カヌー選手 羽根田卓也
無駄のないスタイルが時計もカヌーも大事!
自分の人生、情熱をすべてカヌー・スラロームにかける――少年時代に誓い、その信念を貫き続けている羽根田卓也。 アジア人選手初の銅メダル獲得という快挙を達成したリオから4年。東京2020に挑むその腕には、〈シャネル〉のJ12が光る。マドモアゼル シャネルが貫いた信念の人生に、インスパイアされながら。
シャツ7万4000円、T シャツ4万4000円(以上 エルメネジルド ゼニア/ゼニア カスタマー サービス)、〝ココ クラッシュ〞リング WG 36 万4000円、ブレスレットBG 75万7000円(以 上シャネル/シャネル カスタマーケア)
東京2020、カヌー・スラロームの日本代表選手として出場することが決まっている羽根田卓也。自身にとって4度めのオリンピックとなる。 「自国開催のオリンピックというのは誰でも巡り合えるというものではないので、そこに挑戦できるのはとても貴重なことです。そもそもオリンピック自体、出られて当たり前のものではないですし。本当に幸せで、選手冥利に尽きます」
現在は東京を拠点に、トレーニングに励む毎日を送っている。「葛西のカヌー・スラロームセンターが完成して、日本でもやっと定期的に練習できるようになりました。最初に葛西で漕いだときは、夢を見ているような気持 ちになりました。漕いでいると遠くに都 内のビルが見えるのですが、それは〝とうとう日本に人工コースができたんだ!〞とまざまざと実感させてくれる光景。感無量でした」
カヌー選手だった父親の指導のもと、本格的に練習に取り組むようになったのは小学3年のとき。指導は厳しく、つらいことも多かったが、その楽しさに開眼してからはどんどんのめりこんでいった。
今まで一番嬉しかった〝時〞
リオ五輪でアジア選手初の銅メダルを獲得!
「今まで一番となると、リオ五輪で銅メダルを獲得した〝時〞です。もちろんそれ自体とても嬉しかったけれど、自分が銅メ ダルをとったことで、日本の多くの方にこの競技を知っていただけたことがなにより嬉しいと思います。自分自身もカヌー 選手として広く認知していただけるようになり、こうして露出の機会も増え、それらが繫がって応援しにいらしてくださるお客様が増えました」
(本文続き)高校卒業後は、人工コースで練習できる環境を求めてスロバキアへ。その才能 はどんどん開花し、2008年には北京五輪出場を果たした。その後もロンドン、リオとオリンピック連続出場を続ける。そしてリオでは、アジア人選手として初となる銅メダルに輝いた。それをきっかけに、カヌー・スラロームという競技の日本における認知度は格段に上がった。
「自分だけでなく、先輩たちも日本に人工コースがない中、強くなりたい、競技を広めたいという一心で、アルバイトをしたり、いろいろな方たちのお力をお借りしながらお金を作って、ヨーロッパでなんとか練習を続けてきました。それだけに、リオでの銅メダルがきっかけと なって、日本のみなさんにも、この競技を広く認知していただけたことは本当に大きかったし、やっとひとつの転換点を迎えることができたと感じています」
[シャネル]
CHANEL
J12
ケース径38mm、自動巻き、 高耐性セラミック× SS ケース、高耐性セラミックブレス。 64万円(シャネル/シャネル カスタマーケア)
「なにひとつ変わることなく
新しく生まれ変わった」名品
2019年、はじめての大リニューアルを敢行した不朽のアイコンウォッチ。70%以上のディテールを変更しながら、 一見、なにも変わっていないように見せる、〈シャネル〉の美学が光る。新ムーブメントは約70時間のパワーリザーブを誇り実用性も進化させた。
ここがお気に入り!
「マドモアゼル シャネル の信念が息づく、余計なものをそぎ落とした機能美。これに尽きます。エレガントなのに高耐性セラミックの、傷つきにくいタフさも魅力です」
(本文続き)リオの活躍で一躍脚光を浴びた羽根田選手。そして2019年には〈シャネル〉のアンバサダーに就任。日に焼けた腕に、白いJが確かによく似合う。
「カヌーって選手によってそれぞれ漕ぎ方があるのですが、自分が好きな選手、強い選手というのは漕ぎに無駄がないんですよね。派手にバシャバシャ漕いで強い選手もいるけれど、多くの人から尊敬される選手というのは、余計な動作をそぎ落とした、まるで鋭い日本刀のような 動きをするんです。その美しさは、マドモアゼル シャネルの生き方や信念が息づくこの時計と共通しているなって、日々腕につけるたびに感じています」
日本カヌー界の絶対エース
そして東京2020へ!
カヌー選手 羽根田卓也
1987年、愛知県生まれ。カヌー選手だった父 親の影響で9歳からスラローム競技をはじめる。高校卒業後、カヌー競技が盛んなスロバ キアへ留学。北京五輪14位、ロンドン五輪7位と五輪出場ごとに順位を上げ、リオ五輪で は銅メダルを獲得し大きな注目を集めた。
雑誌『Safari』5月号 P280〜P281掲載
photo : Toshiyuki Imae styling : Hidenori Asai text : Kayo Okamura