海を望むマリブの山奥にハリウッド黄金時代の家!
サーフィン好きなセレブや大富豪が暮らすビーチタウン、マリブ。その山奥に建つのが、ハリウッド黄金期に活躍した衣装&ジュエリーデザイナー、トニー・デュケットの邸宅。この家を購入し、再建しながら住む建築家のセンスを拝見しよう。
- SERIES:
- 西海岸リビング&インテリア! vol.16
Malibu
カリフォルニア州ロサンゼルス・マリブ
owner
デヴィッド・ハーツ
建築家
玄関を入ってすぐのリビングルーム。ハンドメイドの美麗なシャンデリアが目を引く。日本をはじめ、インドネシア、タイ、カンボジア、ペルーなどで手に入れた品々をディスプレイ。エキゾチックな佇まいが魅力。
サステナブル建築の家!
健康のために立ちながらの食事を好むハーツが作った、高めのカウンターテーブル。ハニーディッパーをモチーフにしたリサ・クローン(Lisa Krohn)のスツールでモダンなキッチンを強調。窓からは海、ガラスドアからは中庭が望める。
デヴィッド・ハーツ[David Hertz]
1960年ロサンゼルス郡マリブ生まれ。
現在まで同街に住む。建築家。
建築事務所〈デヴィッド・ハーツ・ストゥーディオ・オブ・インバイロメンタル・アーキテクチャー〉社長。
ハリウッドスターの多くが豪邸を構える海の街、マリブ。ここに「生まれも育ちもマリブ。自然美が魅力で離れたくない」と建築家のデヴィッド・ハーツは住み続ける。サステナブルを重視するモダニズム建築で知られる彼の住まいのもとの持ち主は、ハリウッド黄金期の衣装&ジュエリーデザイナー。「自分とは正反対の建築概念に惹かれた。歴史の深さと温かみがあり、美しい風景に合う」と語る。
家とゲストハウスから望むのは、海と山の絶景。広大な敷地にはスイミングプール、テニスコート、ボッチェボールコート、展望台、池、コーヒー豆の畑。様々な果実の木々が茂り、花々も咲く。ザナドゥ(桃源郷)とマリブを組み合わせて“ザナブ”と名づけ、〈グッチ〉や『ヴォーグ』の撮影ロケ地やTV番組にもなった。
家の中で気に入っている部屋は、窓からの海の眺めが美しいキッチン。布製の壁やキャビネットを白く塗り替えて明るくし、立ちながら食事ができる高めのカウンターテーブルを設置。モダンで洒落た空間に改装した。リビングルームの壁に用いたのは、なんと線路をリサイクルした素材。アンティークの鹿の角のオブジェと現代アートを組み合わせ、“オリジナルのモダン”を表現している。
あなたにとって家とは? と聞くと「寒さや暑さから人を守ってくれる、生活におけるシェルター」と答える。スタイリッシュな建築を手掛ける彼の究極の思想であり、生き方が宿る回答だ。
邸宅データ
●敷地面積:99エーカー(約12万1193坪)
●家の面積:5642平方フィート(約159坪)
●家の値段:1000万ドル(1ドル134円換算で約13億4000万円)
●部屋数:6部屋(3寝室含む。バスルームは3室)。2階建て
●築年:1922年
●建築家:トニー・デュケットとライル・ウィラー
●家族構成:妻と2人。ペットは犬2匹
ベッドルームへ上る階段の踊り場には大きな鏡。「来客は向かいに部屋があると錯覚する」とか。朝食用テーブルには庭で採れた花が。
石や彫刻を置いたエキゾチックなスイミングプール。手前には「星空の下で至福のときを過ごす」というジャグジー。
ファイヤーピットは、サステナブル建築を得意とするハーツの真骨頂。海軍から手に入れたブイを半分に切って作った。
線路のリサイクル素材を施した壁に、フランク・ステラの絵を飾ってモダンなフォーマルダイニングルームに。テーブルはハーツが木とスチールで作った。もとは事務所の会議室で使っていたものだとか。ここにも庭で摘んだ花を飾って、華麗な雰囲気に。左奥はハーツのホームオフィス。デイベッドとカラフルなクッションで躍動的な空間に。
①異世界へ誘うオブジェ
ゲストハウスの中庭には、かつての持ち主トニー・デュケットが収集したオブジェが並ぶ。映画『王様と私』で使われた小道具やドラム缶などで作った作品だとか。まさに時空を超えた“ザナドゥ”を創造。
②優雅なテニスコート
テニスコートにも桃源郷のようなアウトドア・パビリオンを配し、どこか幻想の世界にいるような気分を味わえる。
③収納上手なキッチン
白を基調にしたモダンなキッチン。カウンターは清潔感と重厚感のある大理石。野菜や果物や花をインテリアのひとつとして、飾りながら収納している。正面に高級ブランド〈サブゼロ〉の冷蔵庫、その左隣には同じく〈サブゼロ〉の冷凍庫をキャビネットの中に格納。オーブンはプレミアムブランドの〈ヴァイキング〉。
④美術館級のベッドルーム
ゲストハウスには、まるで美術館のようにトニー・デュケットが住んでいた当時のベッドルームが保存されている。デュケットのデザイン哲学は“More is More(多ければ多いほどいい)”。ハーツも「インテリアのテーマは、多ければ多いほどいい」と語る。
⑤タイにいるような中庭
ゲストハウスにある「タイの村みたいな中庭」。ここで、ヨガをしたり、ディナーパーティを開いたりするそう。アウトドア・パビリオンにはカリフォルニアならではのデイベッドも。
⑥のどかなコーヒー豆畑
550本のコーヒー豆の木が茂る畑。そのまわりには、パッションフルーツやパイナップルや梨などのフルーツの木々も育ち、花も様々な種類がカラフルに咲く。まるで植物園のような美しい風景。
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雑誌『Safari』9月号 P63~66掲載
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photo : Toshi Sakurai text : Yoko Fujimoto