復活を遂げたフレンチレストランで秋のリッチな味覚を堪能したい!
2026年1月に14年ものときを経て復活した、〈ホテルメトロポリタン エドモント〉のフランス料理〈フォーグレイン(FOURGRAINS)〉。1985年のホテル開業とともに誕生し、初代料理長を務めたのは、日本人で初めてフランス版ミシュランガイドの一つ星を獲得した中村勝宏氏。日本のホテルフレンチを牽引してきた伝説的なレストランが、復活後に初めての秋を迎える。
エントランスからフレンチの上品な雰囲気が伝わってくる
料理長・池内英治氏
料理長を務めるのは池内英治氏。1972年茨城県生まれで、調理専門学校を卒業後、1992年に〈ホテルエドモント(現・ホテルメトロポリタン エドモント)〉へ入社。宴会洋食では中村氏に師事し、2007年に〈ホテルメトロポリタン 丸の内〉の〈ダイニング&バー テンクウ(Dining & Bar TENQOO)〉副料理長となり、2016年には料理長に就任。2023年4月から〈トランスイート(TRAIN SUITE) 四季島〉の3代目総料理長を務め、2025年12月に〈フォーグレイン〉料理長、2026年1月には〈ホテルメトロポリタン エドモント〉副総料理長に就任した。
秋は“薫香とジビエの極み”をテーマとし、最旬の食材を用いた五感に訴えかける料理が揃う。いくつかのコースがある中で、ランチとディナーで楽しめる“メイユール(Meilleur)”(2万3000円)がおすすめだ!
“フォワグラの小さなボール仕立て -秋-”
アミューズは池内氏の秋のスペシャリテ、“フォワグラの小さなボール仕立て -秋-”。旧〈フォーグレイン〉から受け継ぐ一皿を秋仕様にアレンジした。球状に仕上げたフォワグラのテリーヌにはリンゴのジュレをまとわせ、下には焼きリンゴとそのピューレを添えた。まわりに散らしたリンゴの皮のパウダーが甘酸っぱいアクセント。トップには葉を象ったようなミントのチュイールをあしらい、白い皿の中央に浮かぶ端正なプレゼンテーションも麗しい。
“地鶏二種の味わい 秋野菜とともに”
前菜は、“地鶏二種の味わい 秋野菜とともに”。熊本県の地鶏“天草大王”の胸肉をガランティーヌに仕立て、中にはムースとハーブを詰めた。しっとりとした胸肉に、なめらかなムースが重なって、上品な食味。もうひとつの地鶏の表現として、砂肝のコンフィとキヌアを合わせている。砂肝の小気味いい弾力と、キヌアの粒感が楽しい。ハーブのサラダに、走りの柿やあざやかなコリンキーが添えられ、ハーブのソースが全体を軽やかにまとめる。
“スモークした穴子と菊芋のアリゴ 各種根菜のコンフィ”
“スモークした穴子と菊芋のアリゴ 各種根菜のコンフィ”は、“薫香”を強く印象づける温前菜。穴子は山椒、昆布出汁でやわらかく煮てから、桜チップでスモークした。蓋を開けた瞬間にふわりと広がる芳醇な香りが食欲をかき立てる! 穴子はふっくらとした身質で、スモーク香がその滋味をさらに深める。
“オマールブルーとモン・サン・ミッシェル産ムール貝のマリニエール サフラン風味”
魚料理は、“オマールブルーとモン・サン・ミッシェル産ムール貝のマリニエール サフラン風味”。あざやかな赤色が、黒い器にきりっと映える美しい一皿だ。身は低温で繊細に火入れしてから表面を焼き、みずみずしさを残しながら香ばしさをプラス。モン・サン・ミッシェル産のムール貝は蒸して、凝縮された海の旨味を引き出している。厚めにカットした茄子はとろとろにローストしている。
“蝦夷鹿のポワレ 舟形マッシュルームとねずの実のクルート焼 グラン・ヴヌールソース”
メインディッシュは、“蝦夷鹿のポワレ 舟形マッシュルームとねずの実のクルート焼 グラン・ヴヌールソース”。蝦夷鹿をロース肉とモモ肉という異なる部位を異なる火入れで仕上げ、一皿で食べ比べできるのが醍醐味。手前のロース肉はじっくりとローストし、きめ細やかでしっとり。奥のモモ肉は赤身らしい弾力があり、表面に黒ニンニクやジュニパーベリー、パン粉を使って香りと食感をプラスした。舟形マッシュルーム、ツルムラサキ、蕪を添え、秋らしい趣が漂う。
シェフパティシエは井山架展氏。2016年に〈トランスイート 四季島〉の初代シェフパティシエを務め、2018年から〈ホテルメトロポリタン エドモント〉で腕を振るっている。
“和栗と洋栗のスフレ ソルベ カシス添え”
その井山氏が手掛けるグランデセールは、“和栗と洋栗のスフレ ソルベ カシス添え”。和栗と洋栗、それぞれの持ち味を生かしたスフレは、ふんわりと軽やかな口当たりで、栗の豊かな風味が広がる。添えられたカシスのソルベは、鮮やかな酸味が心地よく、栗のまろやかな甘味をきりっと引き締める。
ワイン左から、“フィリポナ ドゥ・サン・マルソー ブリュット”、“熊本ワインファーム 菊鹿シャルドネ”、“アルノー・ド・ヴィルヌーヴ オプルム 2020”
本格的なフレンチには、もちろんワインを合わせたい。ソムリエも務めるマネジャーの椎橋雅人氏がセレクトしたフランスを中心に約120種類ものワインが揃う。グラスはシャンパーニュが1種、白ワインと赤ワインがそれぞれ3種用意されているので、使い勝手がいい。
最初にオーダーしたいのが、“フィリポナ ドゥ・サン・マルソー ブリュット”(3000円/グラス)。細かな泡立ちがエレガントで、レモンやグレープフルーツの柑橘にトーストの香りが重なる。口当たりはクリーミーで食欲をかきたててくれる一杯だ!
地鶏に合わせたいのが、“熊本ワインファーム 菊鹿シャルドネ”(1万4000円/ボトル、2800円/グラス)。白桃や熟したリンゴの豊かな果実香があり、凝縮した果実味と芯のある酸が調和。ガランティーヌの繊細な旨味を受け止めてくれる。
蝦夷鹿には、南フランスの赤ワイン“アルノー・ド・ヴィルヌーヴ オプルム 2020”(1800円/グラス)を。ブラックチェリーやプラムの熟した黒系果実に、黒胡椒の香りが複雑に交差する。タンニンもしっかりと感じられ、鹿肉の野趣と相性抜群。
パーソナルスペースが広く取られたゆったりダイニングエリア
ダイニングエリアは最大12席というエクスクルーシブな空間。さらに6人まで利用できるプライベートサロンが2部屋あり、デートや記念日はもちろん、大切な接待にも重宝する。“伝説のホテルフレンチ”で、池内氏の華麗な料理を秋の薫りとともに味わってみてはいかが?
⚫︎メイユール(Meilleur) 2万3000円
2026年9月1日(火)~10月31日(土)
・アミューズ
フォワグラの小さなボール仕立て -秋-
・前菜
地鶏二種の味わい 秋野菜とともに
・温前菜
スモークした穴子と菊芋のアリゴ 各種根菜のコンフィ
・魚料理
オマールブルーとモン・サン・ミッシェル産ムール貝のマリニエール サフラン風味
・メインディッシュ
蝦夷鹿のポワレ 舟形マッシュルームとねずの実のクルート焼 グラン・ヴヌールソース
・アヴァンデセール
巨峰のマセレと紫蘇のグラニテ
・グランデセール
和栗と洋栗のスフレ ソルベ カシス添え
・コーヒー または ウバティー・小菓子
⚫︎コース
プレジール(Plaisir) 1万3000円 ※平日ランチ
セゾン(Saison) 1万6000円 ※ランチ
メイユール(Meilleur) 2万3000円 ※ランチ・ディナー
⚫︎フォーグレイン(FOURGRAINS)
住所:東京都千代田区飯田橋3-10-8 ホテルメトロポリタン エドモント1F
営業時間:ランチ 12:00~15:00(13:30LO)、ディナー 18:00~21:00(19:00LO)
定休日:日・月曜
TEL:ctel:03-3237-1111
URL:https://edmont.metropolitan.jp/fourgrains/
※サービス料込み
※事前予約制、3営業日前までに要予約
※食材の入荷状況により変更となる場合がある
グルメジャーナリスト 東龍さんの連載・記事はこちら!
アレが食べたいからこの店へ!
グルメジャーナリスト東龍のホテルグルメで“口福”体験!
●『Safari』公式 Instagram(@safarimagazine_official)もチェック!
1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口でわかりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。






























































