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CULTURE カルチャー

2024.01.17

【現地取材】アカデミー賞を占う重要イベント!
クリティックス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)とは、どんな映画賞?


受賞を喜ぶドラマシリーズ『一流シェフのファミリーレストラン』の出演者たち

2024年に入ってから、ハリウッド最大の祭典、アカデミー賞に向けて、さまざまな映画賞が開催されている。1月の第1週目にはゴールデングローブ賞、その翌週(114日)にはクリティックス・チョイス・アワード(CCA/放送映画批評家協会賞)と、ともにスターが一同に会する豪華な授賞式が続いた。ゴールデングローブは、もともとハリウッド外国人映画批評家協会(HFPA)の100人弱の投票で決まる賞だったが、ここ2年ほどでアメリカ以外に在住のジャーナリストも加え、300人近い投票者へと変化。一方のCCAは、アメリカ・カナダの批評家=クリティックス、ジャーナリストを中心に約650名の会員が投票する(少数だが海外の会員もいる。筆者もその一人)。
 

  

 

『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』で共演したロバート・デ・ニーロとレオナルド・ディカプリオ

ゴールデングローブもCCAも、映画だけでなくTV部門もある。その分、候補者の俳優の数も多い。また、アカデミー賞は映画業界人による投票だが、この2つの賞と同時期にノミネート投票が行われるので、アカデミー会員が2つの賞の結果を参考にするのは間違いない。さらに大劇場で行われるアカデミー賞との大きな違いは、ゴールデングローブもCCAも、候補者たちがホテルなどの大宴会場のテーブルの席につき、飲んで食べて、楽しく談笑しながら授賞式を見守る、という点。酔っぱらってしまうスターも多く、とても和やかな雰囲気なのである。
 

  

 

関係者と談笑するマーゴット・ロビー(写真奥)

CCAは今年で29回目。例年はビバリーヒルズのホテルで開催されていたが、今年はホテルのストライキの影響もあり、なんとサンタモニカ空港の飛行機格納庫で授賞式が行われた(同空港はビジネスジェットやプライベートジェット専用)。巨大な空間が超ゴージャスなショーの舞台に様変わり。ノミネートされた俳優や監督たち、プレゼンターを務めるスターたちの他に、スタジオの関係者、そして投票者であるCCAのメンバーが、それぞれのテーブルで授賞式を見守る。
 

  

 

ブレンダン・フレイザーらと会話する山崎貴監督(写真手前)

例年のホテルと違って、レッドカーペットを歩いてきた出席者が、まず格納庫の入り口に作られた巨大なロビー兼バーに集結。授賞式を前に、誰もが早くも飲み物を片手に大騒ぎ。スターたちも気軽に撮影に応じたり、かなりカオスな状態に! 『ゴジラ-1.0』が外国語映画賞にノミネートされていたので、山崎貴監督も日本から来たのだが、あちこちから声をかけられ、記念写真も頼まれたりと、かなりびっくりしていた。アメリカでのゴジラ人気を実感した様子。山崎監督も近くにいたブレンダン・フレイザー(昨年の主演男優賞)と楽しそうに会話。『スター・ウォーズ』の大ファンである監督は、その後、ハリソン・フォードと話すチャンスもあって感無量のようだった。
 

  

 

ハリソン・フォード

今年の授賞式のクライマックスのひとつは、そのハリソン・フォードの功労賞受賞。『スター・ウォーズ』『インディ・ジョーンズ』『ブレードランナー』の他、多くの出演作のクリップがまるで1本の短編のようなストーリーで繋げられ、その映像がステージ上のハリソンのバックに流れる。熱い拍手は鳴り止まず、ハリソンがスピーチをはじめようとすると会場は総立ちに。

「私がここまでやってこられたのは、幸運と、有能なフィルムメーカーたち、その組み合わせに恵まれたからです」と、ハリソンのスピーチはあくまでも奥ゆかしい。ハリウッドの才能が多様化している現状も称賛し、客席にいる結婚14年目のカリスタ・フロックハートに感謝を述べた。「皆さんの時間を無駄にしたくない」と、功労賞とは思えないほど短くスピーチを締める姿も、これまたカッコいい!
 

  

 

ロバート・ダウニーJr.

そのほかに最も会場が湧いたのは、ロバート・ダウニーJr.の助演男優賞。受賞時のスピーチでは、彼のキャラが全開となり、笑いに包まれた。

「僕はクリティクスの人たちが大好き。いつも僕の演技を美しく表現してくれるから。たとえばハイク(俳句)的に“ずさんだね めちゃくちゃな演技で やる気なし”とか。“昏睡から目覚めたピーウィー・ハーマンのよう”、“迷走した才能のムダ遣い”と評されたこともありましたね。そしていちばん忘れられないのは“ベッドの中に閉じ込めたオナラのように面白い”という批評でした」

もちろん賞をもたらした『オッペンハイマー』の仲間には感謝の言葉を捧げ、「(撮影中は出かける際に)毎日、自尊心のお尻を玄関で叩かれる気分でした。僕がもっと良い人格だったら、そんなことは起きなかったでしょう」というノリノリのスピーチ。皮肉屋で、気の利いたユーモア大好きなロバートが、アカデミー賞でも受賞したら、どんなことを言い出すのか、今から楽しみだ。
 

  

 

クリストファー・ノーラン監督

その『オッペンハイマー』は今年のCCAで作品賞、クリストファー・ノーランの監督賞など8部門受賞で圧倒的な強さを見せつけた。『バービー』も最優秀コメディ賞など6部門受賞し、アメリカ・フェレラのSeeHer賞(男女平等に向けた女性に与えられる賞)での感動的スピーチもあって、この夜のもうひとつの主役作品でもあった。TV部門では『メディア王〜華麗なる一族』、『一流シェフのファミリーレストラン』、『BEEF/ビーフ〜逆上〜』が複数の部門で受賞。

空港というユニークな場所で3時間にわたって行われた授賞式。アカデミー賞を占う重要なイベントとして、30回を迎える来年以降もぜひ注目してほしい。
 

  

 

 
取材・文・撮影=斉藤博昭  text・photo:Hiroaki Saito
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