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2023.05.11


爽快な走りが味わえるMシリーズ初のPHEV! 〈ビー・エム・ダブリュー〉XM

クルマ選びにおいて重要なのが“運転する楽しさ”があるかどうか。〈ビー・エム・ダブリュー〉の新モデルXMはまさにうってつけ。“Mブランド”専用設計らしい堂々たるルックス、そして走りの実力やいかに!?

爽快な走りが味わえるMシリーズ初のPHEV! 〈ビー・エム・ダブリュー〉XMクルマ好きにとって〈ビー・エム・ダブリュー〉スポーツ部門を担うMは憧れのブランドといえるだろう。M3セダン、M4クーペ、X5Mなんて名前の羅列にピクピク反応するカーガイは多いはずだ。かくいう自分もその中の1人で、かつてMロードスターというモデルを所有していた。通常モデルとはひと味違うMならではの走りは、今も身体に残っている。

そんなMブランドの新型車が今年1月に販売を開始した。その名はXM。M専用モデルとしてはなんとM1に次ぐ2台めとなる。スタンダードモデルのない彼らオリジナルの作品ということだ。昨年設立50周年を迎えたことを鑑みれば驚きは隠せない。かなり力の入ったシロモノであることは間違いない。

そんな実車を目の前にすると、大きさが強調される。全長は5mを余裕で超え、全幅も2mを超す。ホイールベースは3.1m以上ある。それに巨大なキドニーグリルと高い位置にあるボンネットが見る者を圧倒する。足元に目を落とすと、ホイールサイズはなんと23インチ。デザインも個性的である。

インテリアではデジタル化されたダッシュボードに目がいく。12.3インチのメーターパネルと14.9インチのコントロールディスプレイが一体化されているのだからすごい。しかも画面がカーブしている。

個人的に気に入ったのはリヤシートだ。レザーとアルカンターラの大型クッションが組み合わされるそこはラウンジソファ。ラグジュアリーなくつろぎのスペースが確保される。腰を下ろし「適度な沈み込みが気持ちいいなぁ」、なんて頭を上に向けるとルーフライニングの表面が立体的になっているのに気づいた。30年近くこの仕事をしているが、こんな天井見たことない。これは新しい。XMにはそんな隠れキャラがちりばめられている。

爽快な走りが味わえるMシリーズ初のPHEV! 〈ビー・エム・ダブリュー〉XM気になるパワーソースは、4.4ℓV8ツインパワーターボエンジンと電気モーターの組み合わせのプラグインハイブリッド。ユニットトータルの最高出力は653PS、最大トルクは800Nmとなる。Mらしいハイパフォーマンスな動力源だ。もちろん、EV走行も可能だ。

そしてMならではの走りを実現するために、アダプティブMサスペンション・プロフェッショナルなどを採用する。電子制御でダンパーの減衰圧をコントロールしたり、スタビライザーやパワステ、ブレーキなどを可変でスポーティに味つけしたりする。まぁ、当然といえばそうだが、Mの真骨頂がそこにあるといえよう。彼らとしては久しぶりの専用マシンだけに用意万全だ。走らせて楽しくないわけがない。そうそう、駆動方式が4WDであることをつけ加えておこう。今どきのハイパフォーマンスカーは“ヨンク”がデフォルトとなる。

といったスペックのXMだが、ユニークなのはその売り方。日本仕様では必要な装備を標準化し、ボディカラーと内装の選択を問わずに、2130万円で発売する。パワーソースも1種類だ。ハンドル位置は右、トランスミッションは8速スポーツATのみとなる。

以上のことを考えると、かなりマニアックなモデルであることは間違いない。デザインも装備も個性的である。よって買う人は限られるだろうが、何年たっても価値の高さは保証されるであろう。M1がそうであるように、数年後振り返ったときにXMはさらに光り輝く1台として存在するはずだ。

 大人が欲しくなる理由! 
妖艶さが漂うラグジュアリーな空間!


爽快な走りが味わえるMシリーズ初のPHEV! 〈ビー・エム・ダブリュー〉XMレザーやアルカンターラなどを巧みに配置するインテリア。素材、配色のこだわりは妖艶さも醸し出すほどで、想像以上のラグジュアリーな空間が演出されている。デジタル化が進んでも子供っぽさはいっさいない。操作は直接画面をタッチするほか、音声、AIによる会話システム、ジェスチャーが使える。

見かけスポーティ、でもって快適!


爽快な走りが味わえるMシリーズ初のPHEV! 〈ビー・エム・ダブリュー〉XMフルサイズのバケットシートが装着される運転席と助手席。ヘッドレスト一体型のかなりスポーティなタイプのものだ。それでいて、シートヒーターはもちろんベンチレーション機能も備えるなど快適性も忘れてはいない。しかもそれだけじゃない。左右どちらにもマッサージ機能がついているから驚きだ。

日々の実用面で嬉しいシステム!


爽快な走りが味わえるMシリーズ初のPHEV! 〈ビー・エム・ダブリュー〉XMプラグインハイブリッドシステムの充電はボディ左前フェンダーの近くにあるポートで行われる。差し込むのは200Vの普通充電で、急速充電には対応していない。もちろんEV走行が可能で、距離はおよそ90㎞走れる。よって週末の遠出を除けば日常使いのほとんどをEVモードで走ることができそう。

このデザインがアッパークラス専用!


爽快な走りが味わえるMシリーズ初のPHEV! 〈ビー・エム・ダブリュー〉XM大型“キドニーグリル”が印象的なXMのフロントマスク。クロームで縁取りされることで高級感をアピールする。上下2段のライトユニットは、上がLEDデイタイムライト、下がLEDヘッドライトの機能を持つ。7シリーズとX7も同様の意匠を持つことから〈ビー・エム・ダブリュー〉の上位クラス専用と考えられる。

SPECIFICATIONS
ビー・エム・ダブリュー XM
●全長×全幅×全高:5110×2005×1755㎜
●ホイールベース:3105㎜
●車両重量:2710㎏
●エンジン:V型8気筒DOHC
●排気量:4395㏄
●最高出力:360kW(489PS)/5400~7200rpm
●最大トルク:650Nm(66.3kgm)/1600~5000rpm
●バッテリー容量:29.5kwh
●モーター出力:145kW(197PS)/7000rpm
●モータートルク:280Nm(28.6kgm)/100-5500rpm
●駆動方式 : 4輪駆動
●トランスミッション : 電子油圧制御式8速AT
●乗車定員:5名
●価格 : 2130万円
※ヨーロッパ仕様車暫定値

 
Information

●BMWカスタマー・インタラクション・センター
REL:0120-269-437

雑誌『Safari』6月号 P266~267掲載

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