アメリカン贅沢セダンの魅力とは?〈キャデラック〉CT6
もしかして関東も梅雨入り間近? そんな予感を誘う、ここのところの急激な湿度上昇。今年は家にいる時間が長いせいで、外気温にカラダをフィックスしきれていない人も多いのでは? こんなときこそクルマの出番。エアコン完備で密閉性の高い高級車の中ほど、自分を最大限に甘やかしてくれる場所はないのだから。さらに欲をいうなら、鬱陶しい季節だからこそタイトなスポーツカーのシートではなく、ちょっとゆったりとカラダを伸ばしたくはない? だったらアメリカン・ラグジュアリーなコチラは実にオススメ。〈キャデラック〉の最上級セダンCT6だ。
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とにかく威風堂々だ。たっぷりしたサイズのボディに合わせるのは、見るからに勇ましい20インチタイヤ。乗り心地を求められる最上級セダンでこの攻めたチョイスこそ、クルマ好きをニヤリとさせる部分だ。
しかし、よく見ればカーデザイン自体は実にシンプル。お得意のメタリック装飾も最小に抑えられていて、細部にギラつきを感じさせる要素はあまりない(これなら最新の〈メルセデス・ベンツ〉のほうがまだギラギラしているくらい)。
それにも関わらず、全体的な印象はちゃ〜んと〈キャデラック〉らしい“華”を存分に感じさせるモノに仕上がっているのが素晴らしいところ。つまり、最上級らしい存在感と上品さを兼ね備えていると言ってもいいと思う。
実はこのデザインこそが、最新の〈キャデラック〉を語るモノ。2019年5月にマイナーチェンジを受け、すこし意匠を変えたのだ。先進性というよりはやや原点回帰的な、クラシカルな雰囲気が逆にお洒落に映る。
そして、内装こそが新型CT6の真骨頂。とにかくインターフェース系が使いやすくなった。まずナビゲーションシステムが刷新されたこと。ソフトバンクの4G通信網を使用し、常時データが更新されるという革新的なナビが採用された。そして、これに合わせて操作系、つまりセンターコンソールのシフトレバー周辺のレイアウトが大きく変わった。
具体的にはドイツ勢のように、ダイヤル式のコントローラーと物理ボタンの組み合わせによる操作ユニットが追加されたこと。運転中、カラダを起こしてメインディスプレイのタッチパネルに触らなくてもいいぶん、かなり利便性が高くなったのだ。
むろん、これまでのゆったりシートは健在。日本のリッチ層とはケタ違いの資産家を顧客に持ち続ける〈キャデラック〉の、日本や欧州のソレとはまた違った“ラグジュアリーの概念”は、乗員(もちろん後部座席も!)を相当にアゲてくれること間違いナシ。
パワートレーンも乗員思いだ。まずドライバーを喜ばせてくれるのは自然吸気の3.6ℓV6エンジン。340psを発揮し、信号待ちからのスタートでさえも心躍るエキサイティングなサウンドをあくまで紳士的に、かつワイルドに伝達する。しかし、その先にあるクルーズ状態に入れば、新搭載された10速ATが、今度はゲストのための静粛性を叶えてくれるのだ。う〜ん、心憎い演出!
そして“クルマにプラスアルファの価値”を求めるアメリカン・ブランドを選ぶ、最大の理由は実は“コスパ”。これほどのモノが1045万円からと、かなりお買い得感のある“パワー・コスト・レシオ”にこそ是非注目してほしい!
★DATA 〈キャデラック〉CT6 プラチナム
●全長×全幅×全高:5230×1885×1495mm
●車両重量:1950kg
●ホイールベース:3110mm
●エンジン:3.6ℓV型6気筒
●最高出力:250kW(340PS)/6900rpm
●最大トルク:386N・m(39.4kg・m)/5300rpm
●トランスミッション:10速AT
●駆動方式:4輪駆動
●税込み価格:1045万円
●GMジャパン・カスタマーセンター
TEL:0120-711-276