【Vol.27】この〈フェラーリ〉なら波乗りに行きたくなる!?
フェラーリ GTC4ルッソTFerrari GTC4 Lusso T 普段のアシがスーパーカー。う~ん、憧れます! で、そんな夢をちゃんと叶えてくれるクルマがコレ。4人がゆったり乗れて荷物も積める。しかも〈フェラーリ〉!スーパーカーの定義ってなんだろう? これまでも自動車雑誌…
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Ferrari GTC4 Lusso T
普段のアシがスーパーカー。う~ん、憧れます! で、そんな夢をちゃんと叶えてくれるクルマがコレ。4人がゆったり乗れて荷物も積める。しかも〈フェラーリ〉!
スーパーカーの定義ってなんだろう? これまでも自動車雑誌でスーパーカーの特集をするたび、こんな議論が重ねられてきた。「ドアが4つあったらダメでしょう!」とか、「今どきは500馬力以下は認めたくないね」とか。「2シーター限定」なんて発言もあるが、そうすると〈ポルシェ〉911ターボが入らなくなる。それってどうなの?
というように、クルマ好きとて意外とその定義はマチマチだったりするのが面白い。う~ん、スーパーカーは奥が深い。
そんな中でブランドとして絶対と言っていいほど外れないのが〈フェラーリ〉。私の知る限り、〈フェラーリ〉をスーパーカーのカテゴリーに入れなかった自動車雑誌はない。
とはいえ、ひとくちに 〈フェラーリ〉といっても現行モデルは様々ある。代表的なV8ミッドシップもあれば、フロントに12気筒をマウントした大人っぽい〈フェラーリ〉なんかもある。さらにいえば、カリフォルニアTのようなV8エンジンをフロントに積んだメタルトップを開閉するコンバーチブルも。このクルマのデビュー時、開閉式メタルトップを“全天候型”と形容し、4つのシートで最も利便性の高い〈フェラーリ〉という原稿を書いたのを覚えている。
そんな実用的スーパーカーがある中に、新たなモデルが追加された。写真の〈フェラーリ〉GTC4ルッソTだ。まずこの名前を説明すると、“GTC”は伝統の名で血統のよさをアピール。“4”は4シーター。“ルッソ”はイタリア語のラグジュアリー。“T”はターボチャージャーだ。
でもってこの“T”の文字がないのが、ひと足先に昨年リリースされた12気筒エンジンを搭載するモデル。つまり、今回ここで紹介するのは、そのV8バージョンと考えていいだろう。
そんなGTC4ルッソTの特徴はまさにその利便性。リアにカーゴスペースがあり、リアシートを畳めばそれを拡大することができる。日本での発表会ではそれを強くアピールし、モデルを使ってビジネスマンのオンとオフや女性オーナーのマリンスポーツのアシ、子供を迎えにいくためのファミリーユースを表現していた。どのシーンもこれまでの〈フェラーリ〉にはなかった演出だ。
てな感じで、非日常的スーパーカーを日常に持ちこめるのがこのクルマの特徴であり、個性となる。であれば、毎日をワクワク過ごしたいアナタにぴったりの1台ってことになりませんか? ね。
このクルマの楽しみ方&使い方
GTC4ルッソTは日常的に使えるといってもスーパーカーであることに間違いはない。もちろん、その定義をパワーやハンドリングといった動力性能に当てはめての話だが、パフォーマンスはドライバーを裏切らないことを保証する。
具体的にはやはり〈フェラーリ〉ならではのエンジンに着目したい。近年開発された3・9ℓV8+ターボは彼ら自慢のユニットで、“エンジン・オブ・ザ・イヤー”に輝く秀逸なシロモノ。最高出力は610馬力で、最高速度はなんと320㎞/hを発揮する。そのうえ、0︱100㎞/h加速3・5秒は驚異的で、しかも12気筒エンジンと0・1秒しか変わらないのだからびっくりだ。
もちろん、子供の送り迎えや海までのアシにそれが必要なのと聞かれればイエスとは答えにくい。とはいえ、“それもできるしこれもできる”という価値観で鑑みれば、このクルマの有用性に納得するはず。そのうえで、アクセルを踏みこんだとき、「やっぱスゲー!」ってのがスーパーカーであり、〈フェラーリ〉なのだ。
ただ、そこまで真剣に走らなくとも、このクルマがスーパーカーであることは運転席に座ればよ~くわかる。カーボン製のステアリングと、ステアリング上にあるスターターボタン、それとステアリングセンターの〈フェラーリ〉のマーク。普通のクルマにはないものが、ここにはいっぱいありまっせ!
〈01 運転席〉目盛りがフツーじゃない回転計!
ステアリング上のマネッティーノ(ドライブモードのスイッチ)をデフォルトのCOMFORTからSPORTにすれば走りは一変。思わず頬が緩む瞬間だ。そして、センターに位置する白い文字盤の回転計は、1万までメモリがふってあるのだから恐れ入る。
〈02 4人乗りシート〉広いスペースより驚くのは快適な乗り心地
写真のように前後2名ずつ並ぶシート。つまりリアも左右独立式。子供には十分な広さが用意される。乗り心地は前後20インチのロープロファイルタイヤを装着しながらも、しなやかさが保たれる。正直これならロングドライブに行く気になる。
〈03 ラゲッジルーム〉ある意味究極の波乗りクルマ!?
カーゴにはそこそこの大きさのボストンバッグを2つは余裕で積める。さらにリアシートを倒せば長さのあるものも搭載可能。このクルマのPVにはサーフィンに行くシーンがあるが、斜めにすれば6フィートクラスのサーフボードはいけそう。
SPECIFICATIONS
フェラーリGTC4ルッソT
●全長×全幅×全高:4922×1980×1383㎜
●エンジン:3 . 9ℓ V 8 DOHCツインターボチャージャー
●最高出力:449 kW(610 cv)/7500 rpm
●最大トルク:760 Nm / 3000 - 5250 rpm
●トランスミッション:F 1 DCT 7速オートマチック
●車両重量:1740 kg
●税込み価格:2970万円~
TEL:03-6890-6200(フェラーリ・ジャパン )
雑誌『Safari』9月号 P226・227掲載