【まとめ】マット・デイモン出演映画10選!
『Safari Online』で配信してきた記事の中から、マット・デイモンが活躍する作品をセレクトしてお届け!
『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』
製作年/1997年 監督/ガス・バン・サント 脚本・出演/ベン・アフレック、マット・デイモン 出演/ロビン・ウィリアムズ
最高の友情ストーリーが心に静かに染み入る!
今やビッグスターになったベン・アフレックとマット・デイモン。ハーバード大学時代にデイモンが執筆した脚本を、アフレックの協力で完成。2人が自らの出演で映画となり、いきなりアカデミー賞脚本賞という快挙を達成した。幼い頃から孤独だったウィル・ハンティングは、ケンカを繰り返して鑑別所送りが日常だった。大学で清掃員のアルバイトをしていた彼は、学生たちが解けず、黒板に残された数学の難問をあっさりクリア。記憶と数学に関するウィルの天才的才能を知った教授が、ウィルを更生させるために心理学の講師であるショーンを紹介する。
ともに深い屈折感を抱えていたウィルとショーンが、徐々にたがいを理解し合っていくドラマがじつにエモーショナル。ショーン役で故ロビン・ウィリアムズがアカデミー賞助演男優賞を受賞しただけあって、ウィルの心を解き放ち、才能を開花させる、まさに最高のサポート演技をみせてくれる。さらに感動的なのは、アフレックが演じる親友チャッキーと、ウィルの友情だ。ワル仲間という関係が、ウィルが巻き込まれる事件や、成長と葛藤によって、どう変わっていくのか? チャッキーの決断が、本作を最高の友情ストーリーとして輝かせる。号泣する感動映画というより、心に静かに染み入り、記憶にやきついて離れないタイプの名作。
『リプリー』
製作年/1999年 原作/パトリシア・ハイスミス 監督・脚本/アンソニー・ミンゲラ 出演/マット・デイモン、グウィネス・パルトロウ、ジュード・ロウ
憧れのお坊ちゃまになりすます!
貧しい青年トム・リプリー(マット・デイモン)は、ひょんなことから大富豪の放蕩息子であるディッキー(ロブ・ロウ)と意気投合。やがてリプリーは傲慢だが魅力あふれるディッキーに強い憧れと愛情を抱くが、ディッキーはリプリーの想いを冷淡に拒否。リプリーはディッキーを衝動的に殺し、彼になりすますことを思いつく……。
『太陽がいっぱい』の原作としても知られるパトリシア・ハイスミスの小説を、故アンソニー・ミンゲラ監督が映画化。憧れのお坊ちゃまになりすますトムの突発的な計画は初めこそ順調に行くものの、徐々に綻びを見せ、彼を怪しむ人の死体も増えていく。アラン・ドロンがリプリーに魅力を持たせた『太陽がいっぱい』とは異なり、滑稽な主人公を襲うシビアな展開が残酷。
『オーシャンズ11』
製作年/2001年 監督/スティーヴン・ソダーバーグ 出演/ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモン
凄腕の詐欺テクニックを知れば、対処すべきセキュリティ方法がわかる!
どんな警備も突破する凄腕たちを前にすると、その安全神話も崩壊気味だが、シンプルに普段と違う出来事や人がいたら怪しむことが第一と思わせるのが本作。
凄腕の詐欺師ダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)が犯罪スペシャリストの仲間たちとともに、ラスベガスのカジノの金庫破りに挑む。金庫破りと一口に言っても、ダニーらが狙うのはセキュリティ万全の巨大金庫。実行当日、ベガス3大カジノの金が集まる金庫には1億6000万ドル以上の金が眠っているらしく、プロジェクトは壮大さを極めていく。
リーダーのダニーをはじめ、カジノのディーラー、事情通の資産家、爆破の専門家、中国雑技団の曲芸師、通信技師、スリなど、揃った面々は全員その道のプロフェッショナル。いわば、総力戦のため彼らの計画を見破るのはプロでもなかなか難しいうえに、そもそもカジノ経営者でもない限り気にする必要はなし?
とはいえ、カジノの防犯カメラをハッキングする際のテクニックや変装のハウツー、時間ごとに変わる暗証番号にどう対応するか、街を停電させたいときはどうすればいいのかなど、その詐欺のやり口は知っておいて損はない。要するに、どんなにセキュリティが万全でも、破られない金庫などないということ。そう考えると、ホテルの部屋の小型金庫を過信するなんてのは大間違いかも……。
『ふたりにクギづけ』
製作年/2003年 監督・脚本/ボビー・ファレリー、ピーター・ファレリー 出演/マット・デイモン、グレッグ・キニア、エヴァ・メンデス
兄弟あるあるが楽しめる!
重厚なドラマや感動モノが多い“兄弟映画”の中で、異彩を放っているのが本作。主人公の2人は、生まれたときから腰の部分がくっついたままの結合双生児。そんな基本のシチュエーションからして、なんだかシビアな展開を予想させるが、これは徹底しておバカなコメディ。結合状態でハンバーガー屋で働き、スポーツもすれば、俳優として舞台にも立つ。一心同体の日常生活には涙ぐましい努力が要求されたりするし、モラル的にヒヤヒヤさせる描写もあるが、基本的には能天気なギャグで笑わせまくる作り。やがて夢をかなえるためハリウッドへ向かった2人は、そこでもドタバタ続きの末、ついに重要な決断を下す!
兄のウォルト(グレッグ・キニア)は行動力があって、美女にすぐ声をかけ、弟のボブ(マット・デイモン)は真面目タイプで恋愛が苦手と、性格描写では「兄弟あるある」がいっぱい。監督はその後、『グリーンブック』でアカデミー賞作品賞を受賞したピーター・ファレリーと、弟のボビー・ファレリー。ふざけまくったコメディが得意の2人だが、兄弟監督ということで、本作の兄弟ネタはけっこうリアルかも!? 原題の『Stuck on You』は“君とくっついたまま”という意味だが、観ているこちらも“くっつくほど夢中”にさせるという、日本語タイトルがうまい!
『ディパーテッド』
製作年/2006年 製作・監督/マーティン・スコセッシ 出演/レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン、ジャック・ニコルソン、マーク・ウォールバーグ
警察とマフィアに潜入した男たちの交錯にハラハラ!
レオナルド・ディカプリオとマット・デイモンの競演による覆面捜査もの。バイオレンス描写を得意とするマーティン・スコセッシ監督によるツボを押さえた演出で、アカデミー賞作品賞に輝いている。
ディカプリオ演じるビリーは警察から犯罪組織に、デイモン扮するコリンは逆にギャングから警察へと、それぞれ身分を偽って潜入することに。犯罪組織、警察と、どちらも内通者がいることに気づくが、人狼ゲームさながらに正体をつかむことができない。周囲を欺いて暮らすうちに、本当の自分を見失いそうになり、苦悩するビリーの姿は観ていて、心が痛むはず。
全編とおして緊迫感があるのだが、イチオシなのは2人が最接近する劇場のシーン。ビリーの仕掛けた罠と知らず、組織のボス、コステロとコリンが密会。後方で息を潜めるビリーは、立ち去るコリンを追いかけ路地裏を駆け抜ける。暗闇で、互いの存在を感じ取り、武器を構える……と、残念ながら、ここでのマッチアップはお預け。しかし、互いの身分がバレるかもしれない、というドキドキ感は存分に味わえる名場面だ。
『グッド・シェパード』
製作年/2006年 製作・監督/ロバート・デ・ニーロ 共演/マット・デイモン、アンジェリーナ・ジョリー
デ・ニーロが監督としての力量も発揮!
ロバート・デ・ニーロの長いキャリアの中で、『ブロンクス物語/愛につつまれた街』に続いて2本めの監督作。もともとフランシス・フォード・コッポラが監督する予定だったが、コッポラは製作総指揮に回り、デ・ニーロにバトンが渡された。とはいえ、重厚かつ骨太な演出力で、監督としての手腕をきっちりと発揮。マット・デイモン、アンジェリーナ・ジョリーという大スターが共演し、デ・ニーロ自身も主人公を諜報機関に誘う将軍役で登場する。
大学生のエドワードが秘密結社に参加したのをきっかけに、やがてCIAの有能な諜報員になるまでを描く。愛する女性がいながら、友人の妹を妊娠させ、結婚するなど私生活のドラマと、世界の運命も左右する仕事の両面を、じっくりと見据えた力作。
デ・ニーロによると「実際のCIA職員が完成作を観て、納得してくれた」とお墨付きをもらったそうで、内部の裏切り者や対立する国のスパイとの攻防など、徹底してリアルだ。メリハリのある展開で、2時間47分という長さを飽きさせない。
『インビクタス』
製作年/2009年 製作・監督/クリント・イーストウッド 出演/モーガン・フリーマン、マット・デイモン、トニー・キゴロギ
弱体チームの快進撃に胸が高鳴る!
1994年、南アフリカ初の黒人大統領となったネルソン・マンデラ(モーガン・フリーマン)は、アパルトヘイトによる人種差別や経済格差をなくし、国をひとつにまとめようと尽力する。そんな中、南アフリカでラグビーのワールドカップが開催されることに。白人が愛好するスポーツとして知られ、黒人からはアパルトヘイトの象徴として忌み嫌われていたラグビーだったが、マンデラは自国チームの勝利に国の希望、愛と平和の願いを託すことに…。
マンデラ大統領就任当時の実話を、名匠クリント・イーストウッドが映画化。アパルトヘイトへの批判から国際試合を追放され、弱体化していた南アフリカ代表チームが、予想外の快進撃を見せるワールドカップの展開には実話ならではの高揚感が。スポーツにおける“折れない心”と国を治める者の“曲げない信念”がリンクしているのもいい。
『トゥルー・グリット』
製作年/2010年 監督・脚本/ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン 出演/ジェフ・ブリッジス、マット・デイモン、ジョシュ・ブローリン
助けを借りて復讐するのもひとつの手段!
ある男に父親を殺され、復讐を決意した14歳の少女マティ。父の形見の銃を手にしたマティは逃亡した復讐相手を追うため、連邦保安官のコグバーン(ジェフ・ブリッジス)を雇うことに。そこにテキサスレンジャーのラビーフ(マット・デイモン)も加わり、3人の旅が始まるが……。
映画ファンに大人気のコーエン兄弟が監督を務め、アカデミー賞で10部門にノミネートされた西部劇。今や大人の女性になったヘイリー・スタインフェルドが、映画初出演にして主人公のマティを熱演。2人の実力派スターが物語上でも、撮影でも彼女を支える。
とはいえ、マティが復讐の相棒に望んだ保安官コグバーンは、クセ者の大酒飲み。そんな彼とラビーフがどう活躍するかは見てのお楽しみだが、1人では力が及ばないのであれば、誰かの助けを借りるのも復讐には必要かもしれない。
『オデッセイ』
製作年/2015年 監督/リドリー・スコット 出演/マット・デイモン、ジェシカ・チャステイン、ジェフ・ダニエルズ
月旅行の先にある惑星での移住に想いを馳せる!
月旅行が現実ならば、惑星への移住も夢ではない話。そうなったときに、どんな環境で暮らすことになるの? という疑問に答えてくれるのがこちらの作品。
初の火星探査隊が砂嵐に襲われて脱出。ところが死んだと思われた植物学者のワトニーは、火星にたった1人取り残されて生きていた! 遠い火星では、救出隊がたどり着けるのは4年後。絶体絶命のピンチに見舞われても、ポジティブシンキングと創意工夫で生き抜こうとするワトニーを応援せずにいられないサバイバル・ムービーだ。
居住空間で、地球から持ってきた土を利用してジャガイモで畑を作り、ロケットの燃料を利用して水を作り出す。こんな自給自足生活が送れるなら、ひょっとして地球外に引っ越しも夢ではない⁉ と思わせてくれる。けれども、地球同様、自然現象は驚異で、劇中でも猛烈な砂嵐が宇宙飛行士たちを襲う。そう簡単ではなさそうだけど、地球以外の惑星に住む、なんて思うだけで夢が広がるでしょ?
また、この物語の素晴らしさは、主人公のワトニーが魅力的というだけでなく、ワトニーを救おうとする探査隊の仲間や地球の人たちの気持ちがしっかりと描かれていること。世界の国々が利害を超えて、たった1人を救うために結束し協力し合う。なぜなら宇宙にいるのは、全人類の代表だから。惑星移住はまだまだ遠いけれど、月旅行に向かうあなたは、世界を結束させる力を宿すのかも知れない。
『フォードvsフェラーリ』
製作年/2020年 製作総指揮/マイケル・マン 製作・監督/ジェームズ・マンゴールド 出演/マット・デイモン、クリスチャン・ベール
臨場感ある迫真のレースシーンにボルテージMAX!
主人公は2人。元レーサーで、心臓の病気のためにカーデザイナーとなったキャロル・シェルビー(その名は“シェルビー・マスタング”などで有名)と、イギリス出身の最速を誇るレーサー、ケン・マイルズ。ともに天才型だが、性格はまったく逆。
論理的で冷静なシェルビーに対し、直情型で、信念を絶対に曲げないマイルズ。観ているこちらも、どちらかに感情移入するのは確実だろう。ときには子供のようにケンカをしながらも、同じ目標を見据えて友情を育んでいく2人。彼らの姿に、心が揺さぶられない人はいないはずだ。
1960年代のモータースポーツ界が再現される本作は、工場からサーキットのシーンまで、当時のレースカーが大量に登場。クラシカルだが、今見てもかっこいいデザインの数々に目を奪われっぱなし。もちろんレースシーンのスピード感、臨場感も満点。全編、抜かりのない仕上がりにも感動。余計な小細工や、妙な新しさを避けて、どこか古きよきハリウッドの風格を保った“男の映画”の魅力に浸ってほしい!
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