新シェフの料理哲学が生み出す、 “酸味”が決め手の奥深いイタリアン!
〈ホテル椿山荘東京〉のメインダイニングといえば、イタリア料理の〈イル・テアトロ(IL TEATRO)〉。クラシックなインテリアにベネチアングラスのシャンデリアが映え、都会の真ん中にありつつも、窓の向こうには森のような庭園が広がる。店名はイタリア語で“劇場”を意味していて、舞台の一幕一幕を楽しむように、本格イタリア料理を味わえる。知っておくべきレストランだ。
豪華絢爛な店内と、のどかな自然を望むことができる景色の融合は贅沢だ
エグゼクティブシェフのフォルコリン・アルベルト氏
2026年3月からエグゼクティブシェフを務めるのが、フォルコリン・アルベルト氏。イタリア各地やオーストラリアで研鑽を積み、2009年に来日した。前身の〈フォーシーズンズホテル椿山荘東京〉へ入社したあと日本を離れ、2022年に再来日して〈イル・テアトロ〉のスーシェフに就任。そして今回、満を持してエグゼクティブシェフとして指揮をとることとなった。
アルベルト氏の持ち味は、イタリアの伝統料理と日本の豊かな食材を融合させた料理。特にこだわるのが酸味の表現で、ビネガーや柑橘、ハーブなどを巧みに使い、食材の甘味や香りを引き立てる。
この時季に楽しめるのが、“夏の森 Bosco Estivo”(2万円)。前菜、パスタ、リゾット、魚料理、肉料理、デザート、食後の飲み物まで揃ったディナーコースだ。
“間八 帆立 トマト アーモンド”
“間八 帆立 トマト アーモンド”は、イタリアのパンツァネッラをイメージしたという前菜。塩でマリネした脂がのった間八と、軽く火入れし、甘味を湛えた帆立を合わせた海の幸の一皿。トマトの酸味が夏らしい涼やかさをもたらし、フォカッチャとアーモンドのソースが実に香ばしい。
“フェデリーニ 生雲丹 赤茄子 酢橘”
“フェデリーニ 生雲丹 赤茄子 酢橘”は、細いパスタの“フェデリーニ”に濃厚な生雲丹を合わせた冷製パスタ。アサリの出汁と赤茄子のソースに、旨味のある鮎の魚醤と心地よい酸味の柑橘のピールを添えた。清涼感のある爽やかな一品だ。
“赤のリゾット 手長海老とビーツ”
リゾットは2種類から選べるが、アップグレードして味わえる“赤のリゾット 手長海老とビーツ”で決まりだ。これはアルベルト氏のシグネチャー料理で、ビーツと手長海老を合わせたあざやかな赤が出色。芯を残したイタリア産米の“カルナローリ”に、ビーツのソースと濃厚なイタリア産チーズ“ストラッチャテッラ”のソースがよく絡む。半生状の手長海老はとろりとした食感と麗しい甘味。仕上げにスプレーをかけてまとわせる、フランボワーズの香りの演出も楽しい。
“和牛フィレ肉 アンディーブアグロドルチェ 発酵トマト 香草”
メインディッシュは“和牛フィレ肉 アンディーブアグロドルチェ 発酵トマト 香草”。きめ細やかな和牛フィレ肉をグリルして、焼き色がきれいなミディアムレアに仕上げた。デミグラスソースの軽やかな酸味が和牛の佳味を引き立ててくれる。発酵トマトのペーストとアンディーブ=チコリの甘酢和えは、ちょうどいい箸休め。
“ドラゴンフルーツ レモン 杏仁”
“ドラゴンフルーツ レモン 杏仁”は立ち姿が凛としたデザート。南国の果実であるフレッシュなドラゴンフルーツに、杏仁のパンナコッタ、レモンのソルベ、ココナッツのエスプーマで構成されている。涼しげな甘味が味わえて、とっても軽やか。トップにあしらわれたコーヒーとココナッツをまぶした焼きメレンゲは、サクサクと小気味いい。
〈イル・テアトロ〉では、クラシックなワインだけではなく、イタリア各地の魅力に満ちたワインも取り揃えられている。ソムリエの露木崇浩氏に相談すれば、料理と空間に寄り添う一本を提案してくれること間違いなし。
左から、“モンテ・ロッサ プリマ・キュヴェ ブリュット”、“イタロ・チェスコン マードレ マンゾーニ・ビアンコ 2021”、“テヌータ・ディ・アルティミーノ ポッジラルカ カルミニャーノ 2021”
最初の乾杯に選びたいのが、フランチャコルタの“モンテ・ロッサ プリマ・キュヴェ ブリュット”(3300円)。美しい麦わら色の外観に、きめ細かく持続性のある泡立ち。果実味とキレのある上品な酸味が見事に調和しており、とてもふくよかでエレガントな味わい。“イタロ・チェスコン マードレ マンゾーニ・ビアンコ 2021”(4100円)はシグネチャーのリゾットにぴったりな白ワイン。複雑で奥深い味わいなので、手長海老やビーツ、チーズに寄り添う。深みのある美しいルビーレッドの赤ワインが“テヌータ・ディ・アルティミーノ ポッジラルカ カルミニャーノ 2021”(2900円)。上品で優雅な余韻が長く続くフルボディの赤ワインで、和牛との相性は抜群だ。
森のような庭園を眺めながら、イタリアの伝統と日本の四季が響き合う料理を堪能できる〈イル・テアトロ〉。新エグゼクティブシェフとして腕をふるうアルベルト氏の料理を体験してみて。
⚫︎夏の森 Bosco Estivo 2万円(2026年7月1日~9月14日)
・前菜:間八 帆立 トマト アーモンド
・パスタ:フェデリーニ 生雲丹 赤茄子 酢橘
・リゾット:赤のリゾット 手長海老とビーツ(+1200円) または リゾット レモン プロシュート イチジク
・魚料理:鱸 ブロッコリー ペペロナータ
・肉料理:和牛フィレ肉 または 鴨胸肉 アンディーブアグロドルチェ 発酵トマト 香草
・デザート:ドラゴンフルーツ レモン 杏仁
・コーヒー、エスプレッソ または 紅茶
※仕入れ状況により、メニュー内容が変わる場合がある
⚫︎〈ホテル椿山荘東京〉イル・テアトロ(IL TEATRO)
住所:東京都文京区関口2-10-8 ホテル椿山荘東京3F
営業時間:朝食 6:30~10:30LO、ランチ 12:00~14:30LO、ディナー 17:30~22:00(20:30LO、コース 20:00LO)
TEL:03-3943-5489(レストラン・イベント予約センター 10:00~19:00)
URL:https://hotel-chinzanso-tokyo.jp/restaurant/ilteatro/
※サービス料別
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1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口でわかりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。








































































