映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』は賛否が分かれる問題作!
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映画の歴史を振り返ると“常識”を軽々と超え、人々の度肝を抜いた傑作がいくつか誕生している。2019年に公開され、日本でも予想外のヒットを記録した『ジョーカー』もそんな一本だろう。こうして続編が作られるのも当然のこと。背筋を凍らせつつ、謎も多かったジョーカーのその後のドラマは、多くの人が知りたいに違いない。
道化師のようなメイク姿で、TVの人気トーク番組の生放送中に司会者を殺害したアーサー・フレック。前作のラストは、トラウマ的な衝撃をもたらした。そのアーサーは“アーカム州立病院”に収容され、いまだに現実と妄想の区別がつかない精神状態だ。殺人罪での裁判で、精神鑑定がどう影響するのか。そんな不安定な状況下で、アーサーは所内で一人の女性リーと出会う。2人が親密になっていくなか、アーサー=ジョーカーを信奉する群衆は、裁判の行方を見守るのだった。基本的にこの続編のストーリーは、かなりシンプルでわかりやすい。タイトルのフォリ・ア・ドゥとは、フランス語で“2人で狂う”という意味。アーサーの妄想がリーを別次元に導くのか。あるいはその逆か……。妄想や幻想シーンの多くが、ミュージカル形式で展開されるのも、本作の特徴だ。
映画の冒頭は前作の物語がアニメで紹介される。しかもバッグス・バニーなどのキャラでおなじみのルーニー・テューンズ風アニメ。“1作目と違う映画にする”という作り手の意識が伝わってきて新鮮な気分になれるはず。前作でアカデミー賞主演男優賞に輝いたホアキン・フェニックスは、またも異様な“背筋”を強調するなどインパクトを放ち続ける。そしてリー役のレディー・ガガは本作に書き下ろしの曲を提供し、もちろん持ち前の歌唱力を発揮。2人のケミストリーに作品のウェイトが置かれた印象だ。衝撃描写やアクションは、かなり絞られたが、それゆえに爆発するようなエネルギーに満ちている。すでに公開されたアメリカなど各国では賛否両論を呼んでいるが、振り返れば前作でもネガティヴな反応を耳にした。賛否が分かれる問題作だからこそ、ぜひ自身の目で確かめてほしい。そんな続編である。
『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』
製作・監督・脚本/トッド・フィリップス 製作総指揮・脚本/スコット・シルバー 出演/ホアキン・フェニックス、レディー・ガガ、ブレンダン・グリーソン、キャサリン・キーナー 配給/ワーナー・ブラザース映画
2024年/アメリカ/上映時間138分
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