『デス・レース』
製作年/2008年 監督・脚本/ポール・W・S・アンダーソン 出演/ジェイソン・ステイサム、タイリース・ギブソン、イアン・マクシェーン
実写主義にこだわったカーアクション決定版!
舞台は2012年(公開当時から見ると近未来)。アメリカ経済が崩壊し、暗雲たる社会が広がる中、唯一、人々を歓喜熱狂させる娯楽があった。その名は”デス・レース”!!ルールはいたって簡単だ。極悪受刑者たちが改造車に乗り込み、刑務所内のサーキットで血みどろの肉弾戦を繰り広げる。勝ち抜けば釈放。負ければ死あるのみ。だが全世界へ生配信されるこのレースも最近は視聴者数が減少傾向にあった。そこで起爆剤として、妻殺しの濡れ衣を着せられた元レーサーが、伝説の覆面レーサーとして参戦することになりーー。
B級映画の帝王ロジャー・コーマンが製作した『デス・レース2000』(1975年)のリメイクとして銘打たれながら、ほぼ全く新たなものへ姿を変えたバイオレンス・アクション。当初はトム・クルーズが主演する話もあったのだが、二転三転の結果、安定のステイサムが凄みをきかせる劇薬へと仕上がった。その最大の注目点はやはり改造車とスタントマンを大量投下した実写へのこだわりだろう。CG万能の時代だからこそ、あえて痛みと衝撃の伝わる生身のぶつかり合いを。そんな信念を貫くなんて、キャストのみならず、作り手も相当な猛者だ。一筋縄ではいかない狂える彼らの饗宴を堪能したい。
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photo by AFLO