なりたい自分になるためのアクティブ・ウェルネス!
日本のパーソナル・トレーナーの第一人者であり、パーソナル・トレーニングジム“トータル・ワークアウト”の代表を務める池澤 智。世界中にフィットネス、ウェルネス、ビューティの情報網をもち、トレーニングだけでなく、食事や美容、ココロの整え方まで自分らしく輝けるライフスタイルを手に入れるために必要な幅広いコンテンツを手掛ける彼女の新連載がスタート。国内外、数多くのセレブリティから厚い信頼を集めるカリスマが提唱する“アクティブ・ウェルネス”とは?
- SERIES:
- アクティブ・ウェルネスでセルフチェンジ! 01
池澤 智 Tomo Ikezawa
日本初の女性パーソナル・トレーナー。約30年もの間、多くの俳優やモデル、文化人のボディメイクを手掛けるカリスマ。ハリウッドセレブによるライフスタイルブランド〈グープ〉では日本のリテールディレクターを任されている。
❶ 健康は自ら掴みとるもの!
❷ “心技体”を整える!
❸ 知ることで“選べる自分”に!
新しいコンセプトを
ウェルネスの第一人者が提案
日本にパーソナル・トレーナーという職業を定着させた池澤さん。そのキャリアは約30年。確かな実績と結果から、多くの俳優・モデル・文化人のボディメイクを担っている
日本にパーソナル・トレーナーという職業がなかった1990年代前半。池澤さんはスポーツが好きだったことからトレーナーを目指し、専門学校に通っていた。
「当時Jリーグを観ていて。選手が倒れたときに現れるトレーナーという仕事に興味を持ち、選手のパフォーマンスをアップさせる仕事に就きたいと思って、スポーツの専門学校に進学したんです。そこで出会ったのがケビン山崎でした」
ケビン山崎氏は当時シアトルに拠点を置いていたパーソナル・トレーナーで“トータル・ワークアウト”の設立者。その講演に参加したことで、池澤さんの夢はパーソナル・トレーナーへと向かっていく。
「スポーツ選手だけでなく、スーパーモデルや役者のカラダ作りにもパーソナル・トレーナーが関わっていると知って、とても興味をもちました」
その後、アメリカへわたり、ケビン山崎氏から5週間の研修を受けることに。
「私が日本の机上で勉強していたこととケビンが教える実践的なカラダの使い方というのが結びつかず、最初はとまどいました。でも、いわれるままに1週間くらいやっていたら、穿いていたジーンズがぶかぶかになったり、顔つきが明らかに変わってきたり。人ってこんなに変わるんだと、楽しくなっていったんです」
自身が変化をして「私のカラダも変わったのだから、誰のカラダでも変えられる。時代劇には時代劇のカラダ、刑事役なら機敏に走ることができるカラダ。アクターやアクトレスが演じる役柄にそったカラダを作る仕事をしようと決めました」
日本に帰国後、ジムでパーソナル・トレーナーをはじめ、最初は1時間500円という“仕事”にはならない報酬だった。
「これまで日本になかったことをやろうとしているわけですから。トライしやすい料金設定だけではなく、定着させるために365日休みなく出勤しましたよ」
そうしていくうちに、池澤さんのトレーニングを求める人が増え、徐々に報酬も上がり、パーソナル・トレーナーという“職業”を確立していく。当時の日本のジムやフィットネスクラブについても「ただ運動する、リフレッシュするだけの場所ではなく、自分が変われる場所にしないといけない、なにが得られるのか明確にしないといけないと思いました。カラダが変わるといろいろなことが変わります。着る服が変わったり、自信が出てきたり。そうするとまわりにいる人も変わりますよね。また、朝起きたときに疲れがなければ、“今日はなにしよう”と前向きにもなれます。1日24時間は変わりませんが、ひとつできることが増えれば、その密度は濃くなるわけです」
パーソナル・トレーナーとして間もなく30年となる今、日本のウェルネスをけん引する池澤さんが提唱するのが“アクティブ・ウェルネス”というコンセプトだ。“アクティブ・ウェルネス”は「健康は与えられるものではなく、掴みとるもの。自分に必要なものを知り、自ら手に入れる」という池澤さんが発信する考え方。
「ただ痩せるとか、カラダの形状を変えるだけでよかった時代は薄くなっていて。瞬間的にカラダの状態がいいのではなくて、心身ともに継続的に調子がよく、幸せだなと思う回数も増えていかないと、健康だと感じられなくなっている時代だと思います。だからこそ、受け身ではなく、積極的に健康を取りにいかないと」
そこで大切になるのは“心技体をバランスよく整える”ことだ。
「“体”はトレーニングでカラダを作ること。“心”は脳(マインド)を意味します。現代社会では圧倒的に脳が疲れています。多くの判断力を要するビジネスエグゼクティブはなおさら。だから脳のケアは必要不可欠なのですが、脳の状態って自分でもわからないですよね? そこで、MRIを用いて脳の健康状態を数値化したうえで維持改善のための具体策を提供するという脳の健康管理プログラムを脳神経外科医と開発したり、VRゴーグルを使用して誰でも効率的にマインドフルネスを実施できるようにするなど、感覚的なものをより確かに実感できる形に落とし込むようにしています」
そうした“心”と“体”の健康を掴むためのハウツーが“技”という位置づけ。
「心とカラダを整えるための情報をどうやったら得られるか、知ることが大切。読み物や配信情報のほかに、トータル・ワークアウトでは各分野の専門家とのネットワークを持ち、最先端のコンテンツを提供したり、ワークショップを開催しています」
なりたい自分があったとしても、なる方法がわからなければ変われない。知ることで前に進むことができる。
「“知る”というのは知識だけでなく“自分自身を知る”という意味もあります。カラダ作りを通じて自分の状態に気づくアンテナが敏感になれば、どんな自分になりたいかが明確になる。そして、知識を得た際に、なにをするか選ぶことができます。そんな意志をもつ“選べる自分”になる幸せを、多くの人に伝えたいですね」
フリーアナウンサー、田中大貴さんも“トータル・ワークアウト”の会員。池澤さんが提唱する“アクティブ・ウェルネス”を日々実践している1人だ
●トータル・ワークアウト
URL:https://totalworkout.jp
雑誌『Safari』11月号 P206-207掲載
photo:Tsutomu Yabuuchi composition&text:Ryuta Ikegami(AM5:00)