レバンガ北海道を牽引するエースシューター【富永啓生】! 闘争心に火をつけたBリーグデビュー戦!
熾烈を極めた2025-26シーズンのCS争い。その台風の目となったレバンガ北海道の強さを、中心選手として支えたのが、富永啓生だ。ブースターを熱狂させた日本屈指のシューターが、自らを奮い立たせた1戦を語る。
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バスケットボール選手 富永啓生
2001年、愛知県生まれ。桜丘高校卒業後、ネブラスカ大学の中心選手として活躍し、全米大学バスケットボール選手権出場校選手によるオールスターゲームに出場。2023年W杯、2024年パリ五輪の日本代表に選出。2025-26シーズンにレバンガ北海道に加入。
和製ステフィン・カリーとも称される深いレンジからの3ポイントシュートを武器に、ネブラスカ大学やGリーグといったハイレベルな環境で戦ってきた富永啓生。2023年のW杯での覚醒でも日本を熱狂させた若きエースがプロキャリアを本格化させる場として選んだのは、レバンガ北海道だった。
「熱烈なオファーをいただいたことに加え、NBAという最終目標に向け、レベルの上がったBリーグで成長することが近道だと判断しました。そしてなにより16歳以下の代表時代から僕のよさを引き出してくれたトーステン・ロイブルヘッドコーチの存在も決め手になりました」
かつてU-16やU-18、さらに3×3の日本代表で指導を受け、アメリカ留学の後押しもしてくれた恩師との再会。自分の強みも弱みも理解している、信頼できるヘッドコーチのもとでさらなる高みを目指す彼が語ってくれた分岐点はBリーグデビュー戦。激闘の末56-68で敗れた名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦だ。
「自分の中で、あの開幕戦は非常に苦い思いをした試合でした。試合に入る前の気持ちとしては、注目されているプレッシャーもありましたが、それ以上に楽しみな気持ちが大きかった。しかし、いざコートに立つといつも以上にカラダに力が入り、思うようなプレイができない部分が多かった。自分の武器である3ポイントを外してしまったことでどこか消極的になり、ターンオーバー(シュートミス以外で相手に攻撃権が移る原因となったプレイ)を連発してしまった。チームにいい流れをもたらせなかったという意味で、悔いの残る初戦になりました」
生まれ育った名古屋での凱旋試合でもあったデビュー戦。母校・桜丘高校の恩師や後輩たちが見守っているという意味でも特別な舞台で、持ち味である3ポイントシュートが11本中1本という数字は、手厳しい“洗礼”となった。40分間を通じて強度の高いディフェンスを持続する名古屋ダイヤモンドドルフィンズによる徹底した富永へのマーク、寄りの速さ、そしてウイングスパンを生かしたプレッシャーでオフェンスリズムを崩すプレイ。Bリーグのレベルの高さを肌で感じた戦いでもあったという。
「でも、あの試合があったからこそ、もっとアグレッシブにやらなければいけない、もっと高いレベルに自分を持っていかなければならないと強く思うことができた。シュートだけでなく、ドライブでの仕掛けや、周囲を生かすプレイメイキング。あるいは、相手の徹底したマークをどう裏をかいて突いていくか。あの敗戦以降、よりディテールにこだわって練習に取り組むようになりました」
富永が昨シーズン挑戦したアメリカのGリーグでは、限られた出場時間の中で自身の価値を証明しなければならなかった。プレイタイムがもらえるかどうかもわからない過酷な競争の中で彼は「どんな壁にぶつかっても戦い抜く」不屈のメンタリティを養った。Bリーグ初戦で苦杯をなめた経験は、そんな「自分の強みを思い起こさせるきっかけにもなった」という。翌日の第2戦では、前日の悔しさを晴らすかのようにアグレッシブな姿勢を貫き、20得点をマーク。名古屋戦に続く広島ドラゴンフライズとの第2戦では32点差を跳ね返す大逆転劇を演出した。そしてそんな富永を擁するチームはCS出場権を争う熾烈な戦いを演じ、北海道をかつてない熱狂に包み込んだ。あと一歩、悲願のCSには届かなかったがこの1年で遂げた劇的な変化は、クラブが新たなステージへと踏み出したことを強く印象づけた。その原動力としてシュートだけに頼らず、自ら切り込む積極性も武器とし、勝負を決めるリーダーへと進化を遂げた富永は、チームに欠かせない存在となった。
「ビッグクラブではなく、これから強くなっていくチームを自分の力で押し上げたい。北海道のみなさんと新しい歴史を作るという思いが今の僕の原動力です」
Bリーグを成長の場に選んだ富永が見据えるのは、さらにその先にある目標だ。
「まずはこのチームでCS進出、優勝を目指す。そして、その先にはNBA選手としてプレイするという目標がある。目標は高いかもしれませんが、一試合一試合、自分のやるべきことを証明し続けていくだけ。プレッシャーがかかる場面こそ、バスケットボールが一番楽しい。プレッシャーを乗り越えたときの達成感を知っているから、どんな厳しい局面でも前を向けるし、自分が成長できる。フィジカルやハンドリングなど、まだまだ課題は多いですが、ひとつひとつレベルアップして、高みを目指していきたいです」
アーティスト 田村 大
1983年、東京都生まれ。2016年にアリゾナで開催された似顔絵の世界大会であるISCAカリカチュア世界大会で、総合優勝。アスリートを描いた作品がSNSで注目を集め、現在のフォロワーは16万人以上。その中にはNBA選手も名を連ねる。Instagram:@dai.tamura
illustration : Dai Tamura composition&text : Takumi Endo








































































