ディーゼル×電動でパフォーマンスアップ!〈メルセデス・ベンツ〉C 220 d アバンギャルド
当連載では、年末年始にかけてプレミアムブランドの手掛けるBEV(電気自動車)を数台ご紹介した。そんなことからも、欧州における昨今の電動化の波の速さ・勢いの凄まじさをおわかりいただけたかと思うんだけど、いよいよコレにも電動化の波がやってきた! しかし、乗ってみるとあくまでもスムース&ナチュラル。「電気モノはちょっと……」な〜んて敬遠していた人ですら、自然に受け入れられること請け合い。〈メルセデス・ベンツ〉C 220 dだ。
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Cクラスが完全刷新されたのは昨年のこと。もちろんその導入時から、クリーンディーゼルのラインナップであるC 220 dの存在は明らかにされていた。ところが、ご存知のとおり部品デリバリーの遅れから、やっと試乗が叶ったのが昨年末。今後は、市場にも順次届けられていくと思うので、是非チェックしていただきたい。
で、そんな〈メルセデス・ベンツ〉C 220 dだが、「え? ディーゼルなのに電動化?」と思われた諸兄もいらっしゃることだろう。そう、今回のCクラスから、4気筒ディーゼルエンジンではじめて“ISG”というマイルドハイブリッドシステムが組み合わされたのだ。
ISGとは“インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター”の頭文字で、エンジンとトランスミッションの間に配置される電気モーターのこと。その名のとおり、オルタネーターとスターターの役割を兼ねる。このISGと48Vの電気モーターを組み合わせて、回生ブレーキによるエネルギー回収で充電をし、走行や電装系のアシストに使用するというものだ。ちなみに同様のシステムが、新型Sクラスのガソリンエンジンモデルにも搭載されている。
一方で、新型Cクラスのディーゼルエンジンは、2.0ℓの4気筒。〈メルセデス・ベンツ〉を知る人にはお馴染みの、信頼の“OM6454”型だ。で、この4気筒ディーゼルとISGのマッチングが今回はじめて。そんなことがあって、試乗はワリとドキドキだった。というのも実はこのOM654エンジン、トランスミッションとの組み合わせ次第ではややモッタリとすることが難点。燃費はいいし、高速域の伸びも悪くないけれど、走り出しや低速がやや苦手なイメージなのだ。
しかし、そのへんはさすがの刷新! “×電動トルク”を上手に生かし、苦手だった低速からの加速がスッキリとシャープに。最高出力は200psと、同じクラスのC 200アバンギャルドに比べると4psほど低くなっているものの、最大トルクはC 200の300Nmに比べてC 220 dはなんと440Nmと、かなりの開きが。そりゃ体感もいいハズですって。新型Cクラスならではのアジリティ、つまり“俊敏さ”が、このトルクにドンピシャってわけ。
ちなみにISG搭載で実現した燃費は、WLTCモードで18,5km/ℓ。対してC 200は14,5km/ℓ。個人的にはガソリンエンジンでしか感じられない高速からの伸びもかなり魅力的ではあるんだけど、正直、この数字を見てしまうと心がグラグラ揺らいじゃう。
もちろん、新型Cクラスの美しすぎるインターフェースや、信頼度の高いアシスタンスなども同じ。さあ、アナタならどっちのCクラスに乗ってみたい!?
★DATA 〈メルセデス・ベンツ〉C 220 d アバンギャルド(ISG搭載モデル)
●全長×全幅×全高:4755×1820×1435mm
●車両重量:1750kg
●ホイールベース:2865mm
●エンジン:2.0ℓ直列4気筒DOHCターボチャージャー付き
●最高出力:147kW(200PS)/3600rpm
●最大トルク:440N・m(44.9kgf・m)/1800~2800rpm
●ハイブリッドモジュール最大トルク:208N・m(21.2kgf・m)
●トランスミッション:9速オートマティック
●駆動方式:後輪駆動
●税込み価格:679万円~