ロサンゼルス ×『抱きたいカンケイ』
明るい光に包まれ、日差しが強いわりにカラッとした空気が肌に心地よい。日本のムシムシした夏を逃れたい人にとって、もしかしたらロサンゼルスは最高の行き先かもしれない。そんなLAの魅力は、セレブ感+カジュアルの絶妙なブレンドにあるのでは? 映画『抱きたいカンケイ』で主人公2人の恋を彩るスポットの数々には、LAらしさが充満している。映画を観て2人の恋に共感したら、今すぐLAへ飛びたくなってしまうはず!
- SERIES:
- 映画を巡る旅に出よう! vol.5
肉体関係からはじまる恋愛ってアリ!?
『抱きたいカンケイ』(2011年/アメリカ映画)
豊かな自然と多様な文化を持つ映画の都
ロサンゼルス( カリフォルニア州/アメリカ)
● 原題:No Strings Attached
● 製作・監督:アイヴァン・ライトマン
● 出演:ナタリー・ポートマン、アシュトン・カッチャー、ケイリー・エルウィス、ケヴィン・クライン
Story
子供時代にサマーキャンプで出会ったアダムとエマは、10年後、大学のパーティで再会。さらに卒業後も偶然会って連絡先を交換する。元カノが父親とつき合っていると知ったアダムは、ショックのあまり泥酔。その夜、エマの部屋に転がりこんで、肉体関係を持ってしまう。セックスフレンドだと割り切って、出会いを重ねる2人だが、アダムは徐々に本気モードになっていき……。
大人カジュアルなアシュトンのファッションに注目!
TVショーの制作現場で働く役なので、アシュトンのファッションは基本的にカジュアル。とはいえ、Tシャツとパーカのカラーコーデは上品だし、デートの際はノータイでもジャケットにポケットチーフを入れるなど、参考にしたい上級カジュアルだ。
登場人物
MIT出身の多忙な医師
エマ(ナタリー・ポートマン)〈右〉
MIT(マサチューセッツ工科大学)を卒業し、研修医となったエリート。アダムとは肉体の相性がバッチリで、セックスフレンドでいようと提案。忙しいうえに、なにごとも深く考えすぎて恋愛に踏み出せないタイプ。
脚本家を目指すテレビAD
アダム(アシュトン・カッチャー)〈左〉
父親は有名テレビ司会者で、大学を卒業後、テレビ番組の制作現場で働いている。父親の七光を毛嫌いし、自分で脚本を書くなど努力家。基本的にロマンチストなので、エマとの割り切った関係にとまどう。
ロサンゼルスといえば、映画の都、ハリウッドとして有名。多くの映画会社があるので、当然のごとく映画やドラマの撮影も日常的に行われている。スタジオのセットでの撮影は部外者立ち入り禁止なので見ることはできないが、街をクルマで走っていると、ロケで撮影している風景にもたまに出くわす。つまりLAとその周辺には映画のロケ地がたくさんある、ということ。なにげなく立ち寄った場所が、実は映画の中で出てきていた……なんてことも多い。ひょっとしたら、このレストランのこの席に、大好きなスターが座っていた可能性もある。そんな妄想をして気持ちが上がってしまうのもLAの特徴。こうしたLAの日常風景を映画で確認したければ『抱きたいカンケイ』こそ、おすすめの1本だ。
大人になって再会した主人公2人が“肉体”だけの関係になるという、ちょっとドキドキ感も強いラブコメだが、主演のナタリー・ポートマン、アシュトン・カッチャーの爽やかな演技もあって共感度は大。なによりカリフォルニアらしい明るい光が物語を彩っているのでLAの空気を吸っている感覚に浸ってしまう。映画の舞台はビバリーヒルズが中心で、アシュトンが演じるアダムがTVショーの制作現場で働き、その父親がTVスターという設定なので、要所でセレブなスポットも出てくる。しかも2人の恋の背景になるのは、カジュアルでお洒落なカフェやレストラン。気軽に足を踏み入れて、美味しいメニューとお酒に酔いしれたくなるのは確実だ。高級住宅地のビバリーヒルズ、個性的で斬新なお店も多いウエストハリウッド、近年変貌をとげるダウンタウンと、『抱きたいカンケイ』には、典型的な観光地以外のLAの魅力が詰まっている。アシュトンが着こなすファッションも参考にしながら、次のLA行きの気分を高めてほしい!
Place01 ジョン・フェラーロ・ビルディング
ここ15年ほど、LAではダウンタウンの再開発が進み、美しい景観が急増。デザインが個性的なウォルト・ディズニー・コンサートホールと、噴水が有名なグランドパーク周辺は、まさにその象徴だ。エマとアダムが再会するサンデーマーケットは、この地区にあるビルの広場で撮影。このビルは『ターミネーター2』や『インセプション』の撮影にも使われた。
●LADWP John Ferraro Building
住所:111 N Hope St #1603, Los Angeles,CA 90012
Place02 トースト・ベーカリー・カフェ
雨の少ないLAは、テラス席のあるカフェやレストランが目につく。お洒落な地区であるウエストハリウッドのこのカフェも、外の席が実に気持ちよさそう。映画でも、アダムが道沿いでゆったりランチをとっている。店名から想像するとおりブレックファストに最適で、エッグベネディクトやフレンチトーストなどアメリカンスタイルのメニューが美味。
●Toast Bakery Cafe
住所:8221 W 3rd St, Los Angeles, CA 90048
お洒落なダイナーやレストランが登場
アダム行きつけのオーガニックレストラン“アカシャ”は明るい店内が魅力。エマとアダムが朝食をとるダイナー“ハウス・オブ・ピーズ”もそうだが、LAらしいカジュアルなムードのスポットが次々登場。
Place03 ロナルド・レーガンUCLAメディカル・センター
アダムが風船を持って訪問する、エマの勤務先の病院は、その外観や救急患者出入り口がUCLAメディカル・センターで撮影された。ここは、あのマイケル・ジャクソンが搬送された病院として有名になった。UCLAは、LAウエストウッドに広大な敷地を擁するカリフォルニア大学ロサンゼルス校のこと。観光客も学内を散策することができるし、ショップにはあの有名なロゴをあしらったグッズが多数揃っており、LA土産を探すには最高の場所かも。ワゴンセールには意外な掘り出し物も!?
●Ronald Reagan UCLA Medical Center
住所:757 Westwood Plaza, Los Angeles, CA 90095
Place04 STK Los Angeles
2021年には、いよいよ日本にも進出するW(ダブリュー)ホテル。その外観も映画の中に登場する、ビバリーヒルズにあるWホテル内のこのステーキハウスは、TVの人気司会者であるアダムの父親が息子を誘う場所ということで、セレブ御用達でもある。LAでステーキを食べるなら最適のレストランのひとつだ。店内のデザインが独特で、照明も美しいので、特別な時間を過ごせるのは間違いない。STKは全米の主要都市にあるので、LA以外でも訪れるチャンスあり。
●STK Los Angeles
住所:930 Hilgard Ave, Los Angeles, CA 90024
2人が巡るLAの名所
エントランスのオブジェが幻想的なロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA)や、バーベキューを楽しめるバートン・チェイス・パーク、ミニゴルフやアーケードゲームが充実したシャーマン・オークス・キャッスル・パークなど、LAの隠れた名所は旅の参考になるはず!
雑誌『Safari』8月号 P216~217掲載
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