Behind the success of businessmen
“知らないことを知る”ことで自分を開拓する。
ビジネスの世界で結果を出している人は、なにによって自分を高めているのかを紐解く連載。今回は、不動産コンサルティング事業で地元に貢献し、希少な洋酒の輸入販売などの新規事業にも意欲的に取り組む加賀﨑彰人さんに、その原動力について語ってもらった。
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学びを得ている書籍の一部。『ナショナルジオグラフィック』は、定期購読によって自分の知らない世界の情報が自然に入ってきて、とても刺激を受けている
生まれ育った埼玉県・浦和で、不動産コンサルティング会社を起業した加賀﨑 彰人さん。地元の商工会議所青年部の会長も務め、“仕事を通じて地域の発展に貢献したい”という思いで、ビジネスと向き合っている。そんな加賀﨑さんの原動力となっているのが、“自分が知らないことを知る”ことだという。
「私は、大学卒業後に就職した不動産管理会社で働きながら大学院に通い、MBAを取得しました。もともと自分に自信がないタイプで、資格を取ることでそれをカバーしていこうと思ったのがきっかけです。そこでは学ぶだけでなく、モチベーションの高い人たちから多くの刺激を受けました。MBA取得を目指す人の中には、企業からお金を出してもらい勉強しているエリートが多数います。そういった人から受ける刺激は、知らなかった世界を知るうえで貴重な体験でした。『自分はなんて小さいんだ』と気づきを得ること。それが高いモチベーションに繋がったような気がします」
“自分の知らない世界を知る”ことの大切さを身をもって体験した加賀﨑さん。そのひとつの方法として積極的に活用しているのが読書だという。きっかけは、近代日本経済の父といわれる渋沢栄一だった。
「商工会議所の創設者が渋沢さんでした。それで、創設者はなにを考えてこの団体を作ったのだろうと興味を持ち、代表作『論語と算盤』を読みました。これがまた衝撃的な体験に。一番感銘を受けたのは、“智情意”という言葉。智とは知性であり、物事を知って考え、判断する能力のこと。情は感情であり、心で感じる喜びや悲しみ、あるいは情熱を表します。そして意は意志、なにかをしようとするときの元となる心持ちのこと。強い意志に知性が加わり、さらに情愛があってはじめて“常識”になると説いています。この3つを備えることが道徳的な人間のあるべき姿。なにかを成し遂げるときに自分だけの利益に走っていないかを問う教えです。これは、みんなが幸せになることを理想とする考え方で、この言葉すごいなと感じました。商工会議所の会長になった際も、“智情意”をスローガンに掲げ、会員の方にもこの言葉に沿って活動してもらいました」
ほかにも、加賀㟢さんの読む本のジャンルは多岐にわたる。
「最初はお金にまつわる本ばかりでしたが、本当に成功している人は、もっと根本的な人間性が違うのだろうと思うようになりジャンルを広げました。これはビジネスにも応用できる部分があります。たとえば自分の携わっている不動産も、目先のお金儲けに走るのではなく、お客様の思いを大切にしたほうが長くお付き合いできる。そしてそれが自然に次の仕事に繋がっていきます」
加賀﨑さんの根底にある、多くの人が幸せになるビジネス方法。これは古きよき、でも今また新鮮ともいえる心構えで、今後も楽しみだ。
身なりを整えることはマイナスになることはないという考え方から、腕時計のチョイスにもこだわる。これは、〈ロレックス〉の“シードゥエラー”
中学、高校の6年間をイギリス・サフォーク州で過ごした加賀﨑さん。現地の友人の手を借り、日本に輸入されていない希少なジンやウイスキーの輸入販売も手掛ける
REM/輸入酒事業813KAGA
加賀﨑彰人さん
明治大学大学院グローバルビジネス研究科卒業。大手不動産管理会社勤務を経て、2009年にREM株式会社を設立。不動産コンサルタントとして物件売買、仲介などを手掛ける。今年から洋酒の輸入販売事業もはじめた。
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photo : Mai Hokari(BOIL) text : Takumi Endo