人気のショッピングタウンに斬新な構造の邸宅!
ハリウッドとコリアタウンに挟まれた高級住宅地ハンコックパーク。この街の一角にあるのが、お洒落なラーチモント・ヴィレッジ。ここにランドスケープを重視した建築家志望の大学生が住む。家をデザインしたのは、建築家である彼の母親。そのセンスを拝見しよう。
- SERIES:
- 西海岸リビング&インテリア! vol.17
Larchmont Village
カリフォルニア州ロサンゼルス ラーチモント・ヴィレッジ
co-owner
プレスコット・ケリー
大学生、建築事務所インターン
2階の中庭に臨む家の中がこちら。右にキッチン、左にダイニングルーム。奥にリビングルームが続く。壁の中に収まる可動式ガラス窓を全開すると中庭と部屋が繋がる構造。温暖なカリフォルニアだからこそ可能なスタイル。
抽象芸術的な家!
中庭と部屋が繋がった2階のフロア。「シンプルで機能性に優れ、美しい」と語るイタリア製とスカンジナビア製の家具が並ぶ。左のダイニングテーブルはケリーの母親がデザインしたカスタムメイド。ソファは〈B&B イタリア〉。中央の入り口を1階に降りると玄関が。1階にはゲスト用のベッドルームとランドリールームとガレージがある。
プレスコット・ケリー[Prescott Kelly]
2003年、ロサンゼルス生まれ。
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の2年生。
建築家の母親モニカ・ハーヘルフィンガーが経営する建築事務所“XTENArchitecture”のインターン生。
LA市長公邸が建つ高級住宅街のハンコックパーク。その一角に位置するのが、ラーチモント・ヴィレッジ。この人気スポットに住む、建築家の卵のプレスコット・ケリーは「全米で2番めに大きな都市の中央に暮らしていながら、小さな町で過ごしている気分。オークやシカモアの木が生い茂っていて美しいのも気に入っている」と話す。
2005年から家族と住んでいた家を、建築家である母親とそのスタッフが2年かけて2019年8月に建て替えた。実はこの家、アメリカ建築家協会の2020年度“レジデンシャル賞”を受賞した作品でもある。
その特徴は、3つに積み重なった箱のように、水平方向から見ても垂直方向から見ても抽象芸術のようなラインや光の動きが楽しめるモダンな造り。3階の廊下と彼のベッドルームからは、LAのシンボル“ハリウッドサイン”が。「光と影がファサードを様々な表情に変えるところが好き」とケリー。可動式ガラス窓で外と内が繋がっているのも、ランドスケープ専門の建築家を目指す彼に、幸せをもたらす構造となっている。特に好きな部屋は、料理をしていると癒されるというキッチンとダイニングルーム。ここと3階の廊下には天窓が配され、自然光と空の色を堪能できるのが嬉しいとか。
あなたにとって家とは? と聞くと、「快適で喜びを感じる場所」と答える。情熱にあふれる彼が将来、デザインして建てる家はこの言葉どおりになるのだろう。
邸宅データ
●敷地面積:0.14エーカー(約173坪)
●家の面積:3677平方フィート(約103坪)
●家の値段:350万ドル(1ドル138円換算で約4億8300万円)
●部屋数:7部屋(4寝室含む。バスルームは4室)。3階建て
●築年:2019年
●建築家:モニカ・ハーヘルフィンガーとXTEN Architecture(エックステン・アーキテククチャー)チーム
●家族構成:母親と妹と計3人。ペットは犬1匹、猫2匹
3階の廊下の窓から見えるハリウッドサイン。天窓から差し込む光が壁に創る自然のアートも美しい。ケリーと母親と妹のベッドルームはこのフロアに。
「外と内の区別がなく気持ちよく過ごせる」というキッチンとダイニングルーム。特注のキャビネットに冷蔵庫や食器棚を格納してすっきり。
3階へ上る階段の正面にはケリーの母親が描いた絵画が。踊り場には絵の色に合わせた赤いソファと水色の絵を配置。
ケリーの母親がロンドンで手に入れた1800年代アンティークのチェスト。小さな絵画以外は、ケリーの大叔父でスイスの著名な造形作家EugenHafelfinger(ユージン・ハーへルフィンガー)の作品。
①緑あふれる中庭
ガーデニング好きなケリーが手入れしている中庭。建物のコントラストに合わせた白とベージュの2脚のチェアが粋。左手には屋外用のダイニングテーブルが配され、ディナーパーティを楽しむスペースも。
②空を楽しむ天窓
キッチンとダイニングルームの天井に施された天窓は、「家の中が自然の光で満たされているのが心地いい」。天窓は視覚的な楽しみのほか、“熱煙突”の役割もあり、ゆっくり家の中が冷えるように設計されているのだとか。この構造で、空気が家の中を自由に移動して快適に過ごせる仕組みになっている。
③光が注ぐバスルーム
ケリーのバスルームにも天窓が施され、光があふれる。夜には星空も楽しめる。鏡の後ろにはライトを配し、夜も明るい空間に。
④爽やかなリビングルーム
キッチンのフロアから数段階段を上がったところにある中2階のリビングルーム。窓枠がフレームとなり、外の風景を絵のように楽しめる。右奥には〈ブルードット〉のブレックファスト用ダイニングテーブル兼ホームオフィス用デスクも。デスクの上にディスプレイしたのは、ケリーの母親がデザインした家の模型。ロサンゼルス現代美術館で展示された特別な作品とか。
⑤癒されるジャグジー
「リラックスするにはジャグジーが一番」とケリー。植物を眺めながら寛ぐと、芯から癒されて平和な気分に浸れるそう。干ばつに強い植物を選び、手入れに水をあまり使わない環境に優しい配慮も。
⑥機能性抜群のキッチン
〈ウルフ〉のガスレンジは換気扇が飛び出す仕組みがスタイリッシュ。
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雑誌『Safari』10月号 P53~56掲載
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photo : Toshi Sakurai text : Yoko Fujimoto