〈ザ・キタノホテル東京〉に誕生した〈オランジュリー 光庵〉は、ビストロのような気軽さで身体に優しいフランス料理を提供!
ニューヨーク初の日本人オーナーとして知られる〈ザ・キタノホテルニューヨーク〉。東京のフラッグシップホテルである〈ザ・キタノホテル東京〉に、2024年7月17日〈オランジュリー(LʼOrangerie) 光庵〉がオープンした。
総料理長を務める加茂健さん。スイスやカンボジアで21年もの海外経験を積み、フランス農事功労章シュヴァリエも叙勲。正統かつイノベーティヴ、日本のテロワールを生かした身体に優しいフランス料理を創出している。加えて、32年間にわたってミシュランガイド2つ星に輝くフランスの歴史的名店〈ラ・ピラミッド〉オーナーシェフのパトリック・アンリルー氏をアドバイザーに迎えた。
ディナーコースは5品のフルコース
ランチコースやアラカルトもいいけれど、加茂さんの料理を堪能したいのであれば、ディナーコース(1万5000円)が断然おすすめ。5品のフルコースになっていて、前菜から魚料理や肉料理、デザートまでを味わえる。
ディナーコースより、“カボチャのカプチーノ リエット オニオンのタルトレット”
アミューズは、3品構成の“カボチャのカプチーノ リエット オニオンのタルトレット”。石川県能登のカボチャ“恋するマロン”を用いたスープの上には、香味のあるミルクに浸した胡椒の泡。タマネギと生クリームのパンナコッタのタルトは、たっぷりのキャビアがよい塩梅となっている。リエットのシューは、タマネギの甘味がよいメリハリ。
ディナーコースより、“マッシュルームのパンナコッタ パトリック アンリルー”
“マッシュルームのパンナコッタ パトリック アンリルー”は、マッシュルームの旨味がギュッと凝縮されている。ピーテンドリル、ペンタス、ヘーゼルナッツと様々な風味が折り重なる。
カンボジア国王に喜ばれたという逸品が“フォアグラのラヴィオリとライムを添えたコンソメ シアヌーク国王好み”。清澄な香りをまとった黒毛和牛のダブルコンソメに、口溶けのいいフォアグラを包んだラビオリを加えた。さっくりと揚げられた海老芋に、ライムを合わせて爽やかな後口に。
“北海道鮭のアンクルート”は、北海道鮭の滋味を湛えたパイ包み。脂がのった鮭の周りには魚のムースを巻いて、味の厚みが増している。パイは薄くてサクサクっとして軽快なテクスチャーで、酸味のあるオゼイユを合わせたクリームソースとの相性は抜群。
ディナーコースより、“岩本牛(岡山県産)炭火焼き ボルドレーズとビーツのソース 兼六芋と妻有ポークのミルフィーユ”
メインディッシュは“岩本牛(岡山県産)炭火焼き ボルドレーズとビーツのソース 兼六芋と妻有ポークのミルフィーユ”。“いわもと黒毛和牛”は、年に100頭だけ出荷されている希少な岡山県の黒毛和牛で、脂の旨味と繊細な味わいが特長。ミディアムレアに仕上げられていて、ジューシーかつやわらかな口当たり。赤ワインとビーツのソース、口溶け感のある兼六芋と妻有(つまり)ポークのミルフィーユ、甘いイチジクのコンポートが、肉の味わいを引き立てる。
ディナーコースより、“瀬戸内塩レモンのリゾット”
“瀬戸内塩レモンのリゾット”は、加茂さんのスペシャリテ。3カ月以上塩漬けしてまろやかにしたレモンを用いたリゾットで、米の甘味とレモンの爽快な酸がちょうどいいバランスになっている。
デザートはアーティスティックな装いの“シャインマスカットのラビオリ シャンパンソルベ”。シャインマスカットの甘美な味わいが、“ホワイトバルサミコ酢”のジュレの華やかさとマッチする。なめらかなクリームとシャンパーニュのソルベが味わいに奥行きを与える。
ペアリングは、アルコールペアリング(3グラス 6000円、4グラス 7500円)に加えて、ノンアルコールペアリング(3グラス 4500円、4グラス 6000円)も用意されている。ソムリエの藤田憲昭さんに相談して、自分にぴったりなものをチョイスしてみて。
“ジャン・セバスチャン フルーリー ブラン・ド・ノワール ブリュット”は、ピノ・ノワール100%の骨格がしっかりとしたシャンパーニュ。はつらつとした酸が、料理の油脂をさらりと流す。野菜と魚介類に寄り添うのが、エレガントでミネラル感のある“サン・ペレイ ブラン レ タヌール 2021”。フランス、コート・デュ・ローヌ地方の白ワインで、緑がかった黄色も美しい。“クロ・カルムレ ルージュ 2019”は肉料理に合わせたい赤ワイン。カシスのような黒い果実の香りが、和牛香の主張をたおやかに包容してくれる。タンニンがしっかりとしていながらも、さらりとして喉越しがいい。
暖かな陽だまりのような空間
店内は15卓が余裕をもって配されていて、ゆったりと過ごせる。フローリングと木製テーブルで、リラックスして心地よく食事を楽しめる雰囲気。個室は6人まで利用できるから、プライベート感を大切にしたいのなら、こちらがいい。
〈オランジュリー 光庵〉は、コースはもちろんアラカルトも堪能できて、ガストロノミーのように質の高い料理を提供しながらも、ビストロのような気軽さをもつ“ビストロノミー”を標榜している。都内でもアクセスのよい平河町にあり、いろいろな場面に利用できるから、是非とも覚えておいて!
●〈ザ・キタノホテル東京〉オランジュリー(LʼOrangerie) 光庵
住所:東京都千代田区平河町2-16-15 ザ・キタノホテル東京 2F
営業時間:朝⾷ 7:00~10:00(9:30LO)(宿泊ゲストのみ)、ランチ 12:00~15:00(13:30LO)、ディナー 18:00~22:00(21:00LO)
定休日:日・月曜、火曜ディナー
TEL:03-6261-1351(レストラン)
URL:https://www.kitanohotel.co.jp/tokyo/dining/
※サービス料込み
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1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口でわかりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。