでいたが、彼は家庭生活とのバランスを取りながら、心から望む役をじっくりとチョイス。決して焦ることなく、自分が思い描く形に沿って俳優のキャリアを築いていった。
そんな状況において注目すべきは、アーロン・テイラー=ジョンソンを望む声が後を絶たないこと。2014年のマーベル映画『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』には、スーパーヒーローのクイックシルバー役で登場。翌年の『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』から、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)に本格参戦している。また、2016年の『ノクターナル・アニマルズ』(トム・フォード監督作)では凶暴で残忍な男を怪演し、ゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞。この授賞式では、壇上で妻のサムに感謝を述べる姿も印象的だった。さらに近年に目を向けると、クリストファー・ノーラン監督と組んだ『TENET テネット』、人気シリーズの3作めにあたる『キングスマン:ファースト・エージェント』、伊坂幸太郎のミステリー小説を映画化した『ブレット・トレイン』、ライアン・ゴズリングと共演した『フォールガイ』なども。ちなみに、『ブレット・トレイン』の日本公開時には初のプロモーション来日も果たしている。
そして、次なる出演作として待ち受けているのが『クレイヴン・ザ・ハンター』だ。クイックシルバーとしてMCU入りした過去を持つアーロンだが、今度はヴィランとしてマーベルコミックの映画化作品に参加。原作コミックではスパイダーマンの宿敵として描かれ、ヴェノムにも匹敵した強さを持つ“クレイヴン・ザ・ハンター”ことセルゲイ・クラヴィノフを演じる。このクレイヴン・ザ・ハンターは引き締まった強靭な肉体に野獣のようなパワーとスピード、研ぎ澄まされた五感で“獲物”を仕留めていくキャラクターだそう。悪名高きハンターの秘話をアーロンがどう演じるのか、日米同時公開となる12月13日(金)が待ち遠しい。本編には、スーパーヴィランの素顔を描くに際しての壮絶なバイオレンス描写も多々あるそうだ。
となると、インスタグラムで披露したような屈強ボディで“獲物”を追い詰め、激しいアクションを繰り広げるアーロンの姿が見られるのは間違いなさそうだが、もうひとつ、鍛え抜かれた肉体に注目が集まる理由がある。それは、彼が次なるジェームズ・ボンドになるのではないかと噂されているから。ダニエル・クレイグの『007』卒業以降、数多くの俳優の名がジェームズ・ボンド候補として挙がっては消えてきたが、イギリス出身で、アクションスターとしてのポテンシャルも高いアーロン・テイラー=ジョンソンを望む声は多い。ただし、当のアーロンがこの件についてコメントすることは今のところなく、今冬は『クレイヴン・ザ・ハンター』、そして全米でクリスマス公開のホラー映画『ノスフェラトゥ(原題)』に集中している様子。よき家庭人にして、地に足のついた映画人である彼が、世界を飛び回るプレイボーイのスパイと化すのも見てみたい気がするが?
引き締まった強靭な肉体に野獣のようなパワーとスピード、研ぎ澄まされた五感で、一度狙った“獲物”は確実に仕留めるまでどこまででも追いかけるクレイヴン・ザ・ハンター(アーロン・テイラー=ジョンソン)。そんな彼がいかにしてその力を得て、悪名高きハンターとなったのかに迫るスーパーヴィランの誕生譚。監督は『トリプル・フロンティア』のJ・C・チャンダー。クレイヴンの父親を、『グラディエーター』のラッセル・クロウが演じる。
12月13日(金)日米同時公開
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次期“ジェームズ・ボンド”候補として噂される男が挑むマーベル史上、最もバイオレンスなヴィラン。