〈マセラティ〉グレカーレは、未来的で美しさも持つイタリアンSUV!
もはやブームを超えてすっかり定着したSUV。そんなSUV戦国時代に新たなモデルが登場する。〈マセラティ〉グレカーレ。走りも使い勝手も美しいイタリアンSUVの実力とはいかに?
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- 大人の愛車選び! vol.3
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SUVの種類がたくさんあるのはご承知のとおり。「SUVブームだね」、なんていわれていたのは懐かしく、すでにマイカーのデフォルトになっている。昭和代表としてはクルマの基本はセダンと言い切りたいが、時代の移り変わりとともに定説は風化しているのを認めなくてはならない。
SUVはどのメーカーもカタログに載せているし、そのラインナップは拡張の一途をたどっている。ご存知のようにあのイタリアのスーパーカーブランドはまだSUVを正式発表していないが、時間の問題である。それだけ、ファミリーカーからスーパーカーまで、あらゆるジャンルでSUVは待望されているのだ。
ということで、〈マセラティ〉から第2弾となるSUVが発表された。グレカーレである。すでに彼らにはレヴァンテというヒットSUVがあるが、それとは別のニーズに対応するモデルを旗揚げした。それを実現したのはマセラティの好調な販売実績だろう。昨年は前年比41%増となる2万5000台近くの台数を世界販売した。その意味からもSUVラインナップの拡充が新たなる加速を生み出すのは想像しやすい。
ちなみに〈マセラティ〉は2030年までにラインナップすべてを完全電動化すると明言。きっとイタリアのハイブランドとしては一番乗りだろう。高級EVの幕開けがにわかに近づいている。このグレカーレも来年には100%電気のフォルゴーレが追加される予定だ。
さて、本題のグレカーレに話を移そう。このクルマは同じグループのプラットフォームを共有する。具体的にはアルファロメオのジュリアやステルヴィオの“ジョルジオ”と呼ばれるプラットフォームだ。なんともイタリア人っぽい名前だが、かなり万能で、ボディを長くしたり、背を高くしたり、はたまた床下にバッテリーを積むことを可能にする。
〈マセラティ〉が所属する〈ステランティス〉グループは巨大だから、グループ内の技術は使いまわしできそうだ。それじゃグレカーレのポジションはというと、レヴァンテの弟分となる。が、ボディサイズは決して小さくなく、全長は4.8m以上、ホイールベースも2.9mを超える。レヴァンテが5mを超えているとはいえ、コンパクトSUVではないことはたしかだ。
ただパワーソースは明らかに弟。3つのグレードのふたつが4気筒ガソリンエンジン+モーターのマイルドハイブリッドで、トップグレードにV6エンジンが搭載される。グレード名は、GT、モデナ、トロフェオ。レヴァンテのトロフェオはV8だからそこで違いを出している。とはいえ、このV6は530馬力だから恐れ入る。〈マセラティ〉のレーススピリットは変わらない。
そんなグレカーレで目を引くのはやはりデザイン。〈マセラティ〉が誇るスーパースポーツカーのMC20をモチーフにしたフロントマスクはかなりかっこいい。シンプルながらレーシーな臨場感を見事に表現している。流れるようなルーフラインもさすがイタリアらしい。奇をてらわずに、デザインクオリティの高さを見事に伝えている。
といったのが発売前に公表された内容。そして5月に正規ディーラーで受注受付が開始された。この出来栄えは興味津々。とてもクールなデザインだからね、できれば早く実車を見て走らせてみたい。そんな気持ちにさせてくれるイタリアンSUVである。
ダッシュボードセンターにはふたつの大画面スクリーンが備わる。メータークラスターと合わせてデジタル化は進んだ。というのも今回はアナログ時計もデジタルにしたから。クラシックで雰囲気ある時計表示だけでなく、Gフォースなど様々な情報も取り出すことができる。使い勝手だけじゃないのがグッド。
最高品質のレザーと手縫いのステッチが施されたシート。リアシートのヘッドレストにまで〈マセラティ〉のロゴがエンボス加工される手の込んだ仕上がりだ。ロングホイールベースのためリアシートに座っても足元が広く感じることだろう。フロントシートにはヒーターとベンチレーション機能は装備される。
サンルーフはルーフを広く使った開放感のある仕上がり。フロントはもちろんリアシート頭上にまで達している。また、ガラスには色が入っていて直接的な太陽の光を遮光する。と同時に、スイッチによる電動開閉ができるとともにベンチレーション機構も備える。今どきの車内換気にも大きく役に立ちそうだ。
スタイリッシュなフォルムながらカーゴスペースはそれなりに広そうだ。上部にヒンジのある跳ね上げ式テールゲートは大きく、荷物の出し入れは楽そう。それにタイヤハウスなどの出っ張りも少ないのはグッド。リアシートはご覧のような3分割タイプ。すべて倒せばかなりのスペースが使えそうだ。
SPECIFICATIONS
マセラティ グレカーレ(トロフェオ)
●全長×全幅×全高:4859×1979×1659㎜
●ホイールベース:2901㎜
●車両重量:2027kg
●最高出力:390kW(530PS)/6500rpm
●最大トルク:620Nm(63.2kgm)/3000-5500rpm
●エンジン:V型6気筒DOHCツインターボ
●総排気量:3000㏄
●駆動方式:4輪駆動
●トランスミッション:8速AT
●乗車定員:5名
●価格:1395万円~
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●マセラティ コールセンター
TEL:0120-965-120
雑誌『Safari』10月号 P160~161掲載
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