多才な仏料理人が放つ料理は、その旨味が段違い!
東京ミッドタウンの45階に位置し、東京湾や都心のランドマークを見渡せる〈ザ・リッツ・カールトン東京〉。ビストロノミー〈タワーズ〉では、上質なフランス料理を肩肘張らずに楽しめる。オープンキッチンを備えたダイニングはライブ感たっぷりで、夜になれば、煌めく東京の夜景が目の前に広がる。
ダークブラウンを基調にしたシックな内観。夜の雰囲気にもよく合う
料理長の中野琢治氏
料理長を務めるのは中野琢治氏。〈エコール辻〉を卒業後にフランスへ渡り、アルザス地方ストラスブールの三つ星レストランで料理人としてのキャリアをスタート。帰国後は東京のフランス料理店で研鑽を積み、その後再び渡仏してパリの4軒のレストランで約5年間腕を磨いた。2004年からは〈ザ・リッツ・カールトン大阪〉の〈ラ・ベ〉でクリストフ・ジベール氏に師事。10年間あまりスーシェフを務め、同店はミシュランガイドでも一つ星に輝いた。2016年の“ル・テタンジェ国際料理賞コンクール・ジャポン”では国内予選3位に入賞し、ワインソムリエの資格も持つ多才な料理人だ。
中野氏が大切にしているのは、フランス料理の伝統的な技法を踏襲しながら、旬の食材そのものの旨味を引き出すこと。そんな世界観を存分に味わえるのが、コース“Nakano's Dinner 5 Courses”(1万6500円)。前菜2品、魚料理、肉料理、デザートという構成で、厳選された食材を用いた料理を一度に体験できる!
“北海道産甘海老のタルタル フルーツトマト バジルのブラマンジェ”
最初の一皿は、“北海道産甘海老のタルタル フルーツトマト バジルのブラマンジェ”。下にはバジルのブラマンジェを敷き、上には北海道産甘海老、フルーツトマト、バジルの葉。甘海老の頭からとったゼリーも添えられ、旨味を余すところなく楽しめる。甘海老のねっとりとした甘味に、トマトの爽やかな酸味、バジルの清涼感が重なり、混ぜて食べると甘味と酸味のバランスが絶妙。中野氏の祖父が富山県出身で、幼い頃に甘海老をそのまま食べた思い出から着想を得たという、料理長のルーツも感じられる一皿だ。
“野辺地蕪のロースト 和牛ブレザオラ”
温前菜は、“野辺地蕪のロースト 和牛ブレザオラ”。フルーツのように甘い野辺地蕪を柔らかくローストし、下には蕪の葉を敷いている。和牛で作った生ハムの“ブレザオラ”を合わせ、イカのソテーや雲丹を加えた。ジューシーで甘味の濃い蕪に、和牛ブレザオラのほどよい塩味がよく合う。イカの小気味いい食感や雲丹の濃厚な旨味も重なり、ひと皿のなかで様々な食味が同居する。
“北海道産アイナメのロースト 海藻バター ハーブライス サフラン香るコンソメ”
“北海道産アイナメのロースト 海藻バター ハーブライス サフラン香るコンソメ”は、出汁茶漬けから着想を得た一皿。網ではなく一本釣りした大ぶりのアイナメをストレスの少ない状態でローストした。皮目にはバターと沖縄のアオサノリを合わせており、非常に香り高い。下には、高知県四万十川中流域の特別栽培ブランド米“にこまる”を使ったハーブライス。パセリ、ディルの香りをまとわせ、大粒の米ならではのしっかりとした食感。
“あいち鴨肉のロースト とうもろこしのソテー 北海道産プレミアムメークイン”
メインディッシュは、“あいち鴨肉のロースト とうもろこしのソテー 北海道産プレミアムメークイン”。エトフェして旨味を凝縮させたあいち鴨の胸肉は、厚みがありながらしっとりとした食感。鴨そのものの濃厚な味わいを堪能できる。添えられるのは、100日熟成させた北海道産プレミアムメークインと、甘味の強い“味来”のとうもろこし。ブラックペッパーを利かせたとうもろこしのソテーが味わいのアクセントになり、ブラックガーリックも奥行きを与える。
“長野県産ルバーブのコンポート エルダーフラワーハニーアイスクリーム”
食後を飾るのは、“長野県産ルバーブのコンポート エルダーフラワーハニーアイスクリーム”。爽やかな酸味を持つ長野県産ルバーブをコンポートにし、エルダーフラワーの香りをまとわせたハニーアイスクリームを取り合わせた。上にはメレンゲをあしらい、表面にはラズベリーの粉をあしらっている。ルバーブのキュッとした酸味と、蜂蜜のまろやかな甘味、エルダーフラワーの華やかな香りが調和し、最後まで軽やかだ。
料理に合わせて楽しみたいのが、マネジャーの安藤明久氏がセレクトするワイン。食材の持ち味を引き出しながら、一皿ごとの味わいを深めてくれる。
左から、“アンリ ジロー エスプリ ナチュール ジー”、“安心院葡萄酒工房 安心院ワイン アルバリーニョ 下毛 2025”、“2024 リュシアン ミュザール サントネ ヴィエイユ ヴィーニュ”
食前酒は、“アンリ ジロー エスプリ ナチュール ジー” (4600円)。きめ細かな泡とともに洋梨や白い花の香りが立つ。豊かな口当たりながら、伸びやかな酸と明瞭なミネラルが全体を引き締める。コースのスタートを華やかに彩ってくれるはずだ。
甘海老のタルタルに合わせるのは、“安心院葡萄酒工房 安心院ワイン アルバリーニョ 下毛 2025” (2900円)。アプリコットや青リンゴのアロマにレモングラスの爽やかな香りが重なる。みずみずしい柑橘系の果実味が広がり、甘海老の甘味やフルーツトマトの酸味に寄り添う。
“2024 リュシアン ミュザール サントネ ヴィエイユ ヴィーニュ” (3900円)は鴨にぴったりの赤ワイン。あざやかなルビー色で、チェリーやカシスなどの熟した果実香に、穏やかなスパイスのニュアンスがある。古木由来の密度を感じながらも重たさはなく、鴨の濃厚な旨味を受け止める。
フランス料理の技法をベースに、旬の食材を生かして一皿一皿を組み立てる中野氏。四季折々の食材で新たな魅力を描き出す〈タワーズ〉の美食を、存分に堪能してみてほしい。
●Nakano's Dinner 5 Courses 1万6500円
・北海道産甘海老のタルタル フルーツトマト バジルのブラマンジェ
・野辺地蕪のロースト 和牛ブレザオラ
・北海道産アイナメのロースト 海藻バター ハーブライス サフラン香るコンソメ
・あいち鴨肉のロースト とうもろこしのソテー 北海道産プレミアムメークイン
・長野県産ルバーブのコンポート エルダーフラワーハニーアイスクリーム
⚫︎〈ザ・リッツ・カールトン東京〉ビストロノミー〈タワーズ〉
住所:東京都港区赤坂9-7-1 東京ミッドタウン ザ・リッツ・カールトン東京45F
営業時間:ブレックファスト 7:00~10:30、ランチ 11:30~16:00(15:00LO)、ディナー 17:30~22:30(21:00LO)
定休日:無休
TEL:03-6434-8711(レストラン予約 10:00~20:00)
URL:https://towers.ritzcarltontokyo.com/
※サービス料込み
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1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口でわかりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。







































































