15年ぶりに世代交代した老舗グランメゾン〈アピシウス〉の4代目シェフが、フランスの伝統を継承し進化させる!
1983年日比谷に創業した〈アピシウス(APICIUS)〉は、日本のフランス料理を代表するグランメゾン。店名は古代ローマの美食家“アピシウス”から名付けられ、フランスの伝統を継承して進化させた料理が、日夜食通たちの口福を満たしている。
- TAGS:
- アレが食べたいからこの店へ! Gourmet
4代目シェフに就任した森⼭順⼀さん
この伝説的なレストランで、2024年8月に4代目シェフに就任したのが、 森⼭順⼀さん。高校卒業後にホテルに勤務した後、1998年に〈アピシウス〉へ入社した。2013年からはスーシェフの重責を担い、最高の一皿を生み出すためには妥協を許さない。
“国産黒毛和牛ロース挽き肉の半生ステーキ ビトーク アピシウス風”1万4410円、Sサイズ 1万2430円
このフレンチの名店で是非とも味わっておきたいのが、“国産黒毛和牛ロース挽き肉の半生ステーキ ビトーク アピシウス風”。いくつもあるスペシャリテの中のひとつで、サシの多い黒毛和牛の旨味が最大限に生かされている。ステーキは外がカリカリっとして実に香ばしく、中は半生でジューシーな佳味。“つなぎ”が使われていないから肉感もたっぷりで、食べ応え満点になっている。和牛香とバターライスの風味もよく合っていて、食欲がかき立てられる。細切りにしてジャガイモを揚げた“ハッシュブラウン”と、酸味のあるクリームソースもよいアクセント。
ほかにもまだまだ珠玉のメニューがあるので紹介しよう。
“雲丹とキャビア 野菜のクリームムース コンソメゼリー寄せ”9460円
“雲丹とキャビア 野菜のクリームムース コンソメゼリー寄せ”は、見た目にも美しい冷前菜。野菜のクリームムースはなめらかで穏やかな甘味があり、濃厚な北海道の雲丹と大粒のオシェトラキャビアがたっぷりと包まれている。周りにあるビーフコンソメのジュレは、ちょうどいい塩梅と心地よい弾力。
“小笠原産母島の青海亀のコンソメスープ シェリー風味”4730円、Sサイズ 3850円
ほかではなかなか食べられないスープが、“小笠原産母島の青海亀のコンソメスープ シェリー風味”。水、香味野菜、海亀でつくられたスープはキラリとして美しく、ふくいくたる上味が口の中に広がる。ほんの数滴加えられたシェリー酒によって高貴な香りをまとう。添えられたグラナパダーノのスティックパイは、口直しで食べてみて。
“鰻のパイ包み焼き ポルト酒風味”8800円
“鰻のパイ包み焼き ポルト酒風味”は、“蒲焼き”をイメージした和仏折衷のひと品。鰻、フォアグラ、帆立貝のムースがパイの中で三位一体となり、濃密な至味が生まれる。白ワインバターの酸味とポルト酒の甘味がバランスよく、アンチョビも乙な味わい。
デザートのイメージ
さすが日本を代表するグランメゾンとあって、ワゴンサービスも充実。“熟成されたフランス産ナチュラルチーズをワゴンから”(2970円)では約16種類のチーズが用意されている。“デセールのセレクション 季節のガトー、アイスクリームとシャーベットをワゴンから”(ケーキ各種 1カット1540円~、アイスクリーム・シャーベット 1クープ880円)では8種類のケーキ、4種類のアイスクリーム、5種類のシャーベットからチョイスできる。コースの最後に提供されるミニャルディーズ(小菓子)もワゴンでは、20種類以上が提供されていて圧巻。
アラカルトで自由にセレクトするのもいいし、スペシャリテが組み込まれたコースを注文するのもいい。
〈アピシウス〉で食事をするのなら、ワインも飲まないわけにはいかない。ワインは国内有数の質と量を誇っており、オープンから受け継ぐフランスを中心とした約3 万本のワインがある。充実しすぎていて、どれがいいかわからなくても、情野さんをはじめとした優秀なソムリエ陣に相談すればOK。
“アンリ・ジロー エスプリ ナチュール ジー”(2750円)はピノ・ノワール主体の辛口シャンパーニュで、濃厚な果実味と複雑なミネラルが感じられる。優雅な味わいで、最初の一杯にふさわしい。前菜や魚介類にぴったりなのが、“マルシャン・フレール モレ・サン・ドニ トレ・ジラール ブラン 2019”(3850円)。凝縮した果実味と樽のニュアンスがあって、料理に華やかさを与えてくれる。“シャトー・マラルティック ラグラヴィエール ペサック・レオニャン 2010”(3850円)は是非ともメインディッシュに合わせたい赤ワイン。タンニンが豊かで力強く、紫がかったガーネット色が美しい。肉の旨味をぐっと引き出してくれる。デザートワインには“アンリ・ジロー ラタフィア・シャンプノワ”(4400円)がおすすめ。シャンパーニュ地方で作られる甘口酒精強化ワインで、優美な甘さに柑橘系の香りが寄り添う。
アール・ヌーヴォー様式の華やかさと重厚感が
地階ながらも開放感あるのびやかな空間で、アール・ヌーヴォー様式の華美な重厚感に包まれている。凛とした空気が流れていて、まさに大人の社交場といったところ。2つの個室が設けられているので、接待やプライベート感あふれる会にもおすすめ。
日本の老舗グランメゾンで、〈アピシウス〉ならではのスペシャリテを味わってみて!
●ランチコース
マルシェ(MARCHÉ) 8800円
デジュネダピシウス(Déjeuner d’APICIUS) 1万4850円
●ディナーコース
トラディショネル(TRADITIONNEL) 2万7060円
グルマン(GOURMAND) 3万3000円
プレステージ(PRESTIGE) 4万700円
●アピシウス(APICIUS)
住所:東京都千代田区有楽町1-9-4 蚕糸会館B1
営業時間:11:30~15:00(13:30LO)、17:30~23:00(20:30LO)
定休日:日曜
TEL:03-3214-1361
URL:http://www.apicius.co.jp
※サービス料別
●グルメジャーナリスト 東龍さんの連載・記事はこちら!
アレが食べたいからこの店へ!
グルメジャーナリスト東龍のホテルグルメで“口福”体験!
●雑誌・WEB『Safari』の公式TikTokは
こちらからアクセスしてみて!
1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口でわかりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。