Safari Online

SEARCH

LIFESTYLE ライフスタイル

2020.11.08


サーフ界を明るく照らすレトロスタイルの継承者

近頃カリフォルニアのサーフ業界で盛り上がっているトレンドが、若いジェネレーションのクラシックスタイル回帰。ただ昔のスタイルを模倣するだけでなく、それを彼ら流にモダンに昇華し、注目を浴びている。今回紹介するブランディンもそんな世代を代表するサーファーの1人。父に絶大な影響を受けたという、彼のサーフヒストリーとは?

●今月のサーファー
ブランディン・ズガネリス[BRANDYN ZUGANELIS]

憧れの父、同志の幼馴染み


西海岸のサーフシーンで外せない歴史的なビーチタウン、ハンティントンビーチ。サーフカルチャーが住民の生活の一部として存在し、ファミリーでサーフィンをしている光景も決して珍しくない。今回紹介するブランディンも、そんなハンティントンビーチの典型的な家庭に生まれ、父からサーフィンを教わった。

父は偉大なサーフコーチ。いまだに時間があると一緒に海に入り、フィッシングも楽しむ。ポジティブな性格も父譲りだとか

「はじめてサーフィンをしたのは2歳の頃。サーファーの父と、父の友人とその息子の4人でボルサ・チカでサーフィンをしたのが人生初の波乗りなんだ。はじめて乗った波は正直忘れたけど、バレルにはじめて入ったときの不思議な恍惚感を覚えているよ。それ以降、ますますサーフィンに魅了されるようになって海に通い続けているんだ。それからひたすら上達したくてサーフィン漬け!」

彼がはじめて波乗りをし、今でもホームポイントとなっているのがボルサ・チカ。ハンティントンビーチピアから北に5分ほど車を走らせたところにあるビーチだ。リーフブレイクのボルサ・チカはロングボードでレフトを楽しむことができる。ブランディンは、ここでクラシックなシングルフィンを乗りこなす父の姿を見て育った。彼が’60~’70年代のサーフカルチャーに魅了された原体験も、この父の姿だったという。

そんな彼に憧れのサーファーを聞いてみると、ハリソン・ローチやアレックス・ノストなど、ロングボードを独自のスタイルで乗りこなすサーファーたちや、さらにロングボードのリバイバルブームにもひと役買った’60年代のレジェンド、ナット・ヤングの名前もあがった。

「得意のハングテンが決まると終日笑顔でいられる」と爽やかな笑顔で語るブランディン photo by Kalani Cummins

最近でこそ注目を浴びる若い世代のクラシック回帰だが、当時のブランディンのよき理解者となっていたのが幼馴染みのルーク。彼らは毎日のように海に通い、相手より1本でも多く波に乗ろうと常に競い合っていたという。

「ルークとはいつもお互いを励ましモチベーションを高め合ってきたんだ。なにかに真剣に取り組むとき、同志がいればお互いに情報を交換したり、その道から外れないように気持ちを維持させてくれたりする。それから、“絶対に上達するんだ”という忍耐の大切さもルークと一緒に学んだことかな」


クリスとの海での出合い


サーフィン漬けの毎日を送っていたブランディンに、急に転機が訪れる。それは約3年前、ニューポートビーチのブラッキーズでサーフィンしていたときのこと。海の中で〈クリス・ホール・サーフボード〉のオーナーであるクリスに出合ったのだ。

スポンサーでもある〈クリス・ホール・サーフボード〉のクリスと〈サイプレスサーフショップ〉でハングアウト

〈クリス・ホール・サーフボード〉は若いブランドだが’60~’70年代の古きよきサーフ黄金期にインスパイアされたボードブランド。そのせいか、どちらからともなく話がはずみ、ブランディンはクリスのボードを試乗させてもらうことに。彼のボードを非常に気に入り購入したブランディンは、その後本人から直接オファーの連絡を受ける。以来、〈クリス・ホール・サーフボード〉のライダーとして活躍している。苦手ではあったが大会へも多数参加、好成績も収めた。しかし、限られた時間でできるだけ多くのトリックを見せて競うのが性に合わず、最近は出場を休んでいる。

ライダーとしての主な仕事は、新しいボードのテストライディング、カタログのモデル撮影など。これらのプロジェクトでメキシコなどにトリップに行くこともあるのだとか。忙しいスケジュールの合間を縫いつつ、常にファンサーフにこだわるブランディンは、そのおかげか今までスランプに陥ることもなくハッピーな状態をキープしているそう。

「もちろん人生で挫折感を抱いたことはあったけれど、サーフィンにおいては全くないよ。むしろその逆で、いい波に乗れば乗るほど精神的に安定していく素晴らしいセラピーみたいなんだよね」

現在ブランディンは、コスタメサ(ニューポートビーチの隣町)にあるサーフショップ〈デイドリーム・サーフショップ〉でセールスとしても働いている。ここは彼のスポンサーである〈クリス・ホール・サーフボード〉を含め、クラシックタイプのマニアなボードを扱うオルタナティブサーフストア。ブランディンのような20 ~ 30代の若者たちがレジェンドたちのクラシックスタイルを継承し、再びサーフ業界に活気をもたらす中心地的場所だ。そして彼自身もまた、そんな新たなムーブメントの“核”なのだ。

今日はメローな波に合うクリスの人気ボードをお試し

自然がポジティブにしてくれる


実は彼が海で行うアクティビティは、サーフィンだけでない。昔から、フィッシングにも本格的に取り組んでいる。

「父の影響で3歳頃からはじめたんだ。主に波のない日やサーフィン後に行うことが多いよ。たまにキャンプのついでに湖や川でもフィッシングをすることもあるけどね。とにかく水辺で過ごすのが心地いいんだ」

キャンプも趣味のひとつ。最近行った湖でのキャンプではフィッシングを満喫。もしサーフィンに出合っていなかったら、山男になっていたそう⁉

さらに最近は、そんな愛するビーチを一眼レフでおさめることに熱中しているのだとか。

「海辺でレンズ越しに見える美しい景色を再発見するたびに自然のダイナミズムに感謝しているよ。毎回表情を変えるビーチの光景に“自然のはかなさ”も感じるんだ」

とはいえ彼の生活のベースにあるのは、やはりサーフィンだそう。毎日朝は5時半には起床し、波チェックを欠かさない。仕事が終わったあとも、波があればもちろん海に入る。

「サーフィンがあってのライフスタイルは“スタイル”ではなく、僕にとってはサーフィンそのものを享受している感覚なんだよね。うまくいえないけど、サーフィンそれ自体をシンプルに楽しんでいるんだ。人生における優先度がいつも一番上ってだけのことで、それを素直に続けることで自信に繋がり、精神的にも強くヘルシーでいられるよ」

ビーチ必須アイテム。ショーツは日本のブランド〈イエローラット〉を愛用!

先日、オーナーのクリスとメキシコでのトリップを終えたばかりだが、すでに次回のトリップの話も進めているそう。

「まだわからないけど、おそらくノバスコシア周辺に行く予定だよ。コロナで大変な時期だけど僕らには常に明るい未来が待っているんだ」


●ホームポイントはココ!
ボルサ・チカ[BOLSA CHICA]
ハンティントンビーチとシールビーチの間に位置。リーフブレイクで安定して波が立ち、ロングボードに適したスポットとして有名。特にレフトが決まる。週末は海沿いのパーキングに駐車して1日中ハングアウトするサーファーも多い。

Information

雑誌『Safari』12月号 P251~252掲載

“波乗り一代記の記事をもっと読みたい人はコチラ!

写真=ジェームス・クロスニアック、桝田はやと 文=高橋百々
photo : James Chrosniak(Seven Bros. Pictures), Hayato Masuda text : Momo Takahashi(Volition & Hope)
俳優・山﨑賢人が語る〈サンローラン〉の新作バッグの魅力!大人のお洒落をキメるのは上質感と遊びのあるデザイン!
SPONSORED
2024.04.25 NEW

俳優・山﨑賢人が語る〈サンローラン〉の新作バッグの魅力!
大人のお洒落をキメるのは上質感と遊びのあるデザイン!

大人のお洒落を考えるうえで重要なポイントになるのがバッグ。上質な素材と丁寧な作り、そして“ワザあり”なデザインの三拍子が揃ったバッグが、着こなしをさりげなく格上げしてくれる。そこで注目したいのが〈サンローラン〉。見た目も使い勝手も申し分な…

TAGS:   Fashion
テーブス海が〈エンポリオ アルマーニ〉を華麗に着こなす!自分に限界を作らないから無限の可能性がある!
SPONSORED
2024.04.25 NEW

テーブス海が〈エンポリオ アルマーニ〉を華麗に着こなす!
自分に限界を作らないから無限の可能性がある!

空高く自由に舞うイーグルをあらゆるボーダーを超えていくシンボルとして掲げ、信念をもって挑戦する人々を鼓舞し続けている〈エンポリオ アルマーニ〉。様々な壁を越えて高く舞い上がり、まだ見ぬ理想の世界を求めて進む自由な精神を、今シーズンも体現し…

TAGS:   Fashion
色と素材で差がつく〈タトラス〉の新作!初夏のビーチで差がつく格上ウエア!
SPONSORED
2024.04.25 NEW

色と素材で差がつく〈タトラス〉の新作!
初夏のビーチで差がつく格上ウエア!

大人のビーチスタイルに必要なのは、落ち着いた色使いと上質な素材感。そうすれば、肩肘張らず自然体でいられて、気持ちよく過ごせる。そこで注目したいのが、〈タトラス〉の新作ウエア。優しげなトーンから爽やかな色合いまで幅広く揃う。

TAGS:   Fashion
甘~いカラーが新鮮な〈ラルフ ローレン〉の新作!どこかに“ピンク”でレトロな夏スタイル!
SPONSORED
2024.04.25 NEW

甘~いカラーが新鮮な〈ラルフ ローレン〉の新作!
どこかに“ピンク”でレトロな夏スタイル!

ピンクは甘い雰囲気の中に、心理的に優しさや思いやりを与える効果があるカラー。だからといって、女性的で男性には似合わない……なんて、決めつけないで! 同じピンクでもスモーキーなトーンなら、南国テイストとレトロなムードがうま~くミックス。大人…

TAGS:   Fashion
〈テーラーメイドアパレル〉で真夏のラウンドをエンジョイ!夏のゴルフは快適&スタイリッシュが常識!
SPONSORED
2024.04.25 NEW

〈テーラーメイドアパレル〉で真夏のラウンドをエンジョイ!
夏のゴルフは快適&スタイリッシュが常識!

暑~い夏のラウンド。涼しく快適にプレイしたいけれど、それだけに気を取られているようではまだまだ。そこで、ゴルフファッションにもうるさいモデル&タレントの石倉ノアが、この夏にぴったりのゴルフコーデを紹介。〈テーラーメイドアパレル〉のふたつの…

TAGS:   Fashion
〈ラコステ〉のゴルフラインでオンもオフも充実!レトロなウエアで夏ゴルフを満喫する!
SPONSORED
2024.04.25 NEW

〈ラコステ〉のゴルフラインでオンもオフも充実!
レトロなウエアで夏ゴルフを満喫する!

ここ数年のゴルフファッションは“レトロ”がキーワード。色や柄を駆使して、どこか懐かしいムードが漂うアイテムが大豊作! そんななか、この春夏の新作として注目したいのが、〈ラコステ〉のゴルフウエアだ。マルチボーダーやクラシックな総柄をまとった…

TAGS:   Fashion
〈ベル&ロス〉の新作はセラミックのラグスポ顔!リゾート姿を格上げるタフな真っ黒時計!
SPONSORED
2024.04.25 NEW

〈ベル&ロス〉の新作はセラミックのラグスポ顔!
リゾート姿を格上げるタフな真っ黒時計!

解放感漂うビーチリゾートでは、コーディネートも自然とラフになってしまいがち。では着こなし以外で、大人らしいクラス感を演出できる手立てはないものか?その最適解は〈ベル&ロス〉の“BR 05 ブラック セラミック”モデルにある。ジュエリーのよ…

TAGS:   Fashion Watches
英国の老舗〈バブアー〉の新作に注目!ヘビロテ必至の大人の夏の定番!
SPONSORED
2024.04.25 NEW

英国の老舗〈バブアー〉の新作に注目!
ヘビロテ必至の大人の夏の定番!

大人の夏の定番アイテムといえば、Tシャツやポロシャツがその代表。そこに異論がある人はいないと思うが、肝心なのは、そんな定番にどんなものをチョイスするかということ。ここがセンスの分かれめというワケ。で、注目したいのが英国の老舗〈バブアー〉の…

TAGS:   Fashion
〈カシラ〉の新作は素材と柄で違い出し!モノトーンの帽子が“街映え”の決め手!
SPONSORED
2024.04.25 NEW

〈カシラ〉の新作は素材と柄で違い出し!
モノトーンの帽子が“街映え”の決め手!

被るだけで、コーデがぐっと見違える帽子。これからの季節、シンプルな着こなしが多くなってくるが、そんなときでも個性出しが簡単に叶う。とはいえ、主張がありすぎるとワル目立ちしたり、浮いて見えたり。で、おすすめは大人っぽくまとまるモノトーン。素…

TAGS:   Fashion
大人の男によく似合う〈エルケクス〉の新作!夏の休日に着たい“アースブルー”のシャツ!
SPONSORED
2024.04.25 NEW

大人の男によく似合う〈エルケクス〉の新作!
夏の休日に着たい“アースブルー”のシャツ!

空、海、建物、標識……、地球上には様々なブルーがあるけれど、シャツだって同じ。なにしろブルーシャツは濃度や柄のバリエが多彩。素材感が違うだけでもガラリと印象が変わってくる。そこで着目したいのが、地球上の“アースブルー”をシャツに落とし込ん…

TAGS:   Fashion
男のかっこよさはデニムで決まる! 着心地とシルエットの揃った、〈リプレイ〉のデニムにクギづけ! 
SPONSORED
2024.04.19

男のかっこよさはデニムで決まる! 
着心地とシルエットの揃った、〈リプレイ〉のデニムにクギづけ! 

男のファッションは“シンプル”が基本。だからこそ飾らないデニムの風合いは、いつの時代も魅力的に映るのだろう。シルエットや色落ちに多少のトレンドはあるけれど、ベーシックなデニムを長く愛用するのも、芯がとおっていてかっこいい。で、そんな王道デ…

TAGS:   Fashion
Always, My Dear Ocean海の近くで暮らす夢は〈UMITO〉が叶えてくれる。
SPONSORED
2024.03.29

Always, My Dear Ocean
海の近くで暮らす夢は〈UMITO〉が叶えてくれる。

いつか、海の近くに住んでみたい。そんな夢を思い描いている人は多いよう。というのも、仕事のリモート化が進んでからというもの、実際に海沿いの家の人気はうなぎのぼりだからです。ただ、都会の暮らしを手放したくないのも事実ですよね。だからといって、…

プロサーファー・市東重明が体感した、新型“トライトン”の魅力!いつでも自由に!自分らしさを貫く男に似合う武骨なピックアップトラック
SPONSORED
2024.03.29

プロサーファー・市東重明が体感した、新型“トライトン”の魅力!
いつでも自由に!自分らしさを貫く男に似合う武骨なピックアップトラック

本格ピックアップトラックとして世界中で愛されてきた〈三菱自動車〉の“トライトン”が、12年ぶりに国内投入。三菱がラリーの世界で磨き抜いた4WDシステムで高い走破性を実現する一方、唯一無二の個性を主張する精悍なデザインは、「“冒険”の定義を…

TAGS:   Cars

NEWS ニュース

More

loading

ページトップへ