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2020.09.14


「ボードとウエット、 それだけで満足だよ」

100%サーファーの手で作られたカリフォルニアのウエットスーツブランド、〈ジョーンシー〉。デザインのよさと機能性の高さはもちろん、地球に優しいサスティナブルなコンセプトでもリアルサーファーを魅了。近頃ますます勢いを増すこのブランドのファウンダー兼デザイナー、シェーンとはいったいどんな人物なのか?

●今月のサーファ
シェーン・ジョーンズ[SHANE JONES]

生粋の“OCサーフデュード”


名作『エンドレス・サマー』の主役の1人、ロバート・オーガストが育った場所としても有名なビーチタウン、シールビーチ。その南隣に位置しサーフィンの聖地として世界的に有名なハンティントンビーチ。このオレンジ・カウンティに属する2つの街で育ったのが、今回取材をしたシェーン・ジョーンズだ。彼が波乗りをはじめたのは5歳のとき。

「最初に乗ったのは〈ミジェット・スミス〉のツインフィン。波に乗る爽快さを肌で感じたあの日から時間の許す限り海に浸かる生活がはじまったのさ」

その後成長とともにサーフィンもスケートボードもロングを好むようになったシェーン。その理由の1つが、バランス力が自然と鍛えられること。そのバランスはエレガントなシークエンスを描くためのカギで、さらにスピードとの相乗効果でゾーンに入るのだとか。その瞬間、アドレナリンを思いきり感じるのだという。

「今ではスタイルの一部になったクロスステップだけど、10代の頃は習得したい気持ちでいっぱい。四六時中ステップを踏んでいたよ。できる限りフローに長い間乗っていられるようにセルフトレーニングで鍛えたりね」

そんなストイックな高校生の背中を押したのがシェーンの父。彼はハンティントンビーチ周辺で開催されるサーフイベント“PLA”のスポンサーだったため、10代の頃から積極的にイベント参加の機会を得ることができたのだ。そこでベストライディングや、ノーズライダーとして讃えられ、多くの賞も手にしたシェーン。シングルフィンのロングボードをスタイリッシュに乗りこなす姿は、地元でも評判だった。そんな彼の手本は、ミッキー・ムニョス、ジョン・ペック、ジェリー・ロペス、それにテリー・フィッツジェラルドというエッジの効いた独自スタイルを貫いたレジェンドばかり。シェーン自身の個性的なスタイルも、うなずけるラインナップだ。

そんな、マニアな高校生は、ある日ハンティントンビーチのサーフ&スキューバーダイビング専門店でセールスとして働きはじめる。しかし、これをきっかけに、ウエットスーツ作りの道へと進むことになるとは、予想もしていなかったそう。

天職との出会いは突然に


店で働きはじめたシェーンは、サーフボードのレンタルからスキューバのギアの管理なども任されていた。しかし、ウエットスーツテイラーが突然辞めたことをきっかけに、シェーンの仕事はまたひとつ増えてしまう。

「穴埋めとしてウエット作りまで僕がやるハメになったんだ。もちろん未経験で、ミシンなんて使ったこともなかったのに……」

翌日からテイラーとしてミシンの前で格闘することになったシェーン。当時はステッチのやり方すら知らなかったし、YouTubeのようなコンテンツも今ほど充実しておらず、裁断からのり付け、シルクスクリーン、グラフィックパターンなどほとんど独学で身につけたのだとか。

「10以上あるステップの中でも縫製は一番難しいパート。最初はミシンを使うたびに壊しては修理屋を呼んで修理代を払っていたよ。そのうちにタダで直してもらうようになってね(笑)」

そこから約8年間、テイラーとして腕を磨いたシェーンは2013年に独立、自身のブランド〈ジョーンシー〉をスタート。その評判は口コミで広がり、南カリフォルニアの人気ポイントには彼のウエットに身に包んだお洒落なサーファーが急増。やがてハンティントンビーチの老舗サーフショップ〈ケイティン〉〈ハンセン〉などでも彼のブランドが扱われるように。クラフツマンシップ100%のカスタムスーツは、リサイクルプラスチックでできたファブリックを使用し、サスティナブルブランドとしても高い評価を得ている。

そんな快適で洗練されたお洒落なウエットはNYファッションの重鎮も魅了。2016年、デザイナーのトム・ブラウンから直々のオファーがきたのだ。その翌年にはパリで発表するコレクション用に30着以上ものウエットスーツを制作。そこで成功をおさめたショーンはファッション界でも大きな話題となった。

「トム・ブラウンと一緒に仕事をするチャンスがあったのは本当に光栄だよ。彼は素晴らしいデザイナーの1人。相手の才能を引き出す力に長けているアーティストなんだ」

1日15時間は“オン”状態


シェーンの朝は早く、前晩どんなに遅くとも朝5時には起床する。コーヒーを飲みながら、メールやSNSに目を通し、そのあとようやく朝の波チェック。波があれば海に入って昼前から仕事にかかる。午後8~9時頃には業務終了。アトリエの近所で働く職人たちと軽くビールを飲んで帰宅するというのが1日のルーティーンだ。休みは日曜日のみ。でも、オフの日も自身のブランドの新規ライダーを探し求めて、ビーチでサーフ&ウォッチを行っているそう。

「たしかに忙しい毎日が続くけれど、義務感からではなく、すべて自分で納得してやれるし、コントロールがきくからとても満足してるんだ。受注から発送、経理などの事務的な作業まで全部1人でやっているから、なかなか休みが取れないのは当然だよね(笑)」

現在はアメリカやブラジルで活躍するサーフガール13人をブランドのチームライダーとして育成&スポンサード中。彼がデザインしたウエットスーツを着てもらうだけでなく、デザインや機能などの細かい相談やフィードバックをもらい、日々改良に繋げている。ブランドをスタートして約7年もの間、ほとんど休みを取らずひたすら走り続けてきたシェーン。

「最近はビーチでいろんな人に声をかけられることが多いんだ。“俺にもウエットスーツ作ってくれよ!”ってね。クルマで昼寝していても起こされるから隠れて休んでいるんだ(笑)」

そんな幸せな笑みを浮かべる彼の次なるプロジェクトは、プリントにこだわったファブリックの展開。よりお洒落にパワーアップしたウエットスーツが期待できそうだ。

●ホームポイントはココ!
ブラッキーズ[BLACKIES]
ニューポートビーチピアの北側に位置。基本的にビーチブレイクだが、スウェルが入ればオーバーヘッドにも。アレックス・ノストはじめアーティストやミュージシャンサーファーが多く出現するお洒落なスポットとして人気。 

 
こちらがパリで行われた〈トム ブラウン〉のコレクションのため制作されたベスト

見事なノーズライドはシェーンのスタイルのひとつ。ミッドセンチュリーを彷彿とさせる柄を施したタッパーはもちろん自作

カスタマーのパターンはハンガーに吊るしてオーガナイズ。整理整頓はクラフツマンの掟

遊び心旺盛なシェーンは様々なコスチュームウエットを着用してパフォーマンスすることも

ワークスペース兼ショールームから海に行くときは、渋滞を避けてエレクトリックバイクで移動するのが便利。この手のバイクはニューポートビーチで流行中

ニューポートビーチにある彼のお洒落なショールームは要予約制 

 

Information

雑誌『Safari』10月号 P186~187掲載

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写真=宮﨑良将  文=高橋百々
photo : Yoshimasa Miyazak(i Seven Bros. Pictures)  text : Momo Takahash(i Volition & Hope)

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