世界自然遺産のドロミテの景色を望むプローゼ山中に佇む〈フォレスティス〉!
太古の昔、海底に眠っていたサンゴ礁が隆起して山となり、氷河によって削られたのが、世界自然遺産の山群ドロミテ。海の記憶を閉じ込めた、鉱物ドロマイトの山塊は灰白色の神秘的な光を放つ。そんなドロミテと対峙するように佇むのが、オーストリアとの国境近くの、プローゼ山中に佇む〈フォレスティス〉。2ミシュランキーに選ばれた、リトリートホテルだ。
- SERIES:
- 眺めのよいホテル! vol.31
標高1800m、南チロルアルプスのプローゼ山の南斜面。ここはケルトの人々が自然と繋がりながら暮らしていた土地。20世紀初頭にオーストリアの王家が当時ヨーロッパで話題の“クライメート・スパ(気候療法)”施設の建設をこの特別な地に計画。著名な建築家によって建てられたものの、戦争によって頓挫し、忘れ去られてしまう。
2000年になって、ホテリエのアイロス・ヒンターエガーが散歩中に生い茂った藪の中からこの建物を発見。一家で購入し、ホテルとして開業。そして2020年、彼の息子とパートナーが新たなコンセプトを立て、再オープンを果たした。
大切にしたのは、4つの要素。プローゼ山の清らかな湧き水、新鮮な山の空気、晴天日の多さ、そしてアドリア海の暖流と寒気団が出合う穏やかな気候。これらの要素を軸としたデザイン、体験を生かしたリトリートを展開している。
ホテルは1912年に建造された旧館と3つの新タワー、そしてヴィラからなる。おすすめは南斜面に向いたペントハウスや旧館のスイート。ドロミテとダイレクトに向き合える特等席だ。グループならば、プール付きヴィラもいい。
スパでは4種の木と4種の岩、木の放つ周波数をベースに、その人に合ったセラピーをカスタムメイドで行う。森の生命力と海の記憶に癒され、絶景に心満たされる滞在が叶えられそうだ。
ルーフトップから望む、ギザギザと切り立ったドロミテ。眺めもさることながら、純度の高い水、清冽な山の空気、たっぷりの陽射し、そして穏やかな気候がこのホテルの恩恵。
スパには温水プール、南チロルの伝統的なウッドハウスのサウナ5棟、お茶のコレクションを楽しめるティールームを併設。施術と併せて、ケルトの人々に由来するワイダヨガも体験したい。
床から天井までの大きな窓から山塊を望むタワースイート。トウヒ材の窓枠が額縁のよう。
レストランでは階段状にテーブルを配置。遮るもののない眺めとプライバシーを確保する。特にサンセットタイムのドロミテは圧巻。メニューは地元生産者から調達した食材をクリエイティブな一皿に。
最寄りの国際空港はインスブルック。ウィーンやミュンヘンから乗り継ぐ。インスブルック空港からはクルマで約2時間。ミラノからはクルマで約4時間。
旅に関するオススメの連載はコチラ!
◆海リゾートが呼んでいる!
◆映画を巡る旅に出よう!
◆【まとめ】遊んで、食べて、泊まって、笑顔になって! 大人が悦ぶラグジュアリーな“会員制”!
●フォレスティス[Forestis]
Palmschoß 22, 39042 Brixen, Dolomites, Italy
TEL:+39-0472-521-008
料金:スイートUS$830~、ヴィラUS$2万~など
URL:https://www.forestis.it/en
雑誌『Safari』3月号 P176〜177掲載
“眺めのよいホテル!”の記事をもっと読みたい人はコチラ!
●雑誌・WEB『Safari』の公式TikTokは
こちらからアクセスしてみて!
text : Chieko Koseki