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CULTURE カルチャー

2020.08.14


フィラデルフィア ×『クリード チャンプを継ぐ男』

映画の主人公の気分になって、その街を歩きたい。できれば旅から戻ってきた後に、ちょっぴりその気分を誰かに自慢してみたい。そんな欲求を満たすとしたら有名な映画、有名なロケ地を選んだほうがいい……というわけで、今月のチョイスはフィラデルフィア。不朽の名作『ロッキー』の舞台だが、あえて39年後に作られたその後の物語『クリード チャンプを継ぐ男』とともに、時代を超えて愛されるこの街を紹介してみたい。

ロッキーがアポロの息子を鍛え上げる!
『クリード チャンプを継ぐ男』( 2015年/アメリカ映画)


ロッキーを生んだ歴史情緒あふれる街
フィラデルフィア( ペンシルベニア州/アメリカ)

 

 
● 原題:Creed
● 製作・出演:シルヴェスター・スタローン
● 監督:ライアン・クーグラー
● 出演:マイケル・B・ジョーダン、テッサ・トンプ

Story
孤独に生活するロッキーの前に、アドニスという青年が現れ、ボクシングのトレーナーになってほしいと懇願する。アドニスが、かつての親友アポロの息子だと知り、ロッキーの心はざわめく。すでにボクシング界から遠ざかっていたロッキーは申し出を一度は断るが、アドニスの情熱に根負け。2人は無敗のチャンピオンとの対戦に挑む。

ロッキーとアポロの関係
無名だったロッキーが、世界チャンピオンのアポロに2度にわたって勝利。ロッキーが王座を獲得した後、2人は友情を育む。やがてソ連の無敵ボクサー、ドラゴがロッキーとの対戦を望むが、アポロが相手として名乗り出て、リング上で命を落とす。ロッキーはアポロの死に責任を感じることに。

登場人物
アポロ・クリードの息子
アドニス・ジョンソン(マイケル・B・ジョーダン)
元世界ヘビー級王者で、ロッキーの宿敵だったアポロの息子。実の母ではないアポロの正妻に育てられる。亡き父の映像を観てボクサーを志望するが、地元のジムに指導を断られ、ロッキーを訪ねる。

アドニスのトレーナーになる
ロッキー・バルボア(シルヴェスター・スタローン)
奇跡の勝利で世界チャンピオンの座を得たボクサー。現役を引退し、愛する妻のエイドリアンにも先立たれ、孤独な人生を送っていたとき、アポロの息子アドニスにトレーナー役を頼まれ、奮起する。


旅行先で思わず映画の登場人物と同じ行動をとってしまう。これは“ロケ地あるある”だが、多くの名作の中で、この行動がトップクラスで実現されているロケ地といえば、フィラデルフィア美術館ではないか。あの『ロッキー』の主人公のように階段を駆け上がって、両腕を高く突き上げるポーズは、誰もが一度はやってみたいはず!

アカデミー賞作品賞に輝いた1976年の『ロッキー』は、舞台となったフィラデルフィアという街も主役だった。シルヴェスター・スタローンの当たり役となったロッキーは、その後シリーズ化され計6作が公開されたうえ、主人公をアポロの息子、アドニスに譲ってさらに2作が生まれた。もちろんその1作め『クリード チャンプを継ぐ男』もフィラデルフィアで撮影。ロッキーに会うためにやって来たアドニスの目線で街を体験できるので、むしろフィラデルフィア観光映画の側面を持っているのだ。

アメリカでは5番めに人口が多いフィラデルフィアは、1776年、イギリスからの独立宣言を採択した地。“自由”を象徴する都市であり、アメリカ人は親しみを込めて“フィリー”と呼ぶ。メジャーリーグの球団名も、フィラデルフィア・フィリーズだ。ペンシルベニア大学、テンプル大学を擁した学生の街なので、美術館、博物館などカルチャー施設も充実。アメリカ建国にまつわる史跡も多く、名物料理はチーズステーキと、観光都市の特徴を備えている。ニューヨーク、ワシントンD.C.それぞれから鉄道で2時間弱という距離にあるので、1~2泊の小旅行にもオススメだ。

『ロッキー』や『クリード』のほかにも、『シックス・センス』や、都市名そのものの『フィラデルフィア』など、撮影が行われた映画には名作が多い。自由を求めた人々のスピリットを感じながら、映画の主人公になった気分を味わってほしい! 

 

Place 01 Front Street Gym
ロッキーとアドニスが本格的なトレーニングを開始するシーンには、この実在のボクシングジムが撮影に使われた。外観だけでなく、ジムの内部も映画の中に登場。特にロッカールームでの2人の会話はドラマチックだ。1950年代に開業したこの老舗ジムは、プロボクサーを目指す地元の子供たちにも人気。『クリード』の巨大ポスターも張られている。
●Front Street Gym
住所:2076 E Clearfi eld St, Philadelphia, PA 19134

Place 02 フィラデルフィア美術館
フィラデルフィアを代表する観光スポットで、所蔵品は24万点を誇る、アメリカを代表する美術館。ゴッホの“ひまわり”など世界的に有名な絵画も多い。『ロッキー』の1作めでは美術館前の72段の階段をロッキーが駆け上がり、『クリード』では感動のラストの舞台になった。美術館に向かって右側にはロッキーの像もあり、この像も本編に登場する。
●Philadelphia Museum of Art
住所:2600 Benjamin Franklin Pkwy, Philadelphia, PA 19130

『ロッキー』オマージュシーン
美術館のほかにも、グレーのパーカでのロードワークと周囲の応援。ニワトリを追い回すトレーニング、“おまえは虎の目をしている”というセリフなど、『ロッキー』との繋がりは数多く発見可能。


Place 03 The Victor Cafe

ロッキーが経営しているのは、愛する妻の名をつけたイタリアン・レストラン“エイドリアンズ”。閉店後、アドニスがロッキーを訪ねてくる。実際にあるレストランが看板など一部外観を改装して撮影に使われた。店名にカフェとあるが、ここもイタリアン。味も評判だが、ディナータイムにはウエイターがオペラを歌うという、珍しいサービスも! オペラファンの溜まり場となっている。
●The Victor Cafe
住所:1303 Dickinson St, Philadelphia, PA 19147

Place 04 Temple Performing Arts Center
アドニスがはじめての試合として連戦連勝のボクサー、レオと対戦する。このシーンが撮影されたのは、テンプル大学内の施設だ。センターのステージを囲むように客席が設置されたホールとなっていて、“パフォーミング・アーツ”とあるように、基本は音楽のコンサートや演劇に使われている。外観は内装と違ってかなりクラシカルなので、イベントをチェックして訪れるのもいいかも。
●Temple Performing Arts Center
住所:1837 N Broad St, Philadelphia, PA 19122

マイケル・B・ジョーダンの輝き
ボクサーとしての肉体のキレはもちろんのこと、アドニス役の複雑な心情を共感度満点の名演技でみせたマイケルは“デンゼル・ワシントンの再来”などと高評価。茶目っ気たっぷりの表情でも人気が急上昇し、今作の後、『ブラックパンサー』など次々と話題作に出演することに! 

 

 

 
Information

雑誌『Safari』9月号 P164~165掲載

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文=斉藤博昭
text : Hiroaki Saito photo by AFLO
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