セーシェルの最北に位置するエコリゾート〈バード・アイランド、セーシェル〉!
古代に存在したとされるゴンドワナ大陸。一説によると、この超大陸が分裂した際、欠片のようにこぼれ落ちたのが、セーシェルの島々。それは箱舟のように大海をさすらい、独自の進化をたどった生物の楽園。そんなセーシェルの最北に位置する〈バード・アイランド、セーシェル〉は、エコリゾートという言葉が生まれる前から環境保護を行っていた、いわばベンチャーリゾートだ。
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- 眺めのよいホテル! vol.13
その滞在は、マヘ島から小型飛行機で到着し、懐中電灯をわたされることからスタートする。リゾート内に外灯はなく、これは夜歩きするための必須ギア。夜には室内から明かりがもれないようにカーテンを閉めるなど、滞在中の注意点も告げられる。そう、とことん“動物ファースト”のリゾートなのだ。この島だけで20種以上を数える鳥も、守られているのを知っているのか、人を恐れることなくヴィラの窓辺にまでやってくる。
7棟のヴィラはテレビを置かず、エアコン不要の風とおしのいいデザイン。そして、寝室のシャレーとは別に建てられたプライベートなキッチン&バーラウンジは、半オープンエアのくつろぎの場。文字どおり調理器具を完備したキッチンであり、バーであり、ラウンジ。リゾート内の店で食材や軽食を仕入れ、自宅のようにリラックスした滞在ができる。ちなみにレストランの営業はディナーのみだ。110ヘクタールの島に、施設はレストランや環境保護活動を紹介するコンサベーションセンター、ワークスペースなど最小限。敷地内では世界最大のリクガメのエスメラルダが散歩をし、5㎞続くビーチの上空には鳥たちが行き交う。
名物のセグロアジサシの営巣は4~10月、タイマイの子ガメを見るなら1~3月など、島は自然のサイクルで動いている。時期を狙って訪れて、動物ドキュメンタリーのような光景を目撃したい。
赤道まで手が届きそうな、南緯3度の南半球の島。1770年、沖を通過した船のキャプテンは「島が無数の鳥で覆われている」とレポート。それから時が経ち、1967年に現オーナーが島を取得したときには、鳥は“無数”とはほど遠い状態に。そこから、このリゾートの保護活動がはじまった。
7棟のプライベートアイランドヴィラは、ベッドルームと別建てのキッチン&バーラウンジがセットで1ユニット。ベッドルームは2~3寝室があり、ファミリーやグループでも滞在できる。ヴィラは白砂が絶品のウエストビーチの近くに位置。
ゲスト同士の交流の場になっているシッティングエリア。
4~10月は何百万ものセグロアジサシが営巣する。5月中旬から巣作りがはじまり、6月に産卵。7~8月の夕方、親鳥がヒナに餌をあげる光景が見られる。
国際空港のあるマヘ島から小型機で約30分。毎週月・金曜の午後に折り返し運航。往復料金は1人€350。預ける手荷物の重さは15kgまで。
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●バード・アイランド、セーシェル[Bird Island, Seychelles]
住所:Bird Island, P.O. Box 1419, Victoria, Mahe, Seychelles
TEL:+248-422-49-25
料金:2ベッドルームヴィラ€465(2名、夕食込み)、€588(3名)、€667(4名)
URL:https://www.birdislandseychelles.com/
雑誌『Safari』6月号 P250~251掲載
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text : Chieko Koseki