『ボヘミアン・ラプソディ』『ビリオネア・ボーイズ・クラブ』
伝説のバンド、クイーンの軌跡を描く『ボヘミアン・ラプソディ』と、‘80年代にLAで起きた若者たちによる投資事件が題材の『ビリオネア・ボーイズ・クラブ』をピックアップ!
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物語で観る編①
『ボヘミアン・ラプソディ』
ムネアツなポイントは?
・伝説のバンド、クイーンの軌跡がリアル!
・バンド結成からライブ・エイド出演までを描く!
・フレディの動きを完コピした演技がすごい!
・ライブ・エイドの場面は鳥肌ものの興奮と断言!
・ブライアン・シンガー降板も影響なしの傑作!
『伝説のチャンピオン』『ウィ・ウィル・ロック・ユー』などは、もはやスポーツの大会などでは“定番”の曲。ほかにも数えきれないほどある名曲は、現在も映画やCMなどで多く使われているのはご存知かと。で、ついにカリスマ的ボーカリストのフレディ・マーキュリーを中心に、彼らの軌跡をたどる一作が完成した。1970年代、日本が最初にクイーン人気に火をつけたとあって、本作への期待値は高い。
バンド結成から、タイトルとなった曲『ボヘミアン・ラプソディ』の誕生、フレディ・マーキュリーと恋人メアリーの複雑な関係、そしてフレディのセクシュアリティのカムアウトやエイズの発症。さらに、バンド内での確執を盛りこみながら、クイーンの歴史の中でも“伝説”として語り継がれる、1985年のライブ・エイドを描いていく。流れるのは28曲。その多くはクイーンのファンでなくても耳にしたことがあるはずで、全編テンションが上がりまくる。
驚くのはキャストたちの“そっくり度”だ。フレディ役のラミ・マレックは、特徴的な前歯を装着し、話し方や仕草を徹底研究。圧巻はステージ上の数々のパフォーマンスで、妖艶かつ過激、そしてあまりに自由なフレディの動きを“完コピ”しているのだ。ブライアン・メイ役のグウィリム・リーは、CGかと思ってしまうほど本人そのもの。ほかのメンバーも、演奏時の腕の位置や癖などを再現し、当時の映像を観ているのかと錯覚するほど!
クイーンをリアルタイムで知らない人も、この映画を観れば、彼らがいかに革新的スタイルをもたらしたのか、その才能に素直に感動することだろう。そしてクイーンのファンには、駆け足に感じられる部分があるものの、ポイントとなる瞬間はじっくり語られるので、何度も胸が熱くなるのは確実。そしてライブ・エイドのシーンは、クイーンのファン云々を超えて、あらゆる観客が鳥肌モノの興奮を味わうと断言したい。
この作品、監督のブライアン・シンガー(『X-MEN』シリーズなど)が途中降板して完成まで不安視されたが、後を継いだデクスター・フレッチャーが見事にまとめ上げ、これもひとつの奇跡と言っていい。最後にオマケのネタを1つ。『ボヘミアン・ラプソディ』を、映画『ウェインズ・ワールド』で復活させたマイク・マイヤーズが本作にも特殊メイクで出演している。『ウェインズ〜』を観た人なら爆笑必至のセリフを放つので、ご注目を!
『ボヘミアン・ラプソディ』
原案・脚本/アンソニー・マクカーテン 監督/ブライアン・シンガー 出演/ラミ・マレック、ルーシー・ボイントン、メイ・グウィリム・リー、ベン・ハーディ 配給/20世紀フォックス
2018年/アメリカ/上映時間155分
11月9日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
©2018 Twentieth Century Fox
物語で観る編②
『ビリオネア・ボーイズ・クラブ』
ムネアツなポイントは?
・実際に起こった金(ゴールド)投資の事件が題材
・金持ち相手に偽の投資話を持ちかけ大儲け!
・主人公を演じるアンセル・エルゴートの存在感が抜群
・死んだ? 生きてる? 事件のキーマンは今も行方不明!
実際に起こった金(ゴールド)投資の事件が題材
先日、日本でも地面師グループによる詐欺事件が話題になったが、本作も高配当をうたって金を集めていた投資詐欺事件のお話。‘80年代にロサンゼルスで実際に起こったスキャンダルで、若者たちによる社交クラブが舞台となっている。発覚後も、当事者たちの証言は虚実混合。今でも全面解明されていない都市伝説のような物語なのだ。
上流階級が集う場で偶然再会した同級生のジョーとディーン。金(ゴールド)投資による儲け話を企てた2人は、ビバリーヒルズでも有数の金持ちである友人たちを巻きこみ投資グループ“ビリオネア・ボーイズ・クラブ”を結成する。しかし、実情は騙しては投資をさせ、その巨額資金を元にまた詐欺を重ねるという危険なゲームだった。贅沢な暮らしをして快楽に溺れる彼らはLAの社交界でも注目を浴びる存在に。が、ある人物の裏切りにより一転、窮地に陥ってしまう。
天才的頭脳で、金持ちたちを欺いていくジョーを『ベイビー・ドライバー』のアンセル・エルゴートが、相棒のディーンを『キングスマン』のタロン・エガートンが扮している。野心に燃える若者たちの欲望と暴走を等身大の演技で披露しているわけだが、とりわけアンセルの存在感は抜群。スタイルもよく、隣で並ぶタロンが気の毒になるほどだ。
物語は成功から挫折へと展開し、とある事件にまで発展する。そのキーマンとなるのが、大物俳優が演じるキャラなのだが、ネタバレすると彼は劇中で命を落としてしまうのだ。しかし、現実にはその人物の死体は見つかっておらず、事件後に見かけたという人が何人もいるのだとか。事件現場にいた人、詐欺に関わった人、それぞれが違う主張をするという実に特異な状況。本作のクライマックスも1つの見方でしかない、なんとも判然としない謎めいた作品なのだ。ただ断言できるのは、共演のエマ・ロバーツがとびっきり可愛いということだ!
『ビリオネア・ボーイズ・クラブ』
監督・脚本/ジェームズ・コックス 出演/アンセル・エルゴート、ケビン・スペイシー、タロン・エガートン、エマ・ロバーツ 配給/プレシディオ
2018年/アメリカ/上映時間108分
11月10日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
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