〈ザ・ペニンシュラ東京〉のレストラン〈ピーター〉で、日本ならではの鮮やかな“モダンフレンチ”を堪能!
日本屈指のビジネス街として知られる丸の内エリアに位置するホテルといえば、2007年9月1日に開業した〈ザ・ペニンシュラ東京〉。皇居外苑と日比谷公園に面する最高のロケーションにあり、ダイニングも充実している。
直通エレベーターでアクセスできる最上階の24階にある〈ピーター(Peter)〉は、非日常を体験できるレストラン。2025年10月1日からコンセプトを“ステーキ&グリル”から“モダンフレンチ”へとリニューアルし、開放的な空間と圧倒的なビューの中で、新進気鋭のシェフ、ヨハン・ダコスタさんのクリエーションを堪能できる。
ヨハンさんは、フランスのマコン地方出身。初めて父親と訪れたフランスの1つ星レストランでの体験に感激してシェフを志した。フランスの国内外で着実にキャリアを築き、2014年に来日。北海道へ活躍の場を移し、ニセコや札幌で腕をふるい、国産食材を駆使しながら日本人の舌にも馴染むモダンフレンチを確立してきた英俊だ。
そのヨハンさんのもと、日本の出汁や調理法なども取り入れて軽やかに仕上げた料理を堪能できるのが、ディナーコースの“ヴォヤージュ”(2万1000円)。ヨハンさんのシグネチャーを味わえる魅惑のコースになっている!
“季節のアミューズブーシュ”
“季節のアミューズブーシュ”では、3品を同時に提供。右が白いペンタスの花を乗せたオニオンムース、奥がチキンコンソメのゼリー、左がマグロのタルタルや菊の花びら。この順番に食べ進めると、だんだん味が濃厚になっていくので食べやすい。
“茶碗蒸しのインスピレーション”
ヨハンさんのシグネチャーのひとつが、茶碗蒸しから着想を得たという“毛蟹 北海道産”。フレンチの技法で、鰹出汁とチキンコンソメを合わせた冷製“茶碗蒸し”を紡いだ。毛蟹と京人参が主張し、上にはレッドソレルなどのスプラウトがたっぷりとあしらわれている。仕上げにかけられた海老の頭などを用いたアメリケーヌソースが白眉。
“昆布風味のビーツコンソメ 冬瓜 色とりどりの大根の米酢マリネ”
“紅根菜”は、ヨハンさんが日本の“おでん”からインスピレーションを得たという一皿で、花びらのようで美しいプレゼンテーション。箸とスプーンが添えられるので、“おでん感覚”でいただける。大根の代わりに使われた冬瓜、ライスビネガーでピクルスにしたビーツを味わってみて。
“小松菜のスチーム 蕪のグレーズ クレソンのクーリ”
魚料理は“ハタ 愛媛県産”。食味に優れた愛媛県のハタをじっくりと低温で火入れし、その佳味を閉じ込めた。蕪は艷やかでバターの香りがいい。上にはレッドソレルが乗せられ、下には小松菜のソテーが敷かれている。仕上げにかけられたクリーミーなクレソンのソースが全ての食材を繋ぐ。
“胡瓜のマリネ 根セロリのムースリーヌ パセリのジュレ 軽いジュ 紫蘇天麩羅を添えて”
“鴨胸肉 青森県産”がメインディッシュ。鴨胸肉を皮目をクリスピーに焼き上げ、身は繊細にしっとりと火入れ。根セロリのムースリーヌは香り高く、球状にくり抜いた胡瓜のマリネが心地よい酸味。紫蘇の天麩羅が、フレッシュな青い味わいをもたらしてくれる。
“梨の赤ワイン煮ラ・フランスのソルベ ムース”
デザートの“金継ぎ 山梨県産”は、まるで何も乗せられていないかのような、金継ぎした器をイメージ。ホワイトチョコレートを割ると、優しい味わいの梨の赤ワイン煮と爽やかなラ・フランスのソルベが登場する。甘味と酸味のバランスが心地よく、散りばめられたクランブルもいい食感。
ヨハンさんのクリエイティブな料理は、お酒を合わせるとさらに味わいが深まる。
左:“ビルカール・サルモン ロゼ” 中:“ドミニク・バルブ レフロンテ ヴァン・ド・フランス” 右:“ドメーヌ・ダヴィド・デュバン ブルゴーニュ オート・コート・ド・ニュイ ルージュ ルイ・オーギュスト”
“ビルカール・サルモン ロゼ”(4500円)は淡いサーモンピンク色をしたシャンパーニュで、とってもチャーミング。きめ細やかな泡にブリオッシュのニュアンス、繊細な果実と伸びのある酸が調和しているから、最初の一杯からどこまでもいけそう! “ドミニク・バルブ レフロンテ ヴァン・ド・フランス”(2900円)は、ソーヴィニヨン・ブラン100%の爽やかな白ワイン。キリリとした酸がメインなので、魚介類との相性が抜群。肉料理にぴったりなのが、“ドメーヌ・ダヴィド・デュバン ブルゴーニュ オート・コート・ド・ニュイ ルージュ ルイ・オーギュスト”(3300円)。フレッシュな酸と繊細なタンニンが感じられて、鴨肉の旨味を引き出してくれる。
ヨハンさんのもと、コンセプトを新たにした〈ピーター〉で進化した料理を試してみて!
●ヴォヤージュ 2万1000円
・アミューズブーシュ
・毛蟹 北海道産
茶碗蒸しのインスピレーション
・紅根菜
昆布風味のビーツコンソメ 冬瓜 色とりどりの大根の米酢マリネ
・ハタ 愛媛県産
小松菜のスチーム 蕪のグレーズ クレソンのクーリ
・鴨胸肉 青森県産
胡瓜のマリネ 根セロリのムースリーヌ パセリのジュレ 軽いジュ 紫蘇天麩羅を添えて
・チーズセレクション +4,000円
緑の葉野菜と季節のフルーツジャム
・金継ぎ 山梨県産
梨の赤ワイン煮 ラ・フランスのソルベ ムース
・コーヒー または 紅茶
プティフール
●〈ザ・ペニンシュラ東京〉ピーター(Peter)
住所:東京都千代田区有楽町1-8-1 ザ・ペニンシュラ東京24F
営業時間:ランチ11:30~14:00(L.O. 13:45)、ディナー17:30~22:00(L.O. 21:00)
TEL:03-6270-2888
URL:https://www.peninsula.com/ja/tokyo/
※サービス料込み
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1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口でわかりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。













































































