“自由ってなんだろう!?”と感じたら乗ってみて!
SUVは“車高が高くて、武骨なデザイン”なんて誰が決めた!? これからのSUVのスタイリングは、“自由でスマート”がキーワード!
- SERIES:
- ドライブは楽し! vol.50
- TAGS:
- ドライブは楽し! Cars Safari Magazine
[アウディ Q8]
AUDI Q8
自由である。もはや、これまでの定説にとらわれることはないのでは……。目の前に置かれた〈アウディ〉Q8を見て、そんなことを感じた。場所は東京・江東区にある東京都現代美術館。そこで去る7月、Q8のジャパンプレミアとなる発表会が行われた。
Q8をカテゴライズするとSUVクーペとなる。SUVクーペってナニモノ?って話にもなるが、すでに数モデルがローンチされている。パイオニアは〈BMW〉X6で、先にリリースされたX5をクーペ風に仕上げた。現在はX3をベースにしたX4も用意される。〈メルセデス・ベンツ〉でいうならGLEクーペとGLCクーペ。どちらも定番SUVをクーペスタイルにした。さらに言えば、今年〈ポルシェ〉も参入。カイエンベースのカイエンクーペを秋に登場させる。となると、〈アウディ〉がこのジャンルに新型車を投入するのは至極普通の話。もちろん、首脳陣はSUVクーペが売れているというデータを解析して決断した。そりゃそうだ。売れてなかったらX6はずっと前に生産中止になっていたし、他も追従しない。
といった背景があってQ8は誕生した。ただ冒頭に“自由”という言葉を使ったのはSUVクーペをより進化させていると思えたからだ。全体的なフォルムは完成度が高く、ベースとなるSUVの屋根を単にクーペスタイルにしただけではないクオリティの高さを思わせる。力強さを感じさせる太いリアピラーとリアコンビネーションランプのマッチングはいいし、リアフェンダーの膨らみもそこにバランスよく溶けこむ。また、そうしたリア部分の仕上がりがフロントマスクからの流れと合っているのも絶妙だ。この八角形のシングルフレームグリルもポイント。これは〈アウディ〉のSUV専用グリルで、Q3以降順次採用されている。グリル内の縦のラインが強調されることで、セダンやクーペとはまた違った世界観を表現する。モダンレトロってところだろうか。個性的なのは、ルーフエンドが丸くなだらかに落ちてくるのではなく、少し直線的なところ。ここがこれまでのSUVクーペとはまた異なるスタイルの提案となる。デザインの進化というか、自由さを感じたのはまさにこの部分だ。
といったのが東京都現代美術館でご対面したQ8の第一印象。場所が場所だけにアート性を強く感じた。そう、デザインの自由さを。Q8もそうだが、このところの〈アウディ〉のデザインのクオリティは一歩抜きん出ている気がする。
ほかにもある!
このクルマの楽しみ方&使い方
〈アウディ〉のデザインが秀逸なのはエクステリアにとどまらない。このところのインターフェイスの作りはかなり先進的。〈テスラ〉を除くどの自動車メーカーよりもデジタル感が強い、気がする。
というのも、Q8のドライバーズシートに座ってみるとわかるが、スイッチ類が極端に少ない。というか、目立つのは背の低いシフトノブだけで、操作するべきものはほとんどモニター内に収められている。よってダッシュボードやコンソールにスイッチやダイヤルといった出っ張りがないのだ。エアコンやらオーディオやら、長年我々が一般的に操作してきたツマミは見当たらない。でもってその代わりに、上下2つのモニターがセットされた。アッパースクリーンとローワースクリーンと呼ばれるものがそれで、Q8の場合、上はインフォテインメント用の1 0・1インチ、下は空調や手書き文字入力用の8・6インチが用意される。操作は基本的にタッチ式で、それに対し振動や音で反応を示している。なので、慣れてくればほとんど視線を落とさずに操作できるというのもミソだ。
モニターはほかにもある。通常メーターがあるところにはフルデジタルのアウディバーチャルコックピットが備わる。速度計や回転計、マップなどを表示するものだ。そしてウィンドウにはヘッドアップディスプレイ。まさにデジタルがいっぱい! なのである。
ココにもソソられる!
01 ドライビング
〈アウディ〉自慢の技術満載!
日本で発売されるQ8のエンジンは1種類。3ℓV6ターボのみ。マイルドハイブリッド付きなので省燃費の部分でも期待できそうだ。そして駆動方式はクワトロ、つまり4輪駆動。エアサスペンションや四輪操舵などはセットオプション。
02 ユーザーインターフェイス
これが新世代の大人の空間
本文にもあるように操作系スイッチはデジタル化される。使い勝手も視覚的にも優位性は高い。しかも高級感も同時に備えられた。ピアノブラックやウッドのダッシュパネル、レザーの質感はかなり上質。デジタルとラグジュアリーの融合だ。
03 ラゲッジスペース
日常SUVとしてはこれで十分
スタンダードなSUVのQ7よりも全高が低いため高さはそれほどでもないが奥行きは十分なラゲッジスペース。リアシートは40 : 20 : 40の分割式なので、用途に合わせて細かくシートを畳められるのがグッド。出っ張りがないところはさすが。
SPECIFICATIONS
アウディQ8 55 TFSI クワトロ
●全長×全幅×全高:4995×1995×1705㎜
●ホイールベース:2995㎜
●車両重量:2140kg
●エンジン:3ℓ V 6 DOHCターボ
●最高出力:250kW(340 ps)/ 5200 - 6400 rpm
●最大トルク:500 Nm/ 1370 - 4500 rpm
●トランスミッション:8速AT(ティプトロニック)
●駆動方式: 4WD(クワトロシステム)
●定員:5名 ●税込み価格992万円
●アウディ コミュニケーションセンター TEL:0120 - 598 - 106
雑誌『Safari』10月号 P200・201掲載
“ドライブは楽し!”の記事をもっと読みたい人はコチラ!