現代に舞い降りた未来のクルマかも!?
子供の頃思い描いていた“未来のクルマ”が、本当に実現しそうな今日この頃。いち早くそんなクルマを世に送りだしてきた〈テスラ〉が手掛ける、より身近な1台とは!?
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[テスラ モデル 3]
TESLAMODEL 3
アメリカの実業家として、なにかと話題を集めているイーロン・マスク。自動車業界においては〈テスラ〉のCEOとしてメジャーだが、実はスペースX社の共同設立者としてもよく知られる。EV事業やら宇宙事業やら雲を掴むような話を実現してきた男だ。
そんなマスクの手掛ける〈テスラ〉の最新モデルがこのモデル3である。初代ロードスター、モデルS、モデルXに続くピュアEV。カテゴリーはミッドサイズセダンで、全長4694×全幅1849㎜ という、これまでのラインナップよりも扱いやすい大きさとなった。これなら北米以外でも台数は十分に見こめそうだ。しかも価格帯もこれまでとは違う。1000万円級のプライスタグは、511万円スタートとなった。言ってしまえば半分。〈テスラ〉というブランドがぐっと身近に感じられる。
自動
もちろん、それでも走りに抜かりはない。EV性能を評価するうえで目安となる航続距離は、エントリーモデルの“スタンダードプラス”で409㎞、一番長い“ロングレンジAWD”だとなんと560㎞というから頼もしい。道路状況によって変動はあるだろうが、理論上は東京から大阪まで無充電で行けそう。ガソリン車に置き換えると、お財布にも優しいのがわかる。もちろん、環境にも優しいってことも、だ。しかも、パフォーマンスの面でもモデル3はその辺のガソリン車に負けていない。トップエンドの〝パフォーマンス〞というグレードの0‐100㎞/h加速は3・4秒と驚異的な数字を叩き出す。これは〈フェラーリ〉GTC4ルッソと同タイム。およそ1/4の価格でこのパフォーマンスは魅力だ。しかも加速フィールは宇宙戦艦ヤマトのワープ並み。視界の景色が瞬時に後ろに流れる。といってもワープを体験したことはないので、想像の話だが。
実はスタイリングはご覧のようなオーセンティックな仕上がり。フロント部分はモデルXをリア部分はモデルSを思い起こさせる。その意味では“テスラらしさ”はデザイン上でうまく表現できている。驚くのはボンネットの低さ。実車の前に立ったり、運転席に座るとそれを感じる。まぁ、そこにエンジンはないので、極端な話どうにでもなるのでしょうね。
なんて感じのモデル3。このクルマの登場で〈テスラ〉のマーケットは確実に広がるだろう。しかも、その先にはモデルYなる必殺技も控えているそうなので、ますます楽しみである。
ほかにもある!
このクルマの楽しみ方&使い方
モデル3の一番の個性は、実はインテリアなのかも。ドアを開け、ドライバーズシートに座るとそんなことが頭をよぎる。というのも、普通あるべきモノがあるべきところにない。それはメーターのこと。座ってハンドルを持って気づく、その先は……そのまま景色だ。
このクルマのメーターの役目はダッシュボードセンターの15インチモニターが果たす。画面のハンドル側3分の1にスピードやら走行に関する情報が表示されるのだ。これまで他のラインナップのモニターが縦型だったのに対し、モデル3が横長になっているのはそういう理由だろう。そのまま縦にしておくとかなり細長いナビ画面になってしまう。
なので、このクルマのインテリアはよりシンプルに感じられる。目に入るのはドア側の開錠ボタンとウィンドウスイッチ、それとステアリング上の小さなボタンくらい。あとはすべてモニター内の階層に取りこまれている。
一見して思い切ったデザインだが、カーメーカーの多くのデザイナーはこれをしたいような気がする。というのも、〈レンジローバー〉や〈アウディ〉のデザイナーにインタビューしたとき、彼らはスイッチ類を減らすことを心掛けたというコメントを発したからだ。でもメーターはさすがになくせない。そう考えると、〈テスラ〉のこの大胆な戦略が未来のクルマの姿とも思えなくない気がする。
ココにもソソられる!
01 ガラスルーフ
開放感があって安全性も担保!
ほぼ全面をガラスで覆ったルーフを装着するモデル 3。開放感があるのは言わずもがな、リアシートの快適性も想像以上に高い。しかも高剛性ボディで、安全性もしっかり確保している。車両重量の4倍の重さにも耐えるというから恐れ入る。
02 コックピット
ちょっとした驚きがここにある!
メーター以外ではエアコンの吹き出し口がないのがインテリアの特徴ともいえる。ウッドパネル上部の隙間からエアコンの風が出てくるのだ。これは画期的なアイデアだろう。知らないとちょっとびっくり。既存のカーメーカーにはない発想だ。
03 キーカード&フォンデッキ
どこまでも進んでいます!
キーカードをセンターピラーにかざすと開錠されるドアのロック。だが、それよりもスマートフォンにアプリをダウンロードすれば、持っているだけでロック&アンロックが行える。もはやキーカードはスペアキーという存在にとどまる。
SPECIFICATIONS
テスラ モデル 3 パフォーマンス
●全長×全幅×全高:4694×1849×1443㎜
●ホイールベース:2875㎜
●パワーソース:バッテリー+デュアルモーター
●最高時速261㎞/ h
●巡航距離:530㎞
●0 - 100㎞/ h加速:3 . 4秒
●駆動方式:AWD
●車両重量:1847㎏
●定員:5名
●税込み価格:717万3000円
●テスラ ジャパン 0120 - 982 - 428
雑誌『Safari』6月号 P266・267掲載
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