フェンシングの剣に細工をして得点を荒稼ぎ!【オリンピック アラカルト】
熱戦が続くパリ2024オリンピック。ここではこれまで開催されたオリンピックの中から、印象的な出来事や事件などを振り返っていく。今回は1976年モントリオール大会で起こった不正事件をピックアップ。
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杖に刀を仕込んで敵を倒すのは時代劇『座頭市』の主人公、市だが、そんな映画のような出来事が1976年のモントリオール大会で起こった。1人の選手が1日の間にフェンシング、水泳、馬術、射撃、ランの5種目をこなしていく複合競技、近代五種。1972年ミュンヘン大会の団体で金メダルを、個人種目で銀メダルを2つ獲得したボリス・オニシェンコ(旧ソ連)は、会場となったモントリオール大学でエイドリアン・パーカー(イギリス)とフェンシング競技で対戦。得点を重ねるオニシェンコに対して、エイドリアンは違和感を覚えていた。剣がカラダに触れていないのに電光得点システムが突きを記録するからだ。当初、イギリスチームは誤作動だと思っていたが、次に対戦したジム・フォックス(イギリス)にも同様の出来事が起こったことで審判に抗議。オニシェンコの剣を調べてみると電子回路に細工がされていて、ボタンを押すだけで会場にある電光得点システムに得点が記録できるようになっていた。不正行為が発覚したことでオニシェンコは失格処分に。逃げるように帰国したオニシェンコは当時の指導者ブレジネフから叱責を受けたうえ、罰金を科せられたという。
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