名古屋ダイヤモンドドルフィンズの ゲームメイカー【齋藤拓実】! プレッシャーの先で掴んだ司令塔としての自信!
所属チームの名古屋ダイヤモンドドルフィンズのみならず、“アカツキジャパン”においてもポイントガードとしての存在感を示している齋藤拓実。激闘の末、司令塔としての覚醒を実感したシーズンについて語ってくれた。
- SERIES:
- 【アーティスト 田村大】アスリートの分岐点!
バスケットボール選手 齋藤拓実
1995年、神奈川県生まれ。アルバルク東京から期限付き移籍した滋賀レイクスターズでの天皇杯3位入賞に貢献し、2020年に名古屋ダイヤモンドドルフィンズへ。日本代表はW杯2023アジア地区予選から選出され、W杯2027アジア地区予選でも存在感を放つ。
2023-24シーズンに、クラブ史上初となる西地区優勝を成し遂げた名古屋ダイヤモンドドルフィンズ。当時、在籍4年めにして中心的役割を担っていた齋藤拓実は、リーグ戦52試合に出場し、シーズン終盤には月間MVPにも輝く活躍で、悲願の地区優勝へとチームを導いた。そんな齋藤が自身のキャリアにおける分岐点として挙げたのが、まさにこのシーズンだった。
「最後の最後まで自分たちが優勝できるかわからない緊迫した状況が続いたシーズンでした。そんな極限のプレッシャーの中で、自分自身のパフォーマンスだけでなく、ポイントガードとしてのメンタル面でも成長を実感できた。その意味で大きな分岐点になったと思っています」とりわけ印象に残っているのが、レギュラーシーズン終盤の戦い。西地区で名古屋が優勝するには、並みいる強豪との一戦も落とせない試合が続いていた。
「琉球さん(琉球ゴールデンキングス)、島根さん(島根スサノオマジック)、佐賀さん(佐賀バルーナーズ)といった上位チームとの試合が続く中で、しっかり連勝できたことは本当に大きかった。地区優勝を争う独特の緊張感で、自分自身これまで経験したことのない重圧を感じていました。その中でリーダーとしてチームの状況を見極める必要があった。チームメイトに対し、どういう状況でどんな声がけが必要なのか。この局面では、どんなプレイや対策が求められているのか。チーム全体の緊張感が高まる中、ポイントガードとして求められていることを可能な限り冷静に捉えながら自分なりにいい働きができたのではないか。そう思えた自分がいたからこそ、連戦を戦い抜けたと思っています」
なかでも強く記憶に残っているのが、ゴールデンウィークに行われた佐賀バルーナーズとの連戦だった。
「ゲーム2に勝てば優勝が決まる状況。アウェー独特の雰囲気もありましたが、そこをしっかり勝ち切ることができた。うまく言葉で説明できないのですが、チームがひとつになったことを感じました。あの瞬間は今でも忘れられません」
地区優勝という成功体験は、リーグ屈指のポイントガードの1人となった現在の齋藤の活躍にも繋がっている。2025-26 シーズンの名古屋ダイヤモンドドルフィンズは開幕12連勝を記録し、チャンピオンシップでは快進撃を見せた。セミファイナルで琉球ゴールデンキングスに惜しくも敗れたが、第2シードの宇都宮ブレックスを連勝で撃破。第7シードが第2シードを倒すアップセットは、チャンピオンシップを大いに盛り上げる番狂わせとなった。そんなチームの中心選手として存在感を示した齋藤は、シーズン終盤にいち早く契約更新を発表。Bプレミアを迎える2026-27シーズンからの3年契約を果たし、リーダーとしてさらなる成長と結果を求める決意を示した。そしてさらに、日本代表としても新たな挑戦がはじまっている。ワールドカップ2027のアジア地区予選では、先発ポイントガードとして起用され、1次ラウンドの韓国戦における勝負どころで攻撃を巧みに操り、日本の勝利に大きく貢献してみせた。
「今回の日本代表もキャリアの中で大きな分岐点のひとつになっていくものだと思っています。日の丸を背負って戦えるのは、本当に光栄なこと。自分に求められている役割を理解しながら、プレイでそれを示せたことは大きな収穫でした」
地区優勝を成し遂げ、日本代表でも新たな可能性を示した齋藤だが、その視線の先にはさらに高い目標がある。
「地区優勝は達成できましたが、自分の目標であるリーグ優勝はまだ達成できていません。2023-24シーズンのチャンピオンシップのセミファイナルでは、広島ドラゴンフライズとの第3戦で負傷してしまい、最後はコートに立てませんでした。その悔しさを晴らしたいという思いは、今でも強く持っています。一方で、日本代表での経験は大きな刺激になりますし、新しいフェーズにいる実感はあります。でも、まだまだスタートラインに立っただけ。現状に満足せず、ゲームメイクの精度をさらに突き詰める必要があります。チームでも代表でも、もっと精度の高いプレイが必要です。日々成長しながら、自分にできることを積み重ねていきたい。チームではリーグ優勝、そして日本代表ではオリンピックという大きな舞台での目標に向かって、自分をアップデイトさせながらバスケットボールと向き合っていきたいと思います」
アーティスト 田村 大
1983年、東京都生まれ。2016年にアリゾナで開催された似顔絵の世界大会であるISCAカリカチュア世界大会で、総合優勝。アスリートを描いた作品がSNSで注目を集め、現在のフォロワーは16万人以上。その中にはNBA選手も名を連ねる。Instagram:@dai.tamura
※『Safari』8月号174〜176ページ掲載
●『Safari』8月号の購入はコチラ!
●『Safari』定期購読はコチラ!
●『Safari』公式 Instagram(@safarimagazine_official)もチェック!
illustration : Dai Tamura composition&text : Takumi Endo





































































