新天地・京都ハンナリーズで頂点を目指す司令塔【岸本隆一】、新たなチャレンジのスタートラインに立った一戦!
勝負どころで決めるスリーポイントや俊敏かつ巧みなペイントアタックで、劇的な勝利を演出してきた岸本隆一。京都ハンナリーズで新たな一歩を踏み出したリーグ屈指の司令塔が、特別な一戦を語ってくれた。
©︎京都ハンナリーズ
バスケットボール選手 岸本隆一
1990年、沖縄県生まれ。2012-13シーズンに琉球ゴールデンキングス加入。2015-16シーズンに主将に就任し、bjリーグ最後の年に王座奪還。2022-23シーズンには、チーム史上初のチャンピオンシップ優勝を達成。2026-27シーズンから京都ハンナリーズに移籍。
主力としてチームを牽引し続けた琉球ゴールデンキングスを離れ、京都ハンナリーズへの移籍を果たした岸本隆一。プロキャリア15年めにしてチャレンジャーとなった彼が分岐点として語ってくれたのは、8月30日に行われた香川ファイブアローズとのプレシーズンマッチ。101対64の大差で勝利を収めたこの試合ではじめて京都ハンナリーズのユニフォーム姿でコートに立つ姿を見せた岸本は、圧倒的な存在感を放った。
「まず、移籍してから京都ハンナリーズのファンのみなさんの前に出ることがなかったので、応援してくれる人たちに僕のプレイを見てもらえたことが嬉しかった。いつもと違う状況だったからこそ、通常以上に“いつもどおり”であることを意識しました。みなさんの前でバスケットをすることを僕自身楽しみにしていたのですが、実際コートに立ってみると思っていた以上に新鮮な気持ちになれた。ここから新しいチャレンジがはじまるんだという気持ちになれたという意味で、特別な試合になりました。忘れられないゲームになったと思います。特に最初のスリーポイントシュートを決めた瞬間は、“ついにはじまったんだな”と感じました」
第1クォーター終了間際には、岸本が西部秀馬に背面から鋭いノールックパスを放ち、コートが大歓声に包まれた。
「もちろん歓声は聞こえていましたし、嬉しかったですね。パスを受けた秀馬は注目されたことで変にハードルが上がってシュートを打ちにくいかなって思いながらプレイしていました(笑)。そのシュートに限らず、実際にプレイする姿をみなさんに見てもらえたことで、ハンナリーズの一員として認識してもらえたかなと思えたのも嬉しかったですね」
今シーズンの新体制発表会では「日本一を目指すこのチームで、チャレンジしてみたい思いがあった」と新たな一歩を踏み出した理由を語った岸本。以前から「優勝に向かっていくまでの時間が財産」と語ってきたが、今はどんな思いでバスケットと向き合っているのだろう。
「プレイする思いとしてはすごくシンプルで、まだまだ自分自身がよりよくなっていきたいっていう思いが一番大きい。その一方で、これまでもそうでしたが、京都ハンナリーズでの目標ももちろん日本一になること。そこは変わりありません。その目標に対して、しっかりベストを尽くしていきたいと思ってます。優勝という目標に向かって戦ううえで1番大切なのは、ありきたりかもしれませんが、どれだけ“信じることができるか”ということ。それは自分自身もそうですが、チームメイトや自分の近くにいる人たちをどれだけ信じて、その人たちのためにプレイすることができるか。最終的に日本一という目標にたどりつけるかどうかは、そういったマインドを持っているかどうかがベースになる。もちろん前に進んでいく過程でうまくいかないこともたくさん出てくると思いますが、どんな状況に置かれても自分たちを信じ、どこを目標にしているのかということを見失わずに前へと進んでいくこと。そこが一番大切だというのが僕の考えです」
京都ハンナリーズには、縁のようなものを感じているという岸本。ルーキー時代の恩師である伊佐 勉ヘッドコーチと再びタッグを組むことになったこともひとつの理由だが、この街で戦えることに対し、誇りと喜びを感じているという。
「抽象的な話ではありますが、京都ではない場所で生まれ育った自分だからこそ感じているこの街の文化や環境に対する魅力があって、それがバスケットボールと重なったときに、ここでしか表現できない“いい色”を出せるんじゃないかと思っています。バスケットボールにはその土地に合った盛り上がり方があるし、それが正解だと思っています。だから、僕がこれまで経験してきたことを押し付けるつもりは、全くありません。京都ハンナリーズは“共に、登る。”というクラブスピリットを掲げているのですが、本当にみんなでそういった雰囲気を作っていけることがベストというのが僕の思いです。洗練された雰囲気というのでしょうか。なにか京都らしい魅力を、バスケットボールを通して感じられるような。そういった空気感をみんなで生み出していけたらと思っています。一方で、これはずっと思っていることですが、僕のようなサイズがない選手でも戦える姿を見てもらうことで、同じような立場の子供たちや育成世代がなにかポジティブなものを感じてもらえたら嬉しい。そのこだわりは、これからもしっかり持ってコートに立っていきたいと思います」
アーティスト 田村 大
1983年、東京都生まれ。2016年にアリゾナで開催された似顔絵の世界大会であるISCAカリカチュア世界大会で、総合優勝。アスリートを描いた作品がSNSで注目を集め、現在のフォロワーは16万人以上。その中にはNBA選手も名を連ねる。Instagram:@dai.tamura
※『Safari』12月号198〜200ページ掲載
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illustration : Dai Tamura composition&text : Takumi Endo













































































