デキるビジネスエリートは、伝統の大切さを忘れない! 人生の特別なシーンにはほんの少し特別な1本を!
長らくクルーズ業界に身を投じ、現在は〈プリンセス・クルーズ〉でアジア太平洋地区を統括するシニア・ヴァイス・プレジデントのスチュアート・アリソン。イギリスで生まれ育ったスチュアートは幼い頃から万年筆に親しみ、万年筆との付き合い方も英国紳士らしく、実にスマート。愛用する1本とともに、自身の万年筆ライフを語ってもらった。
- SERIES:
- ビジネスエリートの愛する万年筆! 第47回
[プリンセス・クルーズ アジア太平洋地区コマーシャル・オペレーション担当シニア・ヴァイス・プレジデント]
PROFILE
イギリス・ケント州出身。ウエストミンスター大学にてマーケティング修士号および国際ビジネス学士号を取得。約20年に及ぶクルーズ業界での経験の中で、ブランドの枠を超えたコマーシャル・オペレーションに従事する。2003年からはオーストラリアに渡り、同エリアのクルーズ人口拡大に貢献。2017年12月に〈プリンセス・クルーズ〉のアジア太平洋地区を統括するシニア・ヴァイス・プレジデントに就任し、現在に至る。3歳の娘と1歳の息子を持つよき父でもある。
最愛の人への手紙
日本のプリンセス・クルーズチームのみなさまへ
日本でのプリンセス・クルーズの展開において、
2019年が過去最大の躍進を遂げる年になるよう
みなさまの成功をお祈りしています。
̶スチュアート
手書きの文字はパーソナルで温かい!
1つ1つの質問に言葉を選びながら丁寧に答えてくれたのは、〈プリンセス・クルーズ〉アジア太平洋地区を統括するスチュアート・アリソンだ。イギリスで生まれ育ったスチュアートは、授業の一環として小学生の頃から万年筆を使ってきたという。最初の1本は祖父からプレゼントされた〈パーカー〉の万年筆。イギリスでは子供や孫に万年筆を贈ることがちょっとした伝統なんだとか。
「私は左利きだったので、万年筆を使った後はいつも左手がインクで真っ青でした(笑)。万年筆の思い出というと、真っ先にその光景が頭に浮かびます。大学生の頃に少し万年筆から離れてしまいましたが、ビジネスをするようになって再び万年筆を手に取るようになりました」
現在愛用しているのは、高級万年筆の代名詞的存在でもある〈モンブラン〉のマイスターシュテュック。2017年、自身の昇進を記念して、自分で気に入ったものを購入したという。
「私にはまだ不相応かもしれませんが、仕事へのモチベーションを高める意味もこめて、少し背伸びをしてこの1本を選びました。実際に使ってみると、ほどよい重さが手にしっくりと馴染み、ペン先の滑りもちょうどいい。もう左手をインクで汚すようなこともありません(笑)」
スチュアートは仕事柄、デジタルデバイスをスマートに使いこなす。出張に万年筆は持っていかなくとも、タブレットやスマートフォンは欠かせない。にもかかわらず、万年筆はビジネスにおいて大切なパートナーだと語る。
「お客さまへのお礼状や重要な書類には必ず万年筆でサインをします。贅沢をする必要はありませんが、やはり特別なシーンには特別な筆記具がふさわしいと思います。万年筆を使うだけで心構えも違ってきますし、手書きの文字にはその人の想いが宿るはずです」
最後に万年筆ユーザーとして、あまり万年筆を使う機会がない読者に向けてメッセージをいただいた。
「私自身もコミュニケーションの主流はデジタルです。“書く”という行為は少し古臭く感じるかもしれませんが、伝統を重んじる日本の方なら、その価値や本質をおわかりいただけると思います」
愛用の万年筆
マイスターシュテュック
プラチナコーティングル・グラン
/モンブラン
知的でシャープな印象!
2017年12月に現在のポジションに就任した際に、自分自身へのプレゼントとして購入したのが、コチラのマイスターシュテュック。定番のブラック×ゴールドではなく、ブラック×プラチナを選ぶあたりが、英国紳士であるスチュアートのセンス。見た目はもちろん、左利きで筆圧が強い彼にとって、適度なボリュームがちょうど手に馴染むんだとか。現在はこの1本のみを使いこんでいる!
万年筆の相棒は
〈スマイソン〉のレザーノート!
メモを取ったり、ビジネスのアイデアをまとめたりと、万年筆の相棒として欠かせないのが、英国王室御用達ブランドである〈スマイソン〉のレザーノート。こちらもデザインが気に入って自分自身で購入したんだとか。革小物好きのスチュアートは、このノート以外にもレザーグッズを多数愛用中!
カフスも〈モンブラン〉!
TPOによって使い分けてはいるものの、シャツはカフス仕様が基本。で、この日のカフスは万年筆に合わせて〈モンブラン〉のものをチョイス。ちなみにこちらは親友からの誕生日プレゼントとのこと
腕時計は自分へのご褒美!
手元を飾るのは〈オメガ〉のシーマスタープロフェッショナル。こちらは30歳の誕生日に自分自身へのご褒美として購入したお気に入りの1本。ブルー系のスーツ&タイに合わせたブルーベゼルが好印象!
COMPANY DATA
PRINCESS CRUISES[プリンセス・クルーズ]
ラグシュアリーな船旅を体験できる!
世界最大のプレミアムクルーズラインである〈プリンセス・クルーズ〉は、現在17隻の近代的な客船を運航する、国際的なクルーズ会社。年間200万人のゲストを世界360以上の目的地に向けて、3泊から111泊の日程でバラエティ豊かな150以上のクルーズを運航。
雑誌『Safari』2月号 P192・193掲載
photo : Mamoru Kawakami text : Takehisa Mashimo