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CULTURE カルチャー

2019.03.06


巨匠ブルース・ブラウンの世界観がJJの原点!

フリーサーファーとして活躍しているJJ。クラシックなスタイルを継承した彼のライディングに魅せられ、〈クリス・クリステンソン〉や〈キャプテンフィン〉をはじめ、多くのブランドがアンバサダーをオファーする業界からも注目の存在。さらに写真など多岐にわたる趣味を極め、年々深みを増す彼の素顔を紹介しよう。

●今月のサーファー
JJ・ウェッセルズ[JJ WESSELS]


父の背中と、レジェンドたちと


南カリフォルニア出身の JJは15歳のときに父の影響でサーフィンをはじめ、毎日のように海に通い、いつの間にかサーフィンにのめりこんだ。波と戯れスキルを磨くとともに、サーフカルチャーにも深くハマっていく。というのも、彼が育ったのは、ダナポイント近くの海から少し離れた閑静な住宅街。そこからは、有名なサーフスポットであるサン・オノフレやトラッセルズなどにも行きやすく、常にこのエリア一帯のサーフカルチャーを肌で感じることができた。たとえば、サーフィンの伝説的な映画『エンドレスサマー』を監督したブルース・ブラウンをはじめ、有名シェイパーのホビー・アルターやデール・べルジー、デューイ・ウェーバーなどの多くの重鎮たちがこのエリアに歴史を刻み後世に影響を与えている。 JJも彼らのようなレジェンドたちに影響を受けたサーファーの1人だった。コンペティションで結果を出すことが目的のサーファーが多い一方で、JJは競うことよりも「レジェンドに近づきたい」という思いのほうが強かったようだ。

「僕が一番影響を受けたのは、サーファーで映画監督でもあるブルース・ブラウンの作品。特に『エンドレスサマー』からはライディングやファッション、トリップのスタイルまで全面的に影響を受けたよ。最近では『シードリング』などのトーマス・キャンベル監督のシリーズも衝撃的だった」

そんなクラシックなルーツを象徴するように、JJといえばロングボードを颯爽と乗りこなす姿が印象的だ。一連のシークエンスには、力強くパドルするような男らしい部分と優雅に波を乗り継ぐ繊細な部分が絶妙に融合している。ノーズライドは、まるでメディテーションのような美しい静けさすら感じる。

「波次第でミッドレングスやショートも楽しむけど、最初に乗った父の板が7’2”のシングルフィンだったから、長めの板が好きなんだ」

40本以上ある自身のボードコレクションの中では、ライダーを務める〈クリス・クリステンソン〉や〈STCY〉がお気に入り。フィンは、友人でもあるミッチ・アブシャーが手掛ける〈キャプテンフィン〉を愛用。JJもロングボード用のフィンをプロデュースしている。

 


大会実績のない異端児


JJのライディングはYouTubeなどで見られるが、特にコンペティションに出場しているわけでもなく、当然大会での実績があるわけでもないので、あまり映像数は多くない。しかし多くのサーフブランドのアンバサダーを務め、業界から熱い視線を注がれるフリーサーファーなのである。いったいなにが彼をここまで、引っ張りだこの存在にしているのだろうか?それには彼のアーティスティックなスタイルが関係しているといえるだろう。

「写真をいつからはじめたのかはあまり記憶がないけど、きっかけはサーフィン。海でいつも友人のライディングを見ては、自分ももっとうまくなりたい、と触発され、彼らのライディングを撮りはじめたのがきっかけだったんだ」

そう、彼は自らが波に乗るだけでない。最近ではフォトグラファーとしての活動も積極的に行っている。今ではサーフィン写真だけでなく、モーターサイクルやランドスケープなど、目に映った美しい瞬間をカメラに収めている。基本的にはデジタルとフィルムの両方を扱い、ムービーを撮影することも。数年前に導入したドローンを使っての撮影も楽しんでいるそうだ。最近は自分の作品をシルクスクリーンでプリントするなどのミックスメディアアートを制作。2月にLAで行われるヴィンテージのイベント“インスピレーション”(ヴィンテージ愛好家の田中凛太郎が毎年主催)に新作を発表するのだとか。そのほかにも、友人である“サイクルゾンビーズ”のスコッティ・ストプニックと〈ビーチブランド〉というタオルブランドを手掛けるなど、ジャンルを越えた活動が、JJの魅力をいっそう増しているのだろう。

プライベートでも実に多才だ。ミシンでボードケースなどを自作したり、さらにはスケボーのランプを自分で設置してしまったり。彼の作業場は、もはや町工場のような雰囲気さえある。こんな日常のDIYも、彼のクリエイティブなスタイルを生んでいるのかもしれない。


ケガをしたから見えたもの
 

JJのライフスタイルはとてもシンプル。朝食後に波チェックに行き、波がよければ昼近くまでサーフィン。帰宅後は写真のプリントをラボからピックアップしたり、撮影に出かけたりと制作活動に入る。夕方に波があれば海に入り、夜はゆっくり家で過ごす。現在は、同じホームタウンで育ち、10代の頃から一緒にサーフィンをしてきたソウルメイトでもある妻と暮らす。2人は時間さえあれば、キャンプやサーフトリップを楽しみ、メキシコやカナダまでロードトリップを行うこともあるそう。かなりアクティブな2人だが、数年前に乗っていたヘリが不運にも着陸に失敗し、JJは脚などに損傷を負ってしまった。その後しばらくサーフィンができない状態が続き極度のストレスを抱えていた。

「このときはいかに健全なカラダがありがたいか痛感したよ。けれどサーフィンができない分、静かな時間をゆっくり過ごすことができ、そのおかげで写真にのめりこむことができた」

写真に没頭した時期は、彼のアトリエ(右写真)で過ごすことが多かったそう。星条旗がかかっているこの空間は、まるで'70年代にタイムスリップしたかのようだ。ここには壊れたサーフボードをリサイクルしたコーヒーテーブル、カメラやムービーの機材、ボードコレクションの一部、それに彼の写真がセンスよくディスプレイされている。海から戻ると必ず寄る、落ち着ける場所だそう。愛用のソファでくつろいでいるJJに今年の抱負を聞くと、「もう少しリハビリを行ってサーフィンを元の状態に戻し、写真にももっと集中して新しい作品を生み出していきたい」と笑顔で答えてくれた。

ホームポイントはココ!
サン・オノフレ[SAN ONOFRE]
サンディエゴの北端(オレンジカウンティとの境)にあるレトロなサーフスポット。基本的にゆるい波でオルタナティブなボードに適しているが、特にシングルフィンにこだわるオールドスクールなサーファーが集まるメロウな空気
 

彼の写真を使ったアート。シルクスクリーンでプリントしたものをグラスファイバー板に

〈STCY〉とコラボしたボード。自ら撮影した写真をシルクスクリーンでファブリックにプリント。そのファブリックをボードの表面にかぶせた

右下の黄色いフィンは JJデザインの〈キャプテンフィン〉のもの

ウェットスーツはアンバサダーを務める日本のブランド〈ブレーカー・アウト〉を愛用

離れのガレージにはシェイプルームも設置。メイソン・ダイアーなどの有名シェイパーに学び、腕を磨いたという。現在は妻のためにシェイプ中

DIYで製作したスケートランプは、裏庭に設置。手先の器用さが光る

 

Information

雑誌Safari』4月号 P226・227掲載

写真=桝田はやと 文=高橋百々 
photo : Hayato Masuda text : Momo Takahash(i Volition & Hope)
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