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2020.02.25

チーフデザイナーが語った
“GRスープラ”誕生秘話!

去る1月19日に東京・丸の内で開催された、『Safari』が主催する第8回“アスリート ドレッサー アワード”。ここでは、2019年度のスポーツ選手としての活動を称えるとともに、ファッションやライフスタイルに影響力を持つアスリートを表彰。さらに、 “アスリーツ フェイバリット アワード”(一流アスリートにふさわしいアイテムを表彰する特別賞)の部門では、〈トヨタ〉GRスープラを選出。国産車初の受賞ということでも、大いに話題となった。

第8回“アスリートドレッサーアワード”のレポートはコチラ!

今回『Safari』がGRスープラを表彰した理由は、素直にかっこよく、乗れば我を忘れるほど楽しいという点。さらに、並みいる欧州高級スポーツカーと肩を並べる“高い価値”を評価したところにある。つまりこのGRスープラは、クルマ好きを唸らせる部分と、高いレベルで充実したライフスタイルを求める人を満足させるという、両方の魅力を兼ね備えているというわけだ。


表彰を受けて、ステージ上でコメントしたのがGRスープラプロジェクトチーフデザイナーの中村暢夫さん。中村さんはGRスープラが登場した背景やエピソードを披露。その中には、トヨタ自動車の豊田章男社長の経験や思いも含めた、興味深いコメントがあった。 以下、中村さんが語ってくれたGRスープラの誕生秘話をお届けしたい。

――先代のスープラから昨年17年ぶりの復活を遂げたということですが、この時代に復活できたのはなぜですか?

いろいろな要因があると思いますが、間違いなく大きな要因のひとつは、豊田章男社長のスープラに対する特別な思い。それと、生産終了からずっと絶えることのない「スープラを復活させて!」というスープラファンの熱い思いの後押しがあったからだと思います。

――豊田社長のスープラに対する特別な思いとは?

“モリゾウ”こと豊田章男社長はマスタードライバーでもあり、〈トヨタ〉、〈レクサス〉ブランドのすべてのクルマの“乗り味”を決める最終責任者です。ちょうど先代のスープラが生産終了となった2002年くらいから、豊田社長はあるきっかけで当時のマスターテストドライバーであった成瀬 弘さんから運転訓練を受けるようになるんです。

あるとき、「クルマのこともわからない人に、クルマのことああだこうだ言われたくない」と成瀬さんのほうから言われたのがきっかけらしいです。で、その成瀬さんから「その気があるなら運転教えてやるよ」と運転訓練をはじめ、厳しい訓練の長い時間を一緒に過ごしたいわば相棒が、先代のスープラ。それも中古車だったんです。

――中古車?

はい。豊田社長は、ドイツのニュルンブルクリンクなどのサーキットでトレーニングを重ねたそうですが、とても厳しいコースで、そこをまともに走れるクルマは、当時の〈トヨタ〉には、すでに生産を終えたスープラしかなかったんです。

訓練中に周りを見ると、欧州のほかのメーカーは発表前の新しいクルマでガンガン走っているわけです。そこで豊田社長はとても悔しい思いをし、そのとき 「いつか新型のスープラでニュルに戻ってくる」。そう誓ったと聞いています。

――で、その思いがやっと叶ったわけですね?

はい。実はそのモリゾウ(豊田社長)の師匠である成瀬さんが、2010年にテスト中の事故で残念ながらこの世を去ってしまうんです。その後、豊田社長は深い悲しみの中、スープラの復活を決断したそうです。

GRスープラは昨年1月のデトロイトモーターショーでデビューしましたが、正式発表前の2018年10月、GRスープラでニュルブルクリンクの耐久レースに出走しました。マスタードライバーであるモリゾウ選手もそのレースでステアリングを握りました。いわば“乗り味 ”の最終テストですね。

GRスープラは無事完走し、レース後すぐ、モリゾウさんは天国の成瀬さんに「我々も発表前の新しいスープラをここニュルで走らせましたよ 」と感謝の気持ちを報告された、と聞いています。
 



〈トヨタ〉のスポーツカー20年周期説!?


――スープラの復活の裏にはそんなストーリーがあったんですね。ところで、最近世界的には自動運転、電動化などが話題です。そんな中、昨年のGRスープラ発表に続き、先週は東京オートサロンでGRヤリスの発表がありました。最近の〈トヨタ〉は、どうなっているんですか?

豊田社長はよく 「〈トヨタ〉のスポーツカー作りは伊勢神宮の式年遷宮」だと言うんです。

――式年遷宮って、伊勢神宮がニ十年毎にお宮をお引越しする、あれですか?

長く続くものは、“常に若く”あるもの。そして、常に若いと書いて“とこわか”という言葉があって、その精神を表していると言われているようですが、20年に一度お引越しすることで、次の世代に技術や技能の伝承も行うという意味もあるようです。

――それがスポーツカーとどう関係するんですか?

〈トヨタ〉のスポーツカーは、1960年代の〈トヨタ〉S800、2000GTにはじまりました。そして20年経った'80年代には、スープラとか、カローラ レヴィンAE86とか、MR2とかが出てきます。

でも会社の中にはいろいろな意見がありますので、「儲からないクルマはやめろ、もっと儲かるクルマじゃないとダメとか、台数売れるクルマがいい」などの理由で、スポーツカーは出ては消えるんですね。でも、20年周期で回っていれば式年遷宮と同じで技能の伝承はできる。で、次の20年後というと2000年代ですが、全然スポーツカーが出てこなかった。

――そうなると技能の伝承ができない?

はい、そういうことです。そこで豊田社長が「これではダメだ 」と開発をはじめ、20年周期から10年遅れて、30年かかって2010年にやっと出たのが〈レクサス〉のLFAというスポーツカーでした。ただ、このクルマは500台の限定車。限られた人の手にしか届かなかったんです。

それは〈トヨタ〉のDNAとしてはどうか? 欲しい人がいるのであれば作っていこうよ。少なくとも20年の周期は守っていこうよと。そういうことで、2012年に86、昨年ここにあるGRスープラ、そして先週の東京オートサロンで発表したGRヤリスと、2020年に3兄弟が出揃うことになりました。

東京オートサロンでも「これからも強い意志を持ってスポーツカー作りを続けていきます」と、豊田社長が力強く会場のお客様に約束していました。なので、今後もこの流れは続いていくものと、私も1人のスポーツカーファンとしても期待しています。

ドイツ・ニュルンブルクリンクなどのサーキットで、中古のスープラで走るしかなかった豊田社長の悔しい思い。そして、スポーツカーへの熱いこだわり。GRスープラ登場の陰には、クルマ好きの心をアツくするストーリーがあった。

 
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