フランク・ロイド・ライトの愛弟子が手掛けたガラス製のランドマークの家!
ビバリーヒルズにある、迷路のような道を登った丘の上に隠れ家風エリアが存在。ここにミュージックビデオ、映画、雑誌などにたびたび登場する家が建つ。オーナーは“NBAスーパーファン”と呼ばれる男。設計したのは、フランク・ロイド・ライトの愛弟子だ。
- SERIES:
- 西海岸リビング&インテリア! vol.5
Beverly Hills
カリフォルニア州ロサンゼルス・ビバリーヒルズ
owner
ジェームス・F・ゴールドスティン
建築&ファッションデザイナー
鯉が泳ぐ池を通り抜けて中へ入ると、ホテルのロビーラウンジを思わせるリビングルームが。壁がガラスで造られているため、絵画はディスプレイできない。代わりに部屋を彩るのが、マウイ島から取り寄せている豪華な花。
建物自体が芸術作品の家!
「別館のこの新しいテラスで読書するのが日課なんだ」と話すゴールドスティン。
ジェームス・F・ゴールドスティン[James F. Goldstein]
建築&ファッションデザイナー
1940年、ウィスコンシン州ミルウォーキー生まれ。
スタンフォード大学卒業後、UCLA大学院進学のため1962年LAへ。
“NBAスーパーファン”としても知られる建築&ファッションデザイナー。
世界の高級ブランド店が並ぶロデオ・ドライブでお馴染みのビバリーヒルズ。大富豪やセレブが家を構えていることでも知られる街。そんな世界の富が集まる街の丘の上に、不動産王で建築&ファッションデザイナーのジェームス・F・ゴールドスティンが住む。彼曰く、ここで暮らす理由は「緑豊かでハイクオリティのモノやコトや人が集まる場所だから」。
家を手掛けたのは、建築家フランク・ロイド・ライトの愛弟子ジョン・ロートナー。1962年に完成したガラスとコンクリートとスチールで造られた家を、ゴールドスティンが購入したのが1972年。改装や増築を行い、オフィスとクラブラウンジの別館も完成。さらに映画館とゲストハウスを建設中とか。
そのコンセプトを問うと、「家の中にいても外にいるような気分になれる建物」。その意図を反映し、壁のほとんどがガラス製。ベッドルームの壁はステージの幕のように開き、キッチンとダイニングルームの天井はクルマのサンルーフのように開く。なかでも彼のお気に入りの場所が、1年前に完成したスイミングプールとテラス。ここで読書を楽しむそう。
あなたにとって家とは? と問うと「家自体がアート。だから、スタイリッシュなファッションとアートが好きだけど、絵はディスプレイする必要がないんだ」。マウイ島から届く花を飾り、洒落た服を身につけ、暮らしを豊かに彩る。芸術に生きるスタイルがここにあった。
邸宅データ
●敷地面積:1.23エーカー(約1506坪)
●家の面積:4284平方フィート(約120坪)
●家の値段:720万ドル(1ドル134円換算で約9億6480万円)
●部屋数:12部屋(寝室5部屋、バスルームは6室)、2階建て
●築年:1962年
●建築家:ジョン・ロートナー
●家族構成:1人
ベッドやラウンジソファに寝そべりながら外の景色が楽しめるベッドルーム。これらの家具も建築家のロートナーが設計したもの。1962年製とは思えないほど、時代を超越したモダンなデザインが魅力。左奥にはスイミングプールの底が見える構造になっている水槽風の窓も。
ダイニングテーブルの真上の天井は、クルマのサンルーフのように自動で開け閉めができる仕組み。「家の中にいてもジャングルの中にいる気分に浸れるんだ」
「雑誌や本が好きで、数千冊所蔵している」というライブラリー。これまでに取材された彼自身のストーリーや自宅が掲載された雑誌などの表紙や誌面がフレームに入ってディスプレイされている。その雰囲気は、まるで博物館のようで圧巻。ちなみに、彼の死後は〈ロサンゼルス郡美術館〉に家を寄付したため、同美術館の所有になるとか。
ベッドルームの奥にはガラス製の透明なシンクが。シンクの正面の屋外にはジャグジーも。
①本格的なクラブラウンジ
ゴールドスティンの名前を冠にして“クラブジェームス”と名づけたラウンジ。頻繁にセレブのパーティが開かれたり、ミュージックビデオの撮影をしているとか。そのため、照明係2人が常勤しているそう。
②絶景を満喫できるテラス
「1979年以来、週末の休み以外は毎日、工事の作業員が大勢出入りして新しい建築物を造り続けているんだ」とゴールドスティン。「ここは最も新しい場所。今のところ、家で一番気に入っている場所が、この別館のテラスなんだ」。建設中の映画館とゲストハウスの工事現場は、このテラスの下のほうにある。
③太陽光が注ぐオフィス
別館の2階にある開放感たっぷりのオフィス。雑誌や資料に目を通して「なにを次に造ろうか」と考えを巡らすことが楽しいのだとか。
④SF映画のようなガラス壁
ベッドルームには、SF映画に出てくるような自動で開閉するガラス製の壁が。閉じていても開いていても、LAの街並みが見わたせるスポットとしてミュージックビデオや雑誌などで有名に。ベッドもソファもレザーで座り心地抜群。「ここに座って外を眺めると、最高の気分になるよ」
⑤最新式の屋外キッチン
1年前に完成したテラス内の屋外キッチンとバーカウンター。米国製〈サブゼロ〉の冷蔵庫、ドイツ製〈ミーレ〉のコンベクションオーブンやスチームオーブンが揃う。皿洗い器や引き出し型の温蔵庫も!
⑥緑あふれるテニスコート
バスケットボールとテニスが得意な彼。バスケットボール用ゴールと、ダウンタウン・ロサンゼルスからサンタモニカ・ビーチまで見わたせるテニスコートが。
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雑誌『Safari』10月号 P59~62掲載
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photo : Kaori Suzuki text : Yoko Fujimoto