Safari Online

SEARCH

CULTURE カルチャー

2022.03.27


ニューヨーク ×『ロマンティックじゃない?』

映画には、それぞれふさわしい“土地”がある。アメリカでも西海岸なら、降り注ぐ太陽の下、豪快なアクションが似合うし、大自然の広がる中西部はウエスタンやアドベンチャーにぴったり。そして東海岸の大都市ニューヨークは、人間ドラマやコメディに最適だ。特に恋が生まれるロマンチック・コメディならNYだと、タイトルもそのものの『ロマンティックじゃない?』が証明する。

ロマコメが大嫌いな女性が映画のヒロインに!?
『ロマンティックじゃない ?』(2019年/アメリカ映画)


【映画を巡る旅に出よう!】ニューヨーク ×『ロマンティックじゃない?』

フォトジェニックな街並み
ニューヨーク(ニューヨーク州/アメリカ)


【映画を巡る旅に出よう!】ニューヨーク ×『ロマンティックじゃない?』

【映画を巡る旅に出よう!】ニューヨーク ×『ロマンティックじゃない?』● 原題:Isn't It Romantic
● 監督:トッド・ストラウス=シュルソン
● 出演:レベル・ウィルソン、リアム・ヘムズワース、アダム・ディヴァイン、プリヤンカー・チョープラ

Story
地下鉄でバッグを盗まれそうになったナタリーは、相手と格闘した勢いで頭を強打。意識不明のまま病院に運ばれる。回復したナタリーだが、病室や外の世界のすべてがカラフルでかわいい風景に変わっていたり、不思議な事態が連続。子供の頃にあこがれていた、ロマンチック・コメディ映画の世界に入り込んだと知った彼女は愕然とする。

登場人物
【映画を巡る旅に出よう!】ニューヨーク ×『ロマンティックじゃない?』右:ロマコメが嫌いな冴えない女子
ナタリー(レベル・ウィルソン)
ロマンチック・コメディへの愛を抑えて大人になり、一流の建築事務所で働く。建築家だが、事務所では雑用も担当。犯罪に巻き込まれ、病院で目覚めるとロマコメの世界に入り込んだと知る。

左:金持ちのイケメン
ブレイク(リアム・ヘムズワース)
ナタリーの事務所のクライアント。高身長のイケメンだが、ナタリーには最初のミーティングから上から目線。しかし世界が変わったとたん、なぜかナタリーを猛烈な勢いで口説きはじめる。

映画は基本的に作りもの。ファンタジーやSF作品のように、非現実で異世界を描くジャンルは、その“作りもの感”で楽しませてくれるが、一番難しいのは一見リアルな世界なんだけど、ありえない展開が用意された作品。この『ロマンティックじゃない?』は大都会ニューヨークの風景が、ちょっとだけ日常からズレて、リアリティと作りものの中間の風景を見せてくれる。主人公が“映画のような世界”に入り込んでしまうからだ。しかも映画のジャンルは、ロマンチック・コメディ。街を行く人々のファッションは妙にカラフルで、店やストリートのデザインも、ちょっぴりゴージャスになっていたりする。

色とりどりの花が咲き乱れるセントラルパーク、夜空をバックに輝く自由の女神、人気のカフェでは誰もがとびきりの笑顔で迎えてくれる……。よくよく考えれば、やや過剰に“盛られた”光景が次から次へと出てくるのだが、これってもしかしたら旅行者の目線と共通しているのかも。初めての場所に旅する人にとって、いつもの日常と全く違う目的地は、実際以上にキラキラ輝いているように見えるはず。『ロマンティックじゃない?』の主人公ナタリーの目線は、実はNYへ初めて来た旅行者のそれを表現しているのかもしれない。旅先ではちょっとした出来事でもテンションが上がるが、映画の中で普段と違ってモテモテになるナタリーの気分と近いのでは?

一方で、映画を観てからそのロケ地を訪ねると“意外に地味な場所だった”とギャップを感じることも。それもまた“映画を巡る旅”の面白さ。特に多くの作品の舞台となったNYは予想以上の心のときめきと、リアルな日常の両方を同時に実感できる場所。NYへ行く際には、本作だけでなくぜひお気に入りのNY映画をチェックしてほしい。

【映画を巡る旅に出よう!】ニューヨーク ×『ロマンティックじゃない?』Place 01(カフェ)
カフェ ジタン
【映画を巡る旅に出よう!】ニューヨーク ×『ロマンティックじゃない?』1994年、ダウンタウンのノリータ地区に開店して以来、大人気を誇るカフェレストラン。アボカドトーストやフレンチ風モロッコ料理などメニューも独創的で、ランチやディナー、バーとして利用可能。2017年には東京の恵比寿に支店がオープン。NYと同じメニューも提供している。映画ではナタリーとブレイクが訪れ、同僚のジョシュと彼の新たな恋人に遭遇する。
●Café Gitane
住所:242 Mott St., New York, NY 10012

Place 02(港)
ノース・コーブ・マリーナ
【映画を巡る旅に出よう!】ニューヨーク ×『ロマンティックじゃない?』ブレイクからデートに誘われたナタリー。リムジンに乗って指定場所へ行くと、自由の女神の周囲を巡るディナークルーズが待っていた。その出発点となるマリーナは、マンハッタン南端の西側に位置し、様々なタイプの船舶を係留。映画のようにクルーズ船を呼んだら、かなりの高額になるので、とりあえずリッチな雰囲気を現地で確かめてみて!
●North Cove Marina
住所:North Cove Marina at Brookfield Place, New York, NY 10281

『プリティ・ウーマン』の衣装?
ロマコメの中でもナタリーが最も愛する『プリティ・ウーマン』。同作で最も有名なシーンでジュリア・ロバーツが着た赤いドレスはナタリーにとっても憧れの一着。ブレイクとのデートの“勝負服”となる。別シーンでも『プリティ・ウーマン』と同じ白いドレスが登場。

Place 03(公園)
ボウ・ブリッジ

【映画を巡る旅に出よう!】ニューヨーク ×『ロマンティックじゃない?』ロマコメの世界に入ったナタリーが、彼女に思いを寄せる同僚のジョシュと、セントラルパークのこの橋の上を歩く。パークの中央部分に1862年に建造され、パーク内で最も長い橋として有名。その名のとおり弓(Bow)のような美しいシルエットで、『魔法にかけられて』など多くの映画で撮影に使われた。ベストシーズンは紅葉の秋。池に浮かぶボートを眺めながら、映画でナタリーが向かったように、ここから噴水も美しいベセスダ・テラスへの散策がおすすめ。
●Bow Bridge
住所:Central Park, Bow Bridge, New York, NY 10024

Place 04(ビル)
101 Park Avenue Office Building
【映画を巡る旅に出よう!】ニューヨーク ×『ロマンティックじゃない?』1982年に完成した49階建てのオフィスビルで、モルガン・スタンレーなどの有名企業や、“ドッグ・ミュージアム”が入っている。ナタリーの建築事務所はこのビルの中という設定。映画のラストでは、彼女や同僚たちがビルのロビーから外の広場にとび出してミュージカルシーンを繰り広げる。グランド・セントラルからも近いこのビルは『アベンジャーズ』などで目にした人も多いはず。
住所:101 Park Ave., New York, NY 10017

ロマコメのパロディ満載!
【映画を巡る旅に出よう!】ニューヨーク ×『ロマンティックじゃない?』『プリティ・ウーマン』と同じジュリア・ロバーツの主演作『ベスト・フレンズ・ウェディング』の描写が、本作の結婚式のシーンで再現される。ナタリーとジョシュが水餃子を食べて興奮するシーンは『恋人たちの予感』からの引用。その他にもロマコメの名作のタイトルや、誰もが知るセリフがあちこちに織り込まれる。

 
Information

雑誌『Safari』5月号 P228~229掲載

“映画の記事をもっと読みたい人はコチラ!

文=斉藤博昭 text : Hiroaki Saito photo by AFLO
〈オメガ〉の“プロフェッショナルライン”に注目。復活した“レイルマスター”と 新色の“シーマスター”、心躍るふたつの名作。
SPONSORED
2025.06.27

〈オメガ〉の“プロフェッショナルライン”に注目。
復活した“レイルマスター”と 新色の“シーマスター”、心躍るふたつの名作。

〈オメガ〉を象徴するコレクションとして、1957年に創設された“プロフェッショナルライン”3部作。その中でも“レイルマスター”は、鉄道職員や電気技師といった強い電磁場が発生する場所で作業する人々を耐磁性の高さで支えた名作。そして、“シーマ…

TAGS:   Urban Safari Watches
〈ブランパン〉の名シリーズから新作登場。大人の休日にはシックなダイバーズを。
SPONSORED
2025.06.27

〈ブランパン〉の名シリーズから新作登場。
大人の休日にはシックなダイバーズを。

時計の人気トレンドにヴィンテージスタイルがある。1953年に誕生し、基本デザインを継承する“フィフティ ファゾムス”もそのひとつかもしれない。だがそこに懐古趣味はなく、常に新鮮な魅力を感じさせる。機能美という不変の価値があるからだろう。新…

TAGS:   Urban Safari Watches
リーダーにふさわしい〈グラスヒュッテ・オリジナル〉の一本。端正な機械式時計で仕事にも優雅さを。
SPONSORED
2025.06.27

リーダーにふさわしい〈グラスヒュッテ・オリジナル〉の一本。
端正な機械式時計で仕事にも優雅さを。

クルマやカメラなどドイツの工業製品の高い機能と品質は世界的に知られる。時計も例外ではない。〈グラスヒュッテ・オリジナル〉はその代表格だ。クラシカルなスタイルに決して派手さはない。だが漂う気品は、伝統に培われた揺らがぬ時計作りの哲学と美学を…

TAGS:   Urban Safari Watches
〈パネライ〉の傑作がさらなる進化。タフさと品格を併せ持つエレガントダイバーズ。
SPONSORED
2025.06.27

〈パネライ〉の傑作がさらなる進化。
タフさと品格を併せ持つエレガントダイバーズ。

歴史に裏打ちされた信頼性と機能。そして、存在感を放ちながら、品を保つデザイン性。そのすべてを兼ね備えた〈パネライ〉の“ルミノール マリーナ”は、知性と余裕をまとう大人にふさわしい腕時計だ。その傑作コレクションが今年、大胆な進化を遂げたとい…

TAGS:   Urban Safari Watches
〈エドックス〉の人気ダイバーズ時計が日本限定で登場!“とろやわ”ストラップで夏のビーチを満喫!
SPONSORED
2025.06.25

〈エドックス〉の人気ダイバーズ時計が日本限定で登場!
“とろやわ”ストラップで夏のビーチを満喫!

煌めく太陽に、白い砂浜、青い海。夏のビーチ遊びの季節がやってくる! ラフなビーチコーデの手元だって、やっぱり快適さを求めておきたい。そんな海遊びにはラバーストラップのダイバーズ時計が最適だ。そこでプッシュしておきたいのが〈エドックス〉の日…

TAGS:   Fashion Watches
〈ザ・ブセナテラス〉で過ごす憩いの時間!沖縄バカンスは贅沢でリラクシングなステイを!
SPONSORED
2025.06.25

〈ザ・ブセナテラス〉で過ごす憩いの時間!
沖縄バカンスは贅沢でリラクシングなステイを!

〈ザ・ブセナテラス〉は、日々の疲れを癒し、日常では味わえない贅沢な時間を過ごせる。充実したホテルの設備・サービス、海に面した立地を生かしたマリンアクティビティプログラム。ここは1泊2日くらいでは気づけない、魅力を秘めている。パートナーとと…

TAGS:   Stay&Travel
これでライフスタイルが見違える!新鮮アイテムでいつもの夏をアップデイト!
SPONSORED
2025.06.25

これでライフスタイルが見違える!
新鮮アイテムでいつもの夏をアップデイト!

いよいよ待ちに待った夏。バカンスを楽しみにしている人も多いだろう。たとえ予定がなくても、気温の上昇とともに気分をぐっと上げていきたい。そんなときに必要なのが、ライフスタイルをアップデイトするためのアイテムだ。これさえあれば、いつもとはひと…

サンダルは履き心地と見た目のよさで選ぶ!夏に大活躍するサンダルは、〈ロンハーマン〉別注が優秀!
SPONSORED
2025.06.23

サンダルは履き心地と見た目のよさで選ぶ!
夏に大活躍するサンダルは、〈ロンハーマン〉別注が優秀!

夏がやってくると気分も開放的になり、休日はお出かけモードに。街にショッピングに行くのもいいし、たまにはアウトドアで自然の中に身を置くのも気持ちよさそうだ。もちろん、ご近所を散歩する程度で、家でゆっくり過ごすというのも幸せ。で、そのどんなシ…

TAGS:   Fashion
〈ジラール・ペルゴ〉夏の限定モデルが登場!サマーバカンスの相棒は“懐色”の復刻ダイバーズで!
SPONSORED
2025.06.20

〈ジラール・ペルゴ〉夏の限定モデルが登場!
サマーバカンスの相棒は“懐色”の復刻ダイバーズで!

マニュファクチュール=自社一貫生産体制を2世紀以上も貫き続けるスイス、ラ・ショー・ド・フォンの名門時計ブランド〈ジラール・ペルゴ〉。そのコレクションはどれもクラシカルかつドレッシーで気品に満ちたもの。そんなイメージを、文字どおりあざやかに…

TAGS:   Fashion Watches

NEWS ニュース

More

loading

ページトップへ