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CULTURE カルチャー

2020.12.20


ブルックリン ×『マイ・インターン』

今回取り上げるのはブルックリン。ニューヨークへ行ったことがある人は多いと思うが、なかなかブルックリンまで足をのばす余裕はないかもしれない。とはいえブルックリンもNYの一部。次回のNY旅行のために是非参考にしてもらいたい映画が、日本でもヒットした『マイ・インターン』だ。一応、NYが舞台なのだが、多くのシーンをブルックリンで撮影しているので、他のNY映画とはひと味違う印象を感じとってほしい。

70歳の新人が女社長のピンチを救う!?
『マイ・インターン』(2015年/アメリカ映画)

近年注目を浴びている流行の発信地
ブルックリン(ニューヨーク州/アメリカ)

● 原題:The Intern
● 製作・監督・脚本:ナンシー・マイヤーズ
● 出演:ロバート・デ・ニーロ、アン・ハサウェイ、レネ・ルッソ、アンダーズ・ホーム、ジョジョ・クシュナー

Story
ファッション通販サイトの会社にシニア・インターン制度で採用されたベンは、カルチャー・ギャップを感じながらも、純粋な態度と人生経験によってオフィスの人気者に。社長のジュールズも最初はベンを疎ましく感じていたが、会社の経営や私生活での悩みに対処しきれなくなったとき、ベンのアドバイスが助けになり……。

オフィスもイマドキな内装
ジュールズの会社はブルックリンの工場を改装したという設定。広いフロアを多くの社員が行き来できるデザインで、ジュールズは社内の移動に自転車を使用。会議室のスペースもガラス張りになっているなど自由な雰囲気だ。ブルックリンの再開発のわかりやすいサンプルかも。

登場人物右:シニア・インターン
ベン(ロバート・デ・ニーロ)
妻に先立たれ、定年退職後は旅行や趣味に生きようとしたが、社会のために役立ちたいとシニア・インターン制度に応募。きっちりスーツを着て出社。若い社員たちから信頼される存在になる。

左:ファッション通販サイトの社長
ジュールズ(アン・ハサウェイ)
NYでファッション通販サイト“アバウト・ザ・フィット”を起業。最初はベンを不要だと思っていたが、悩みの聞き役になってくれる彼に感心。会社にとって重要な決断でもアドバイスを求める。


映画『マイ・インターン』では、ロバート・デ・ニーロの主人公がこんなセリフを口にする。“ブルックリンのように、自分も変わりたい”。定年退職した男性が、シニア・インターンとして若者ばかりの会社で人生を再スタートさせる。その決意を示した言葉だが、彼が言うようにブルックリンは、ここ10~20年で大きな変化をとげた。

ニューヨーク市にある5つの区の中で最も人口が多いブルックリンは、かつては観光客が好んで訪れる場所ではなかった。イースト川を挟んでマンハッタンの対岸に位置し、基本的に市民が暮らす住宅地がメイン。しかし近年では、マンハッタンの地価高騰によって商業施設やアーティストの多くがブルックリンに移り、再開発が進んだ。お洒落なレストランやショップも急増。もともとブルックリン・アカデミー・オブ・ミュージック(通称:BAM)など文化の発信地もあり、多様な人種が生活する地区だったので、NYらしい魅力を放つのは、いまやマンハッタンよりブルックリンかも。2017年、旅行ガイドブックのロンリープラネットが発表した、世界で最もクールな街ランキングでは、ブルックリンの南に位置するサンセットパークが1位に選ばれた。

そんな街の特徴がよくわかるのが、ブルックリンを中心に撮影された『マイ・インターン』。アン・ハサウェイが演じるヒロインは、絶好調の通販サイト会社の経営者で、その場所がブルックリン(外観は隣の区のブロンクスで撮影)。勢いのある新しい会社にふさわしい場所だと再認識させるうえ、ブルックリンのストリートに心がときめく映画になっている。長年の経験を生かすデ・ニーロのベンと、斬新で気鋭のアイデアを繰り出すハサウェイのジュールズ。2人の主人公も、歴史と新しさの両方の魅力を備えたブルックリンを表しているかのよう!



Place 01(通り)
213 Garfield Place
ブルックリンでも最も高級地区となったパークスロープ。その街並みがよくわかるのが、葬儀帰りのベンとフィオナが歩くこのシーンだ。若い社員が多い会社で、ベンにとって最も年齢が近かったのが、社内マッサージ師のフィオナ。2人の仲が急接近するエピソードが映画でも描かれる。彼らの背景に並ぶ、おしゃれなカフェやスパが街の空気を伝える。
213 Garfield Place
住所:213 Garfield Pl, Brooklyn, NY 11215

Place 02(家)
385 Grand Ave

ジュールズの自宅であるアパートメントは、外観をこの住所の場所で撮影。地区名はクリントン・ヒル。若きエグゼクティブが暮らしているということで、ブルックリンの中でも高級感が漂うかと思いきや、川沿いのエリアやパークスロープより家賃はリーズナブルで、道行く人もリラックスした雰囲気だ。アートスクールなどもあり、散策するには最適かも。
●385 Grand Ave
住所:385 Grand Ave, Brooklyn, NY 11238

ブラウンストーン・アパートメント
NYでよく目にする茶色の石造りのビル。“ブラウンストーン建築”と呼ばれ、1840年代から1900年代の初頭に建てられた歴史ある建築物だ。ジュールズ、ベンの自宅はともにブラウンストーン。


Place 03(カフェ)
パートナーズ・コーヒー
ブルックリンでもおしゃれエリアとして有名なウィリアムズバーグに本店を構え、厳選された小規模の農園の豆をブレンド。味にうるさいニューヨーカーにも人気だ。以前はトビーズ・エステイト・コーヒーという名前だったが、2019年に改名。映画の中で社員のためにベンがコーヒーを買いに行ったのが、このコーヒーショップ(カップなどは映画用で店名は出てこない)。インテリアが魅力的で、仕事で長居したくなるカフェだ。日本からもオンラインで豆を注文可。
●Partners Coffee Roasters
住所:125 N 6th St, Brooklyn, NY 11249

Place 04(バー)
テディーズ バー&グリル
同じくウィリアムズバーグにある、1887年創業の老舗バー。かつてはビール醸造所直営の酒場だった。店内は老若男女の客で賑わい、バーガーなど軽食も充実する地元に愛されるスポット。トラブルを回避した社員たちにジュールズがテキーラのショットをごちそうしたのが、この店。ジュールズもついつい飲みすぎてしまう。このシーンをヒントに、店ではテキーラのカクテルを“インターン”という名で出すようになった。是非試してみて!
●Teddy’s Bar & Grill
住所:96 Berry St, Brooklyn, NY 11249

パークスロープの魅力ブルックリンの中でもブラウンストーンの建物が美しく並ぶ地区が、パークスロープ。プロスペクト公園やブルックリン植物園にも隣接した住宅街で、大都会のNYとは思えない静かな雰囲気を味わえる。一度は住んでみたいと思わせるので、近年、家賃が急上昇しているのも納得だ。

 
Information

雑誌『Safari』1月号 P212~213掲載

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文=斉藤博昭 text : Hiroaki Saito photo by AFLO
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