別モノに進化した〈ホンダ〉NSXは六本木あたりでも視線集中!?
「国産スポーツカーにはちょっと弱くて」な〜んていう『Safari Online』読者だって、このクルマだけにはひとかたならぬ思い入れがあるって人、多いと思う。〈ホンダ〉のフラッグシップ・スポーツカー、NSXだ。初代誕生はなんと29年前の1990年。そのときオギャーと産まれた子供だって、いまや『Safari』世代の入り口に。はじめて欲しいと思ったクルマNo.1だったって人も、そりゃ〜たくさんいることと思う。
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NSXの2代目が誕生したのは2016年のこと。洗練された先進的なデザインに、3.5ℓV6ツインターボエンジンとモーターを組み合わせた“スポーツハイブリッドカー”として生まれ変わったのだ。そして昨年、ハイブリッドシステムを搭載したことで賛否両論を巻き起こしたこの2代目が、発売以来最も大きなマイナーチェンジを加えられ、2019年モデルに進化!
でも、パッと見でその変更に気づく人は、かなりのマニア以外に存在しないはず。だってエクテリアは、シルバーだったフロントグリルがボディと同色化されたことやメッシュパーツなど小変更に留められているし、インテリアに至っては変更ナシ。じゃ、ナニが変わったの? ハイ、走りが別モノレベルまで引き上げられたんです!
大きな変更点はボディ剛性の向上、そしてアシ周りの徹底的な見直し、そしてスポーツハイブリッドシステム“SH-AWD”をはじめ制御系の最適化だ。これによって本当に、驚くほど走りの方向がキリっと引き締まった印象。別にサーキットに持ちこまずとも、一般道でドライブするだけでまとまりのよさを実感するほど。
このNSXに搭載されているハイブリッドは、リアモーター+フロント左右独立モーターからなる、3モーター式の非常に複雑なシステム。これにより、従来の“ハイブリッド=エコノミー”なイメージを覆すほどの、まさにビリっと痺れるような鮮烈な加速を体感することができるのだけど、2016年モデルではこの制御がイマイチ、協調性に欠けていたイメージ。しかし2019年モデルは、ドライバーの操作に制御がまるで才覚ある秘書のように、そっとさりげなくアシストしてくれるのだ。決してお節介ではないのに、困る前にスッと助けてくれる、このさり気なさが絶妙。つまり2016年モデルはどこか、電子制御の方向が定まっていなくて、ドライバーにある部分での緊張を強いるような、あまりよくない意味でのじゃじゃ馬感を持っていた。一方の2019年モデルは、しっかりと制御の方向性や走りの性格が定まって、ドライバーに安心感をもたらしてくれる。そう、安心じゃなきゃ、サーキットでの最高速アタックなんてもってのほか、でしょ?
ただでさえ華のあるルックス(リアウインドウから心臓部であるエンジンがスケスケ!)に加え、洗練を増した走行フィール。それだけじゃなく、独特の走りはじめも魅力的。エンジン始動時にはV6の勇ましいサウンドがバウン!と吼えるけど、すぐにモーターのスタンバイに切り替わり、最初は無音、そして加速すると再びエンジンが咆哮する。
もしかして今、六本木で乗るなら世界中のどんなスポーツカーより視線を集めるクルマかも。レア感も手伝って、試乗中は道行く人々の視線を逃れることが至難の業だったから!
★DATA〈ホンダ〉NSX
●全長×全幅×全高:4490×1940×1215mm
●車両重量:1800kg
●ホイールベース:2630mm
●エンジン:3.5ℓV6DOHCツインターボ+3モーター
●システム最高出力:427kW(581PS)
●システム最大トルク:646N・m(65.9kgf-m)
●トランスミッション:9速DCT
●駆動方式:四輪駆動(スポーツ ハイブリッドSH-AWD)
●税込み価格:2370万円
●ホンダお客様相談センター
TEL:0120-112010