『スカイスクレイパー』 『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』
今年3本めの主演作となる人気者ドウェイン・ジョンソンの『スカイスクレイパー』と、世界各国でヒットを飛ばしているカンニング映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』をピックアップ!
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物語で選ぶ編①
『スカイスクレイパー』
ムネアツなポイントは?
・『ダイ・ハード』を超えるスケール!
・超高層ビルが襲撃され火災に!
・高さ1000m超での大ジャンプ
・格闘より救出で怪力を発揮
スケールは『ダイ・ハード』超え!
今年に入ってすでに出演作が2本も公開されているドウェイン・ジョンソン。いずれも、ド迫力のモンスターアクションだったけれど、本作も負けず劣らずのアクション大作に仕上がっている。舞台は、高さ1066mの超高層ビル。そこをテロリストが占拠! その中には家族が残されていて、ドウェイン演じる主人公が助けに向かう……。お察しのとおり、まさにこれは平成の『ダイ・ハード』といった作品。けれども、そのスケールは名作を凌駕するほどだ!
超高層ビルが襲撃を受けて燃え盛る!
ドウェイン演じるウィルは元FBI人質救出部隊のリーダー。現在は、危機管理コンサルタントとして、香港に新しく建てられた超高層ビル“ザ・パール”の保安査定を担当している。開業を間近に控える中、謎のテロリストがビルを襲撃。上層階は爆破され、炎の海と化してしまう。同じ上層階には、運悪く妻と子供たちが滞在中。危険を知ったウィルは、家族を救うため燃え盛るビルへ突入する。
高さ1000m超で、まさかの大ジャンプ!
本作を面白くしている仕掛けが、ハイテク制御の超高層ビル。セキュリティの管理をテロリストに奪われたため、外部から容易に侵入ができないというわけ。そこでウィルは、隣の建設中の建物によじ登り、クレーンをつたってビルへ大ジャンプ! 冒頭から手に汗握る展開が繰り広げられる。このほか、イーサン・ハントよろしく窓ガラスに張り付いての移動や巨大風力タービンのすり抜けなど、名作のいいとこ取りな場面も!
格闘より救出で怪力を発揮
ドウェイン作品となると派手な肉弾戦を期待しがちだが、本作ではその怪力を救助に使うことの方が多い。子供を救うため崩れ落ちそうな渡り廊下を支えるなど八面六臂の活躍をする。家族救出劇に加えて、クライマックスにかけてテロリストの本来の目的などが判明するなど物語は急展開。敵の美女コマンドー役のハンナ・クィンリヴァンのクールな魅力にも是非注目してほしい。
『スカイスクレイパー』
製作・出演/ドウェイン・ジョンソン 監督・脚本/ローマン・マーシャル・サーバー 出演/ネーヴ・キャンベル、チン・ハン 配給/東宝東和
2018年/アメリカ/上映時間102分
9月21日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
©Universal Pictures
物語で選ぶ編②
『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』
ムネアツなポイントは?
・世界各国でヒットを記録
・カンニングをビジネスに!?
・脚本や演出、演技がうまく噛み合っている
・ヒロイン、リンの知的なかわいさにノックアウト!
世界各国でヒットを記録
日本で話題になったタイ映画といえば、無敵アクションで人気のトニー・ジャーが主演した『マッハ!』や、実在したLGBTのバレーボール・チームを描いたスポ根コメディの『アタック・ナンバーハーフ』が有名。だが、ここ数年、実はほかにも秀作が多い。その勢いに乗るように、すでに世界各国でヒットを記録しているのが本作。「タイ映画? 興味ないな」なんて固定観念は、これを観たら一気に消えるはず!
カンニングをビジネスに⁉
主人公は女子高生のリンで、成績はオールAという天才。進学校に転入した彼女は、テスト中に困っていた友人をカンニングで助ける。その成功をきっかけに、友人たちはカンニングをビジネスにしようと発案。最初はとまどうリンも、斬新な方法をひらめいたことで話に乗っかり、大胆不敵なカンニングを決行し続ける。だが、ついに学校側にバレて留学の機会を失うリン。その後友人から懇願され、世界規模で行われる大学入試でカンニングを行うことに……。
脚本や演出、演技がうまく噛み合っている
この映画が観る者を引きつける最大のポイントは、テンポのよさと、王道なエンタメ感だ。まるでハリウッド製の青春映画+犯罪ムービーを観ているような感覚になってしまう。学校内での上下関係や、友人との微妙な距離感、10代ならではのプライドや苦悩など、様々な要素が国境を超えて共感できるように描かれているうえ、脚本や演出、演技がうまく噛み合って、非常に観やすい仕上がりなのだ。
ヒロイン、リンの知的なかわいさにノックアウトされる!
なによりヒロインを演じる、チュティモン・ジョンジャルーンスックジン(長い名前!)が、知的なかわいさで男女問わずノックアウトする。蒼井優の雰囲気とも共通するので、日本でもファンを獲得しそう。頭がよすぎる役なので、周囲をちょっぴり見下す瞬間は、女王様キャラも顔を出す彼女だが、なんと本作で演技初体験というからびっくり! もう1人の天才キャラを演じるチャーノン・サンティナトーンクンも、生真面目なイケメンキャラにハマり、本作では母国以上に台湾で大人気になったという。長澤まさみ似の親友グレースも見逃せない。
あまりに安易に成功してしまうカンニング方法があったりと、多少ツッコミどころはあるものの、海外での“時差”も駆使したクライマックスの攻防は、息もつかせない緊迫感で突き進む。爽快感とホロ苦さも加わった後味を是非体感してほしい。
『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』
監督・脚本/ナタウット・プーンピリヤ 出演/チュティモン・ジョンジャルーンスックジン 配給/ザジフィルムズ/マクザム
2017年/タイ/上映時間130分
9月22日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
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文=斉藤博昭 text:Hiroaki Saito