シカゴ ×『ベスト・フレンズ・ウェディング』
映画を観て“その場所へ行きたい”と思うかどうかは、主人公の目線になって街を楽しめるかが大きなポイントになる。『ベスト・フレンズ・ウェディング』は、ジュリア・ロバーツ扮する主人公がシカゴを訪れる設定で、元カレとの複雑なドラマに街の名スポットが見事にフィット。シカゴを旅してみたい欲求が湧き上がるはず。さらに今年は新たな日本人メジャーリーガーの活躍により注目度アップ!
- SERIES:
- 映画を巡る旅に出よう! vol.39
『ベスト・フレンズ・ウェディング』(1997年/アメリカ映画)
シカゴ(イリノイ州/アメリカ)
● 原題:My Best Friend’s Wedding
● 監督:P.J.ホーガン
● 出演:ジュリア・ロバーツ、ダーモット・マルロニー、キャメロン・ディアス、ルパート・エヴェレット
Story
かつて恋人だったジュリアンとマイケルは“28歳までお互い独身だったら結婚しよう”と約束していた。しかし28歳を迎える直前、ジュリアンはマイケルが大学生のキミーと結婚すると聞かされる。その結婚を何とか阻止しようとNYからシカゴへ駆けつけたジュリアン。しかしキミーから歓迎され、結婚式の準備は着々と進んでいく。
登場人物
右:料理研究家
ジュリアン(ジュリア・ロバーツ)
NYで活躍する料理研究家。28歳で元カレのマイケルと結婚するつもりだったが、彼が別の女性と結婚を決めて大激怒。
中:9年交際した元カレ
マイケル(ダーモット・マルロニー)
スポーツ記者。キミーとの結婚準備を進めるも、ジュリアンと再会し、トラブルの連続。
左:マイケルのフィアンセ
キミー(キャメロン・ディアス)
20歳の大学生。父は球団とテレビ局のオーナー。屈託のない性格で、ジュリアンをマイケルの親友として歓迎。結婚式の介助人を頼む。
世界中が新型コロナウイルスのパンデミックにさらされてから約2年。ようやく海外渡航のハードルが下がりつつある。どこかへ旅に出るプランを考えている人も多いのでは? もしメジャーリーグに興味があれば、旅行先に推したいのがシカゴ。毎年、日本から新しいメジャーリーガーが誕生している中、今年最も注目されるのが元広島カープの鈴木誠也で、彼を迎え入れたのがシカゴ・カブスなのだ。
日本でプロ野球を観戦したことのある人は多いと思うが、メジャーリーグのスタジアムは別次元の体験で、アメリカ旅行でも人気。特に大都市には複数のメジャーリーグの本拠地があるので、野球ファンにはおすすめ。シカゴはカブスとホワイトソックスという2球団の本拠地だし、日本では鈴木誠也の影響で一気に注目されそう。ということで今回は、ホワイトソックスのスタジアムが登場する映画『ベスト・フレンズ・ウェディング』を紹介したい。
主人公ジュリアンの“恋敵”となる女性が、ホワイトソックスのオーナーの娘という設定。映画では、そのオーナー席からスタジアムを眺めるシーンが登場する。迫力あるメジャーリーグの雰囲気に観ているこちらもテンションが上がり、現地に行きたい衝動に駆られるはず。
そもそもジュリアンはNYからシカゴにやって来るという設定なので、巨大で有名なシカゴ・オヘア空港に降り立つ瞬間から、彼女の旅に同行した気分になるかも。そこから彼女の目線で街を楽しめるし、シカゴの数々の魅力的なスポットが登場人物たちのドラマを彩っている。野球が好きならシカゴを拠点にして、周辺のトロント(菊池雄星所属のブルージェイズ)、ピッツバーグ(筒香嘉智所属のパイレーツ)にも足を延ばし、メジャーリーグ観戦ツアーを贅沢に楽しむ……なんてことも可能で、旅のプランに夢は広がる!
Place 01(教会)
フォース・プレスビテリアン教会
シカゴの中心街であるミシガン・アベニューに、1914年に建立された教会。高層ビルも立ち並ぶ一角に、荘厳な雰囲気でたたずむ。一歩足を踏み入れると、内部は意外なほど広く、天井の美しいデザイン、派手すぎないステンドグラスなど、そこだけ時間が止まったような癒しを与えてくれる空間。マイケルとキミーが結婚式の場所として選んだのも納得。
●Fourth Presbyterian Church
住所:126 E Chestnut St, Chicago., IL 60611
Place 02(橋)
Wells Street Bridge
シカゴ川に架かるこの橋は、1922年に建設され、シカゴのランドマークになった。橋は2階建てで、上部が列車の線路、下部が車道と歩道。大きな船が川を通過する際は、中央部が割れて両側が持ち上がる、大都会には珍しい跳開橋(跳ね橋)。ジュリアンとマイケルが、かつての想いを募らせながらリバークルーズを楽しむシーンで、この橋が背景に見える。
住所:299 N Wells St., Chicago, IL 60606
シカゴ観光の目玉といわれる、リバークルーズ。いくつもの会社が運行しており、特に人気なのが、約70分でシカゴ川沿いの建築をガイドするクルーズ。ゴシック様式から近未来デザインまでを間近で眺めることができる。ロマンチックな気分で盛り上がりたければナイトクルーズを!
Place 03(駅)
ユニオン・ステーション
長距離列車でシカゴ行きに乗れば、この駅に到着する。古くからのシカゴの“玄関口”。1881年に完成されて以後、建て替えや改修も繰り返されたが、外観やプラットホーム、コンコース、“グレート・ホール”と呼ばれる待合室などクラシカルな様式があちこちに残り、全体として歴史的観光スポットになっている。結婚に悩むマイケルをジュリアンが探し出し、彼女が自分の過ちを告白するのが、このグレート・ホール。『スティング』や『アンタッチャブル』の有名な大階段シーンなど、数多くの映画やドラマで撮影に使われている。
●Chicago Union Station
住所:225 S Canal St., Chicago, IL 60606
Place 04(野球場)
ギャランティード・レイト・フィールド
キミーの父親は、シカゴ・ホワイトソックスのオーナー。その本拠地がこのスタジアムだ(撮影時の名称はコミスキー・パーク)。ジュリアンがキミーの父に会いにいくシーンで登場。外野フェンスのカーブ形状からホームランが出やすい球場で、ホームランが出るとスコアボードの風車が回り、花火が打ち上がる。高津臣吾、井口資仁、福留孝介のホームだったので、野球ファンなら一度は訪れたい場所。
●Guaranteed Rate Field
住所:333 W 35th St., Chicago, IL 60616
ジュリア・ロバーツは本作の2年後に『ノッティングヒルの恋人』に出演し、さらにその翌年に『エリン・ブロコビッチ』でオスカー受賞。最も勢いのある時代の輝きを実感できるし、キャメロン・ディアスは本作が大ブレイクのきっかけで、そのキュートな魅力が全開。2人の美しさをシンプルに愛でるだけでも本作は必見だ。
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