Safari Online

SEARCH

HEALTH&BEAUTY ヘルス&ビューティ

2022.03.17


アートを愛する個性派アーバンサーファー! ジャック・ヒル

LAのダウンタウン近くに暮らし、毎回サーフィンする際はビーチまでドライブ、というアーバンサーファーのジャック。都会暮らしを逆手にとり、特定のサーフポイントにとらわれることなくあらゆるポイントで楽しむフリースピリットの持ち主だ。また、ボードもウェットスーツも自作、というDIYスタイルも注目を集めている。そんな個性派サーファーのルーツに迫ろう。


今月のサーファー
ジャック・ヒル
[JACK HILL]

アートを愛する個性派アーバンサーファー! ジャック・ヒル

個性派は、陰の努力家


南カリフォルニアには、海沿いに暮らすサーファーもいれば、海から離れた都市部に暮らし、波乗りのたびにどこかのビーチへ繰り出すアーバンサーファーもいる。今回紹介するジャックは、後者のタイプだ。LAのど真ん中で都会暮らしを満喫しつつも、波さえよければあらゆるビーチに乗りこんで思いっきりサーフィンを楽しむスタイルだ。

そんな彼も、波乗りをはじめた幼少期は腕を磨くため、かなり努力を重ねたそう。当時、ジャックが住んでいたロングビーチは大きな港があるものの、波は立たないので隣街のシールビーチが彼の練習場となっていた。そこでサーファーの父の手ほどきを受けながら、パドルの練習をしていたそうだ。

「はじめてボードの上に立った感想? 実は覚えていないんだよ。最初の波はもちろん、100本めに乗ったときの記憶も曖昧なほど、その瞬間だけにフォーカスしているみたいなんだ」

1本1本の波に集中しているせいか、過去の波に関して全くといっていいほど記憶がないよう。

「当時は波に慣れるのにとにかく必死で、毎回もがいていたことは鮮明に覚えているけどね(笑)」

そんな控えめなコメントをする彼だが、負けず嫌いな性格は彼を毎日海へ連れ出し、一歩一歩着実にスキルを身につけていった。シールビーチからさらに足を延ばして、クルマで20分ほどのハンティントンビーチやその周辺のサーフスポットでも父と一緒に波乗りを楽しんだそう。

「もがいた時期はあったけれど、今振り返ると、毎回海に入るたびに波乗りのスキルは上達していたと思う。いつも僕より上手なサーファーを見つけて、彼らと一緒にサーフィンすることで自分のレベルを上げていったんだ」

10代後半にもなると、コンテストに参加するほどの腕前に。何度か挑戦したものの、サーファー仲間と競うことが自分には合っていないことを痛感。ファンサーフィンを選んだ。そんな彼が憧れたサーフヒーローは、ミッキー・ドラ、ナット・ヤング、ウェイン・リンチという個性的なレジェンドばかり。彼らの影響もあってジャックはクラシックスタイルにこだわりを持つサーファーへと育っていった。

アートを愛する個性派アーバンサーファー! ジャック・ヒルジャックがデザインしたウェットスーツ〈ブラックフット〉。ブラッグフラッグをはじめパンクロックに影響を受けたせいか黒×レッドでロックな印象

アートを愛する個性派アーバンサーファー! ジャック・ヒルレコードやギターなどは、アート制作中の気分転換に必須

ユニークな仕事はアートのために


幼い頃からサーフィンと並行してジャックが夢中になっていたのが、スケッチやペインティング、粘土遊びなどのアート。制作時間は人より短く、仕上がりもほかに比べて優れていた。高校卒業後は、カレッジでアートを勉強してみたが性に合わず、数回学校を替えたそう。学校を転々としている間に“先生に教わるより独学のほうが合っている”と気づき、学校に通わず働きながら様々なことを学びはじめた。

「建築作業の補助からレストランのキッチン、ハワイのコーヒー農園でのファーミングまで、いろんな職種を経験してみたよ。そこで学べるものをできる限り吸収してみたんだ」

仕事が終わればたいてい海へ直行し、サーフィンを満喫。自宅では情熱の赴くままにアート制作に没頭した。そんな生活を送る中、ひょんなことからフラワーショップで働くことになったジャック。徐々に花の魅力に惹かれていき、やがてフラワーアレンジメントに興味を持つ。

「そこで、自分の手で制作してみたら“欠けていたパズルの1ピースが埋まった感覚”を覚えたんだ。フリーで活動しはじめると、ウェディングやカフェ、レストランなどからフラワーアレンジメントの依頼がくるようになったよ」

手先の器用な彼は、サーフボードも自らシェイプしている。

「市場にあるボードにお金を払うかわりに、自分で気に入ったものを納得いくように作りたかっただけ。だから、削ったボードを売ろうという気持ちはないんだ」

実は、学生時代隣街のシールビーチにある老舗サーフショップ〈ハーバーサーフボード〉でバイトしていた彼。そこで名シェイパーのリッチはじめ、カート・アウツブルガー、スティーブ・ファレウェルなどのシェイプ風景を見て技術を吸収していたのだそうだ。その後ヴェニスビーチ近くにある〈アンダーソン・サーフボード〉のもとでアシスタントを経験。

「アンダーソン本人はじめ、彼を支える名スタッフと働いていたときは、いつも集中して作業するように注意を払っていた。だって、彼らにとって僕は生徒のようなものだからね」

アートを愛する個性派アーバンサーファー! ジャック・ヒルフラワーアレンジメントの制作風景。花材は北カリフォルニアに住んでいる友人が送ってくれた特別なもの

アートを愛する個性派アーバンサーファー! ジャック・ヒルバンの内装も本人のDIY。ワードローブやベッド、デスクなども設置!

常に自分の手でクリエイト


とにかくクリエイティブなジャックは、去年、新たにウェットスーツ制作プロジェクトをスタートした。日本の高品質ラバーを使用し、自らデザインしたウェットだ。ファクトリーから上がったサンプルを試したところ、以前よりも動きやすく、しかもライディングにスピードが加わりレベルアップを実感したそう。

「以前から大手のサーフブランドが作るウェットスーツに高額な値段がつくことに疑問を感じていたから、低予算で自分の納得できるウェットスーツが作れてとっても嬉しいんだ。デザインもシーズンごとに変えるつもり!」

〈ブラックフット〉というブランド名を冠し、オリジナルのウェットスーツブランドとして今年中にローンチするのが目標だ。 と、マルチな才能を開花させ続けているジャック。コロナウイルスの感染が拡大していった初期にはアパートを引き払い、身軽なバンライフも経験した。

「バン生活はロックダウンがはじまった頃にスタートさせたんだけど、世の中の劇的な変化を身近に感じたよ。この先どうなるのか今まで経験したことのない不安に満ちていたね」

そんな状況において、バンでの生活はサーフィンを積極的にできる最高の環境を提供してくれたのだそう。現在は、LAのダウンタウン近くのクラシックなアパートに拠点を構え、シティライフを満喫。海からは少し遠いが、その分、波次第で入るポイントを選べるフレキシブルな波乗りライフを楽しんでいる。常になにかをクリエイトしている彼には、アーバンサーファーという生き方が快適なのかもしれない。

アートを愛する個性派アーバンサーファー! ジャック・ヒルお洒落なショップのような自宅の一角。本人が削ってペイントしたオリジナルボード&自作の絵の色合いもマッチ

アートを愛する個性派アーバンサーファー! ジャック・ヒルこの絵もジャック作。椅子には普段使う〈シュプリーム〉のスポーツバッグが。彼の部屋は必要なものしかないミニマルな空間

●ホームポイントはココ!
サーフライダービーチ[SURFRIDER BEACH]
アートを愛する個性派アーバンサーファー! ジャック・ヒル特定のポイントを持たないジャックのお気に入りはココ。マリブピア脇の伝説のポイントで、リーフブレイクで安定して波が立ち小波でも乗り甲斐あり。有名シェイパーのランス・カーソンはじめ、数々の名サーファーを輩出した。

 
Information

雑誌『Safari』4月号 P178~179掲載

“波乗り一代記の記事をもっと読みたい人はコチラ!

写真=ヴィクター・ヴィアナ 文=高橋百々
photo : Vitor Viana text : Momo Takahashi(Volition & Hope)
上質を知る大人が選ぶニットウエア! 絶妙なカラーリングが、都会の大人に似合う〈ファルコネ-リ〉!
SPONSORED
2024.11.22 NEW

上質を知る大人が選ぶニットウエア!
絶妙なカラーリングが、都会の大人に似合う〈ファルコネ-リ〉!

秋冬の楽しみといえば、ファッションもそのひとつ。夏とは違って、重ね着で洒落感がぐっと高まるから、腕の見せどころともいえる。とはいえ、大人の重ね着は、清潔感と品、そして上質感など、バランスよく組み合わせるのは難しかったりする。そんなときに頼…

TAGS:   Fashion
 〈ブランパン〉の“フィフティ ファゾムス”が進化中!新たな“バチスカーフ”はシンプルにいくか、ロマンあふれる複雑機構でいくか!?
SPONSORED
2024.11.13

〈ブランパン〉の“フィフティ ファゾムス”が進化中!
新たな“バチスカーフ”はシンプルにいくか、ロマンあふれる複雑機構でいくか!?

TAGS:   Watches
理想の腕時計を大丸心斎橋店で。進化を遂げた〈大丸心斎橋店〉本館6階時計売場を完全ガイド。
SPONSORED
2024.11.20

理想の腕時計を大丸心斎橋店で。
進化を遂げた〈大丸心斎橋店〉本館6階時計売場を完全ガイド。

〈大丸心斎橋店〉本館6階の時計売場が、この秋、華麗なる進化を遂げた。マニュファクチュールの技術が光る名門ブランドから信頼の日本ブランドまで、珠玉の逸品が集結する。時計ファン垂涎の老舗ブランドの売場拡大や、関西初出店のブランドなど直営ブティ…

TAGS:   Urban Safari Watches
冬の格上レジャーシーンに、〈ゼニア〉の贅沢すぎる推しアイテム!
SPONSORED
2024.10.31

冬の格上レジャーシーンに、〈ゼニア〉の贅沢すぎる推しアイテム!

どうやら今年の冬は昨年よりも寒くなるとの予報あり。そうなると、冬のアウトドアレジャーに思いを馳せるのがアクティブ派の大人というもの。「さて、今年はどんなものを着て出かけようか?」、そう思ったら、まず見てほしいのがラグジュアリーライフスタイ…

TAGS:   Fashion
満ち足りたパーソナルタイムを〈レクサス〉で。素の自分に戻れるラグジュアリーがあります。
SPONSORED
2024.10.31

満ち足りたパーソナルタイムを〈レクサス〉で。
素の自分に戻れるラグジュアリーがあります。

クルマとは単なる移動手段ではない。求めるのは乗り心地と静粛性。さらに自宅のように寛げる“プライベートな居住空間”であるのが理想だろう。〈レクサス〉はあらゆる時間の過ごし方に対応する質の高い空間を提供してくれる。

TAGS:   Urban Safari Cars
〈モンブラン〉から日本限定トートバッグが登場!機能的でエレガントだからオンオフ問わず頼りになる。
SPONSORED
2024.10.31

〈モンブラン〉から日本限定トートバッグが登場!
機能的でエレガントだからオンオフ問わず頼りになる。

書くときの音にまでこだわって作っているというモンブランの万年筆。そんな世界最高峰の技術はまさにこのブランドならでは。その筆記具のDNAは当然バッグにも付随する。日本のリクエストのもとにデザインされた今回のバッグは容量、デザインともにオンオ…

TAGS:   Fashion Urban Safari
ビジネスリーダーの足元を華やかに彩るドレスシューズ。タキシードからセットアップまでスタイリングの幅が広がる〈ジ・オニツカ〉。
SPONSORED
2024.10.31

ビジネスリーダーの足元を華やかに彩るドレスシューズ。
タキシードからセットアップまでスタイリングの幅が広がる〈ジ・オニツカ〉。

ジャケットやスーツの装いは、かつてよりルールに縛られず自由に楽しめるように。足元のお洒落も然りで、特定の着こなしに映える1足というよりも、多彩な装いに対応できて、その装いを魅力的に輝かせてくれる1足が理想だ。〈オニツカタイガー〉から生まれ…

TAGS:   Urban Safari Fashion
多彩な特典でライフスタイルの強い味方に! “ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード”で週末の楽しみがグッと広がる!
SPONSORED
2024.10.29

多彩な特典でライフスタイルの強い味方に! 
“ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード”で週末の楽しみがグッと広がる!

「仕事も遊びもこだわりをもって楽しみたい」。そんな充実のライフスタイルを望む人が多くなってきている。なかでも、非日常を感じる体験を日常に取り入れることは、人生をより楽しくより豊かにする方法のひとつ。そんなライフスタイルを楽しむうえで大切な…

TAGS:   Lifestyle
SPECIAL GUEST 楢﨑智亜さんサファリ×ノルケイン Instagram LIVE開催!
SPONSORED
2024.10.28

SPECIAL GUEST 楢﨑智亜さん
サファリ×ノルケイン Instagram LIVE開催!

“ノルケインエキシビション”開催中のISHIDA表参道よりお届け! 話題の新作時計やオススメ商品など、見逃せないアイテムの数々をゲストの楢﨑智亜さんと一緒にご紹介します。

TAGS:   Fashion Watches
柔道家・村尾三四郎が〈エンポリオ アルマーニ〉の新作を着る!無限の可能性を秘めた挑戦者のスピリット
SPONSORED
2024.10.24

柔道家・村尾三四郎が〈エンポリオ アルマーニ〉の新作を着る!
無限の可能性を秘めた挑戦者のスピリット

東京五輪で逃した代表の座をパリ五輪で掴み取り、その名を世界に知らしめた柔道家の村尾三四郎。幼少期から“本物”の強さを追い求めてきた“令和の三四郎”は、すでに4年後のロス五輪で頂点に立つ自分の姿を思い描き、自らの無限の可能性を探求する険しい…

TAGS:   Fashion
大人のライフスタイルにぴったりなのは〈エルケクス〉!“軽くて暖かい”が冬アウターの条件!
SPONSORED
2024.11.01

大人のライフスタイルにぴったりなのは〈エルケクス〉!
“軽くて暖かい”が冬アウターの条件!

ひと昔前とは違って、近年は寒暖の予想が難しい。となると、今期はどんなアウターを狙うべきか迷ってしまう。ならば、気温やシーンに合わせて3タイプのアウターを揃えておくのがいい。おすすめしたいのは、ベーシックで着まわしやすい〈エルケクス〉。軽く…

TAGS:   Fashion
個性派を語るなら〈ハリー・ウィンストン〉プロジェクトZシリーズ!攻め顔に唸る斬新時計を身にまとう!
SPONSORED
2024.10.24

個性派を語るなら〈ハリー・ウィンストン〉プロジェクトZシリーズ!
攻め顔に唸る斬新時計を身にまとう!

まずは、それぞれのフェイスを見てほしい。ほぼ年1回のペースで登場するプロジェクトZシリーズが、いかに個性的でアバンギャルドな美しさを持っているかがわかるだろう。一方で、最高峰のダイヤモンドで名を馳せるNYブランドが、これほど攻めたデザイン…

TAGS:   Fashion Watches
〈マッカージュ〉なら羽織るだけでサマになる!大人のアウターは欲しいがつまった1着で!
SPONSORED
2024.10.24

〈マッカージュ〉なら羽織るだけでサマになる!
大人のアウターは欲しいがつまった1着で!

これからの季節に必要なのは、サッと羽織るだけでサマになるアウター。さりげない男の色気が漂って、さらに大人らしい上品さも欲しいところ。となると気になるのが、カナダ・モントリオール発の高級アウターブランド〈マッカージュ〉の新作。上質な素材使い…

TAGS:   Fashion
ラグジュアリー感が際立つ〈ファルコネーリ〉!大人の休日アウターはリッチで優しい素材がいい!
SPONSORED
2024.10.24

ラグジュアリー感が際立つ〈ファルコネーリ〉!
大人の休日アウターはリッチで優しい素材がいい!

〈ファルコネーリ〉といえば、知る人ぞ知るイタリアン・カシミヤのブランド。イタリアのクラフツマンシップと原産地にもこだわった選りすぐりの高級天然素材との組み合わせが、驚くほどの着心地のよさを生む。今回のジャケットやダウンも、カシミヤやメリノ…

TAGS:   Fashion
〈アウール〉の“ネーヴェ”は独特の色褪せ感が魅力!こなれた色落ちニットが休日スタイルの決め手!
SPONSORED
2024.10.24

〈アウール〉の“ネーヴェ”は独特の色褪せ感が魅力!
こなれた色落ちニットが休日スタイルの決め手!

“アフォーダブル・シック(上質を着こなす日常)”をテーマに、デザイン性と快適さを追求したアイテムが豊富な〈アウール〉。大ヒットしたジェットセッターパンツ“マルペンサ”でご存知の方も多いのでは? そんな〈アウール〉では、人気のロングセラーニ…

TAGS:   Fashion
シーンを選ばない〈Gステージ〉の1着!冬に頼りになるあったかウールの伸びるセットアップ!
SPONSORED
2024.10.24

シーンを選ばない〈Gステージ〉の1着!
冬に頼りになるあったかウールの伸びるセットアップ!

これからのホリデイシーズンは、なにかとイベントが多い。そんなときに頼りになるのが、黒のテイラードジャケットとパンツ。なかでも注目株は、オンオフ使えるセットアップが評判の〈Gステージ〉。温かみと品格がある素材感ながら快適に着られ、なおかつ表…

TAGS:   Fashion

NEWS ニュース

More

loading

ページトップへ