Safari Online

SEARCH

CULTURE カルチャー

2024.08.24

ネットフリックス『ザ・ユニオン』で再注目!
マーク・ウォールバーグの成り上がり人生ストーリー(2)


『ブギーナイツ』(1997年)


マーク・ウォールバーグの代表作は何だろう? 俳優としての最初のブレイクは、1997年の『ブギーナイツ』で、初めてアカデミー賞にノミネートされたのが、2006年の『ディパーテッド』。そして日本でも異例のヒットを記録し、続編も作られた『テッド』(2012年)。このあたりを挙げる人が多いはずだ
 

  

 

『バスケットボール・ダイアリーズ』(1995年)

『ブギーナイツ』(1997年)は、ちょっとセンセーショナルだった。1993年に俳優デビューしたマークは、その2年後に『バスケットボール・ダイアリーズ』(1995年)で大役をつかむ。レオナルド・ディカプリオが演じた主人公の仲間で、麻薬に溺れ退学処分を受け、犯罪に手を染めるという衝撃的な運命に体当たりで挑んだ。そして舞い込んだのが、『ブギーナイツ』への主演オファー。監督はその後、数々の傑作を放つポール・トーマス・アンダーソンだった。マークが演じたのは、実在の人物をモデルにしたポルノ俳優のエディ。1970年代のポルノ業界をバックに、そこに飛び込んだ主人公の苦闘を描いていく。業界にうごめくクセ強キャラたちに翻弄されながら、人気を得て、ドン底も味わうエディ役に、まだ俳優としては未熟な面もあるマークがぴたりとハマった。カルヴァン・クラインの下着モデルでも話題になった自慢の肉体も強調され、エディが30cmという巨大な“男性自身”をさらけ出すシーンは、特殊な映像処理がされていたとはいえ、公開当時、物議を呼んだ。いずれにしても俳優マーク・ウォールバーグを広く認知させた作品である。
 

  

 

『スリー・キングス』(1999年)

そこから、『スリー・キングス』(1999年)でデヴィッド・O・ラッセル、『PLANET OF THE APES/猿の惑星』(2001年)でティム・バートンという名監督との仕事に恵まれ、自身の過去のキャリアも重なるミュージシャン役の『ロック・スター』(2001年)など順調にキャリアを構築。『マトリックス』のネオ役の候補に残った際には、積極的に売り込み活動を行うなど、俳優としての野心も高まっていた。
 

  

 

『ロック・スター』(2001年)

そして『ブギーナイツ』から9年後、巨匠の中の巨匠、マーティン・スコセッシ監督の『ディパーテッド』(2006年)に迎え入れられる。香港映画『インファナル・アフェア』(2002年)のリメイクで、『バスケットボール・ダイアリーズ』以来のディカプリオとの共演。そのディカプリオがギャング組織に潜入する警官役で、マット・デイモンが警官だがギャングに情報を流す逆パターンの役。つまり2人が主演なのだが、マークはキーパーソンとなる巡査部長のディグナム役で、嫌味が多いのに憎めないというハードルの高い表現を成功させた。演技者としての彼のひとつの到達点で、アカデミー賞助演男優賞ノミネートも当然だろう。マークの出演作で、アカデミー賞作品賞に輝いた唯一の作品が『ディパーテッド』である。

『ディパーテッド』(2006年)

『ディパーテッド』の頃から、マーク・ウォールバーグにはプロデューサーとしての野心が燃え上がる。最初の成功作が、自身もボクサー役で主演を務めた2010年の『ザ・ファイター』。ボクサー兄弟の確執と家族愛がドラマチックに描かれ、兄役のクリスチャン・ベールと母親役のメリッサ・レオが、アカデミー賞で助演男優&女優賞を受賞。作品賞にもノミネートされ、プロデューサーとしてのマークの才能が高く評価された。これ以降、自身の出演作だけでなく、数多くの作品でプロデューサーを手がけ、現在に至っている。
 

  

 

『テッド』(2012年)

このように骨太なシリアス系の作品が際立ち、その間にも『ザ・シューター/極大射程』(2007年)や『マックス・ペイン』(2008年)のようにアクション映画での主演も続いていたマークだが、『ザ・ファイター』と同じ年に、もうひとつの才能が映画ファンを夢中にさせる。ウィル・フェレルと刑事役でコンビを組んだ『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』(2010年)では、その掛け合いに爆笑の連続。“笑わせるつもりではないのに、なぜか笑いを誘う”というマークの個性を活かしたコメディ演技は、2年後の『テッド』で大きく花開いた。テディベア(ぬいぐるみ)を相手に、35歳になっても大人になりきれない主人公のジョンを快演。とぼけた味わいも全開にして、際どいギャグも次々とこなす姿に、スター俳優としての余裕を感じさせた。『テッド』は日本でも興行収入43億円で、年間の5位という、当初は誰も予想していなかった人気を獲得。マークの出演作の中でも日本でダントツの数字を記録した。ゆえに彼の代表作と捉える人も多い。『アザー・ガイズ』や『テッド』の延長で、最新作『ザ・ユニオン』を観れば、マークの俳優としての個性を満喫できるだろう。

2014年の『トランスフォーマー/ロストエイジ』と、3年後の次の作品『トランスフォーマー/最後の騎士王』では、マーク・ウォールバーグが演じたケイドが、ティーンエイジャーの父親という設定だった。この頃から、アクション映画などでも家族のリーダーとしての役割が加えられたりして、マークの演技にもさらに多くの面を発見できるようになる。そしてケイドという役がマイペースの発明家で、巨大ロボット=トランスフォーマーと共闘したように、彼のキャリアを長く見守ってきたファンは、何歳になってもさりげなくキープされる“やんちゃ”な魅力に引き込まれるのである。

マーク・ウォールバーグの成り上がり人生ストーリー(3)に続く
 

  

 

 
文=斉藤博昭  text :Hiroaki Saito
Photo by AFLO
【緊急告知】5時間限定! 9/21(土)〈阪急メンズ大阪〉でかっこよくなる!〈リプレイ〉の新作を引っ提げて、『Safari』があなたをスタイリング!
SPONSORED
2024.09.13 NEW

【緊急告知】5時間限定! 9/21(土)〈阪急メンズ大阪〉でかっこよくなる!
〈リプレイ〉の新作を引っ提げて、『Safari』があなたをスタイリング!

夏の終わりを告げるように、涼しげな空気が漂ってきはじめたこの頃。となると、俄然気になるのが秋スタイル。そこで、秋のお洒落をサポートするべく、『Safari』があなたに似合う秋スタイルを特別にご提案します!

TAGS:   Fashion Denim
俳優・町田啓太を魅了する〈サンローラン〉の“ニキメッセンジャー”着こなしを引き締めるアイコニックなバッグ!
SPONSORED
2024.08.23

俳優・町田啓太を魅了する〈サンローラン〉の“ニキメッセンジャー”
着こなしを引き締めるアイコニックなバッグ!

映画、ドラマにと縦横無尽に活躍する、今注目の俳優・町田啓太。180㎝を超える長身と端正なマスク。どんな服や小物も自然体で優雅に着こなすであろうそんな彼に、今回、身につけてもらったのが〈サンローラン〉のアイコンバッグ、“ニキメッセンジャー”…

〈ロンハーマン〉の今季の別注がいよいよ発売!あのブランドとの別注は、大人を感じるグレーが主役!
SPONSORED
2024.09.11

〈ロンハーマン〉の今季の別注がいよいよ発売!
あのブランドとの別注は、大人を感じるグレーが主役!

〈ロンハーマン〉をこよなく愛する人は、恐らくこの時期に毎年発売される別注モノを待っていたのではなかろうか。それが、アメリカントラディショナルを象徴する〈ポロ ラルフ ローレン〉とタッグを組んだ逸品だ。待っていた甲斐のある期待以上のアイテム…

都会でも郊外でも自在の走りで魅せる役者・市原隼人のライフスタイルを進化させる〈Audi〉Q5
SPONSORED
2024.09.02

都会でも郊外でも自在の走りで魅せる
役者・市原隼人のライフスタイルを進化させる〈Audi〉Q5

多彩な役柄を演じ分ける市原隼人さんは、クルマ、バイク、アウトドア、そしてプロの領域のカメラまで趣味や興味の対象も多岐にわたる。今回はそんな市原さんに“アウディQ5 スポーツバック Sライン ダイナミック エディション(Audi Q5 Sp…

TAGS:   Cars
注目すべきは〈ディーゼル〉の新作コレクション!懐かしくて新しい大人のためのデニム!
SPONSORED
2024.08.23

注目すべきは〈ディーゼル〉の新作コレクション!
懐かしくて新しい大人のためのデニム!

大人のデニムは素材感や着心地が大事。それはもちろんのことだけど、そのうえでどこか懐かしくて新しさがあるのが〈ディーゼル〉。新作のデニムコレクションは、〈ディーゼル〉らしい穿き心地のよさはそのままに、ワイルドなダメージ加工が際立つ個性豊かな…

〈ビーアクシス〉で手軽に賢く、憧れのボディに!履くだけで理想の身体が手に入るお洒落な1足!
SPONSORED
2024.08.23

〈ビーアクシス〉で手軽に賢く、憧れのボディに!
履くだけで理想の身体が手に入るお洒落な1足!

「ローマは一日にしてならず」。この言葉、理想の体型を目指し、日々身体作りに励む人にとっては当たり前のこと。とはいえ、誰でももっと簡単に理想のボディが手に入るなら、それにこしたことはないと思っているのでは!? だったら、この〈ビーアクシス〉…

TAGS:   Fashion

NEWS ニュース

More

loading

ページトップへ