【Vol.28】心躍るクルマはいつだってクーペ!
レクサス LC500hLEXUS LC500h クルマは、「かっこいい!」と思って乗るのがイチバン。そんなことを思い起こさせてくれるのが、この1台。パッと見てため息が出る、そんな美しさに酔いしれそう!クルマのカタチに“クーペ”というのがある。あらためて言うまでもないが、今回紹…
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LEXUS LC500h
クルマは、「かっこいい!」と思って乗るのがイチバン。そんなことを思い起こさせてくれるのが、この1台。パッと見てため息が出る、そんな美しさに酔いしれそう!
クルマのカタチに“クーペ”というのがある。あらためて言うまでもないが、今回紹介する〈レクサス〉LCのような2ドアのシュッとしたものだ。
語源をネットサーフすると、フランス語の“切る”という動詞の過去分詞とあった。スペルにアキュートアクセントがついているのがそんな感じだし、フランス語であることはもうずいぶん前に、なにかの本で読んだことはある。
“切る”という意味合いも想像できる。セダンをデフォルトとすれば、4つのドアを持つキャビンを切って2ドアにしたことを表現しているのだろう。ある意味わかりやすい。そのクーペはまさにラグジュアリーの象徴。オープンカー同様特別な存在なのは言わずもがな、かつてのヨーロッパではこうしたクルマはカロッツェリアがデザインから製造まで担当していた。要するに、大型工場で大量生産されるセダンやハッチバックとは生まれも育ちも別なのである。
そんなクーペだが、サイズによって趣が変わる。小さな2シータークーペは、高いパフォーマンスを比較的リーズナブルな価格で供給する。当然、セダンより少数生産となるため割高となるが、目玉が飛び出るような価格設定にはならない。だが、これがビッグクーペとなると話は別。ターゲットはすごく限られた富裕層となり、スペシャル度はグッと高まる。価格もだ。そう、乗る人を選ぶクルマとはまさにこのこと。もちろん乗れば、大人の余裕を感じさせるオーラ全開となる。
さて、〈レクサス〉LCである。ご覧のように全方位型大人のクーペであることは間違いない。デザイン、サイズ、パフォーマンスのどれをとっても抜かりなし。というか、逆に今まで〈レクサス〉にビッグクーペがなかったのが不思議。フラッグシップのLSを筆頭にジャパニーズプレミアムカーブランドを牽引するポジションにいながら、そこが欠けていた。
でも、これですべて出揃った。ミッドサイズにはRCというクーペがあるから、NX、RX、LXといった〈レクサス〉のSUVファミリーと同様、大きさ違いもちゃんと選択可能に。あらゆるニーズに応えられるようになったのは喜ばしい。
では、LCの特徴はといえば、開発陣のこだわりに尽きる。なんたってこのクルマのためにクルマの骨格となるプラットフォームからすべて新しく作り上げた。いやはやお見事。彼らはクーペが特別であることをちゃんと知ってるというわけだ。さすがです!
このクルマの楽しみ方&使い方
このクルマのすごいところは、デザインスタディとして提案したコンセプトカーを、ほぼそのままのスタイリングで市販化したことに尽きる。時は2012年の北米モーターショー。そのステージに置かれた“LF‐LCコンセプト”というのが、このLCの原型となる。
デザインスタディとは、近未来のデザインを示す道標のようなもの。普通はそれがそのまま市販化されることはなく、スタディモデルの一部分を製品に注入する手法が取らる。グリルやヘッドライトの形、ボンネットやフェンダーの膨らみなどがそうだ。
というのも、そもそもがデザイナー主導で作ったものは、エンジニアリング的には不可能なデザインが多い。「これじゃ衝突安全対策にならない」とか、「こんな狭くて低い位置に人は座れない」とか、「エンジンを積む場所はどこ?」とか。
とはいえ、それをクリアするため、前述したようにこのクルマの開発陣はプラットフォームから作り上げた。しかも、限られた時間内で。
それができたのは、当時レクサスインターナショナルのトップがデザイン出身者であったことが関係する、と思う。エンジニア目線だと無理ということも、デザイナー目線だと違って見えるからだ。
な~んて目線でこのクルマを眺めるのも面白い。逆にいうと、エンジニアの血と汗と涙の結晶ですわな、これは!
〈01 運転席〉もはや高級家具のような佇まい!
そもそも内装にはこだわりを持つ〈レクサス〉。LCのコックピットはさらにそれを強く感じさせる。レザーの質感やウッドパネルなどの出来栄えは高級感たっぷり。デザインを含め、上質な家具に囲まれたリビングにいるような落ち着いた気分になる。
〈02 タッチパッド式リモートタッチ〉単なるギミックではなく実用性大!
FRスポーツカー的な太いセンターコンソールにはタッチパッド式のリモートタッチが備わる。指で大まかな文字を書けばそれをコンピューターが認識してナビの目的地を設定してくれるものだ。インターフェイスの進化からも目が離せない!
〈03 アクティブリアウイング〉実用的でかつかっこいい装備!
走行時、時速80㎞/hで立ち上がるのがこのアクティブリアウィング。約時速40㎞/hまで減速すると自動格納するが、手動で上下することも可能。これが立ち上がることで、ダウンフォースを稼ぎ、リアの挙動を安定させる役目を果たす!
SPECIFICATIONS
レクサスLC500h
●全長×全幅×全高:4770×1920×1345㎜
●車両重量:2000 kg ~
●エンジン:3 . 5ℓV 6 DOHC+モーター
●最高出力:エンジン220 kW(299 ps)/ 6600 rpm、モーター132 kW(180 ps)
●最大トルク:エンジン356 Nm / 5100 rpm、モーター300 Nm
●トランスミッション:マルチステージハイブリッドシステム
●駆動方式:後輪駆動
●税込み価格1350万円~
TEL:0800 - 500 - 5577(レクサスインフォメーションデスク)
雑誌『Safari』10月号 P210・211掲載