Safari Online

SEARCH

LIFESTYLE ライフスタイル

2019.11.18


ロングビーチの多彩すぎるサーフアーティスト

自身が育ったロングビーチでストリートカルチャーの影響を受け、ノース・オレンジカウンティでサーフィンを学んだアーティストのスティーブ・ファーレイ。海でチャージしたエネルギーをスケートボード、サーフィン、アートなど自身の趣味をベースにしたプロジェクトに注いでいる。趣味をビジネスにしてしまった、情熱あふれるフリーサーファーだ。

●今月のサーファー
スティーブ・ファーレイ[STEVE FAWLEY]

地元は“波なし”ビーチタウン


南カリフォルニアの中でもストリートとビーチのカルチャーが混ざり合った独特な雰囲気を持つ大規模なビーチタウン、ロングビーチ。多くのサーファーが住み、サーフカルチャーも強く根づいている。でも、実は埋め立てにより、長らくこのエリアのビーチには波が立たない。この土地で育ったスティーブも、5歳のときに最初にはじめたのは陸でできるスケートボードとブギーボード。けれど、“横ノリ”スポーツの面白さにのめりこみ、いつしか海でサーフィンしてみたいという憧れが大きくなっていったという。

「念願のサーフィンをはじめたのは10歳の頃。サーフボードの上に立ってスライドしていく感動は今でも忘れないよ。近所の幼馴染みや兄の友人たちと一緒に海に入っていくたびにどんどんハマっていったんだ」

その頃からサーフィン雑誌を片っ端から買いあさり、当時のアイコンだった(今ではレジェンドの)サーファーたちや’80 sの派手なショートボード、さらにもっとそれ以前のクラシックボードなどにも魅了されていった。

「当時のサーフヒーローはジェリー・ロペス。それからトム・カレンやデーン・レイノルズも僕の中では最高のサーファーだね」

前述したとおり、スティーブが育ったロングビーチは波が立たないため、当時は隣町のシールビーチやハンティントンビーチの北側のサーフサイドでサーフィンのスキルを磨いたという。後に彼の兄がクルマの免許を取得してからは、トラッセルズ、マリブ、ニューポートビーチまで通い、日が暮れるまで海に入っていたそうだ。気がつけば、波の状況やスポットによってショートからロングまで乗りこなせるようになっていたスティーブ。もちろん、その一方で地元のロングビーチではスケボーに乗る生活を続けていた。そんなわけだから、高校を卒業する頃にはサーフィンやスケートボードカルチャーは自然と彼のライフスタイルの中に定着していた。それに、ティーンエイジャーだった彼は、これらのエクストリームスポーツに関わる広告デザインやアートにも夢中だった。いつか自分もこの業界で活躍したい、と真剣に考えはじめるのにそう時間はかからなかった。


転換点はノースショア


アートの世界へ進むと決め、カレッジでグラフィックデザインを学びはじめたスティーブ。同時にハンティントンビーチにあった大型サーフショップでアルバイトも開始。徐々にサーフ業界とのコネクションを作っていた。

「友人の多くは影響力のあるサーフブランドで働いていたせいかサンプルをもらったり、業界へのアクセスも簡単にできるようになったんだ。当時のハンティントンはパーティも多く、いろんな人たちに出会うチャンスがあったよ」

カレッジ卒業後はハンティントンにあったスケートクロージングブランド〈スプリット〉のアパレルデザイナーとして経験を積む。それと同時期に、彼は兄とロングスケートボードブランド〈フリーライド・スケートボーズ〉を設立。ブランドは順調に拡大していき、やがて自身のブランドのみにフルタイムで集中。約5年間ブランドを育てた後に会社ごと売却した。

しばらく休暇を取るために、彼はハワイのノースショアに拠点を移す。そして、この地で彼はアーティスト活動を開始することに。「実はそれまでの間に猛烈に働きすぎたせいか燃え尽きてしまって、今までいた業界から少し距離をおきたかったんだ。ノースショアでは主にペインティングとサーフィンに集中できて、とても有意義な時間を過ごせたよ」

しばらくのオフでリフレッシュした彼は、カリフォルニアに戻り、〈クイックシルバー〉のアートディレクターとして働くことに。店舗のウィンドウ、ポップやイベントのディスプレイデザインをまかされる。同時に自身のアーティスト活動にも注力。南カリフォルニアだけでなく、サンフランシスコや ニューヨーク、さらにはパリ、そして、日本やバリなどアジアまで幅広く活動の場を拡大していった。最近ではキャリアの集大成としてサーフィンにまつわる子供用の絵本を制作。現在は各地の小学校でその本の読み聞かせを行っている。もともとエネルギッシュなスティーブだが、ノースショアでの休暇は彼により多くの情熱とインスピレーションを与えたのかもしれない。



意外や意外、新たなキャリア⁉

とにかくエネルギーにあふれるスティーブの朝は早く、とてもヘルシー。起床後にネットで波チェックをした後、愛犬を散歩。そしてメディテーションを行うところから1日がスタートする。現在は地元・ロングビーチに暮らし、フリーランスのデザイナー、アーティストとして活動しているためスケジュールはとてもフレキシブルだという。波があるときは海に入り、なければ自身のプロジェクトに打ちこむ。最近は、巨大なミューラル(壁画)をペイント中なので、毎日のように現場に向かっている。夜はよさそうなパーティがあればフィアンセのクリステンや友人たちと出向き、一緒にダンスを楽しむ……というなんともリラックスしたライフスタイルだ。そんな彼の家を見渡すと、モノが少なくオーガナイズされている。実は、数カ月前に一緒に暮らすクリステンと家の中の断捨離を行ったのだとか。とても“禅”な暮らしを徹底しているので、その理由を尋ねてみると、

「無駄なものを捨てたら頭の中がとてもスッキリして、サーフィンやアートへより集中できるようになったよ。新しいアイデアも次々生まれて、よりクリエイティブになったんだ」

気合十分に語るスティーブだが、実は数年前からなんとアスリート向けの整体師として新たなキャリアをスタートさせている。とはいえこれも自身のサーフィン経験がベースとなっているという。意外な方向へ進化していく彼のキャリアだが、どの段階でもアイデンティティであるサーフィンが軸なのは変わらない。いろんな夢を抱きつつ、“明日いい波に乗りたい”という思いが彼を前進させているのは、ティーンエイジャーの頃から変わらないようだ。

ホームポイントはココ!
サーフサイド[SURFSIDE]
ハンティントンビーチの老舗トランクスブランド〈ケイティン〉前に位置するスポット。ビーチブレイクで春以外は波が立ち、ショート~ロングまで楽しめる。中級、上級者向けだが波が小さければ混雑しないので初級者も入れる


数えきれないほどあったサーフボードコレクションだが、断捨離により20本ほどを厳選。なかでもドナルド・タカヤマのボードは宝物


去年マリブ周辺で起きた山火事の癒しを願って大判のキャンバスにペインティング中


アトリエのひとつ。ここは事務的作業をするオフィスとして主に使用


趣味のレコードはパンクやオールドスクールのヒップホップがメイン。イベントでたまにDJも行うとか


お気に入りの“タカヤマ”ボードを手に海へ。愛犬のバディも常に一緒。先日はサンオノフレでメロウな波を楽しんだそう


約3年前から一緒に暮らしているフィアンセのクリステンとは、サステイナブルな暮らしを満喫中


 
Information

雑誌『Safari』12月号 P292・293掲載

“波乗り一代記の記事をもっと読みたい人はコチラ!

写真=桝田はやと 文=高橋百々
photo : Hayato Masuda text : Momo Takahashi(Volition & Hope) photo by amanaimages
Urban Safari CLOSE-UP BRAND フレデリック・コンスタントエレガントな時間を、手元に宿す。
SPONSORED
2025.11.28

Urban Safari CLOSE-UP BRAND フレデリック・コンスタント
エレガントな時間を、手元に宿す。

創業地“小矢部”の名を冠した〈ゴールドウイン〉のプレミアムな1着!大人のスキーウエアは上質感と快適さで選ぶ!
SPONSORED
2025.12.01

創業地“小矢部”の名を冠した〈ゴールドウイン〉のプレミアムな1着!
大人のスキーウエアは上質感と快適さで選ぶ!

1950年にはじまった〈ゴールドウイン〉のヒストリー。その新作スキーウエアコレクションの名前は、創業地にちなんだ“オヤベ”だ。歴史の深みを感じさせ、エイジレスなスタンダードデザインでありながら、機能は最新鋭。素材はもちろん、ひとつひとつの…

TAGS:   Fashion
初登場HYDEが〈ハリー・ウィンストン〉をまとう!カリスマに似合うのはいつも最高峰の輝き!
SPONSORED
2025.11.25

初登場HYDEが〈ハリー・ウィンストン〉をまとう!
カリスマに似合うのはいつも最高峰の輝き!

一流は一流を引き寄せるとは、よくいわれること。ロックアーティストHYDEがまとったのは“キング・オブ・ダイヤモンド”として名高い、世界最高峰のジュエリー&ウォッチブランド〈ハリー・ウィンストン〉。常に最高を求め続ける両者が出会うと、どんな…

TAGS:   Fashion Watches
〈タトラス〉で見つけたここぞの1着!さりげに違い出しできる大人の冬アウター
SPONSORED
2025.11.25

〈タトラス〉で見つけたここぞの1着!
さりげに違い出しできる大人の冬アウター

冬カジュアルの主役であるアウターは、さりげなく違いが出せる1着を選びたい。そこで注目すべきなのが、大人のための上質な冬アウターに定評のある〈タトラス〉。定番ベースのシンプルなデザインを基本としつつ、街ゆく人をハッとさせるさりげない“違い”…

TAGS:   Fashion
〈サンローラン〉なら小さくても格上感あり!大人の革小物はさりげなロゴ使いで!
SPONSORED
2025.11.25

〈サンローラン〉なら小さくても格上感あり!
大人の革小物はさりげなロゴ使いで!

普段、バッグや靴ほど目立たないが、意外とセンスを問われるのが財布などの革小物。大人ならシンプルながらも品があって、さりげない上質感のあるものが狙いめだ。となれば〈サンローラン〉の革小物を。小ぶりなアイコンロゴがピリッと効いた財布やカードケ…

TAGS:   Fashion
俳優・桜田 通が〈ベル&ロス〉の希少な限定モデルをつけこなす!“赤き情熱”と“煌めく緑”の衝撃!
SPONSORED
2025.11.25

俳優・桜田 通が〈ベル&ロス〉の希少な限定モデルをつけこなす!
“赤き情熱”と“煌めく緑”の衝撃!

航空計器から着想を得た革新的なデザインが人気の〈ベル&ロス〉から、2本の限定モデルが登場した。情熱的な輝きを放つダイヤルの赤と闇夜にクールに浮かび上がる蓄光の緑。異なる魅力を宿す2本のパワーウォッチがファッションシーンでも注目を集める俳優…

TAGS:   Fashion Watches
大人にこそ持ってほしい〈フルラ〉の新作!冬カジュアルに効く品格バッグ!
SPONSORED
2025.11.25

大人にこそ持ってほしい〈フルラ〉の新作!
冬カジュアルに効く品格バッグ!

大人の冬カジュアルに欠かせない名脇役がバッグ。どんな着こなしにも似合う上質なバッグがあれば、気分よく外出できるというもの。そこでおすすめしたいのが、〈フルラ〉の新作として登場した“アーバン バックパック”。コートなら背負って、短丈ブルゾン…

TAGS:   Fashion
機能美が所有欲をくすぐる〈アシックス〉のワーキングシューズ!こだわる男のための次世代ワークブーツとは!?
SPONSORED
2025.11.25

機能美が所有欲をくすぐる〈アシックス〉のワーキングシューズ!
こだわる男のための次世代ワークブーツとは!?

男のカジュアルウエアは、ワークやミリタリーをモチーフにしたタフで骨太なアイテムが定番。それは服だけでなく、足元も同じだ。とはいえ往年のワークブーツなどでは、履き心地やスペック的に現代の暮らしにフィットしない!? ならば、〈アシックス〉のワ…

TAGS:   Fashion
“とっておき”を、自分にも、大切な人にも!“上質”を贈りたい 大人のギフト!
SPONSORED
2025.11.25

“とっておき”を、自分にも、大切な人にも!
“上質”を贈りたい 大人のギフト!

クリスマスに忘年会、そしてニューイヤー……年末年始は、特別なギフトシーズン。頑張った自分へのご褒美に、大切な人に感謝を込めて、“とっておきの上質”を贈りたい。自分の身と心を一新させるようなワザありの逸品から、相手の顔が思わずほころぶ名品ま…

建築家・クマタイチが〈バルミューダ〉で発見。豊かな暮らしをデザインする、加湿器の新しい選択。
SPONSORED
2025.11.14

建築家・クマタイチが〈バルミューダ〉で発見。
豊かな暮らしをデザインする、加湿器の新しい選択。

〈バルミューダ ザ・ストア 青山〉を訪れた建築家・クマタイチさん。暮らしに寄り添う建築を数多く手掛けてきたからこそ、関心を寄せたのは新しい加湿器“レイン”だ。ただ湿度を調整するだけでなく、暮らしを豊かに導くための機能や造形美を兼ね備えた“…

勝利を呼び込む〈タグ・ホイヤー〉の傑作3選!名作時計はファッション使いするのが決め手!
SPONSORED
2025.11.11

勝利を呼び込む〈タグ・ホイヤー〉の傑作3選!
名作時計はファッション使いするのが決め手!

2025年で創業165周年を迎え、そのうえ、22年ぶりにモータースポーツの最高峰である“F1”公式タイムキーパーにも返り咲いた〈タグ・ホイヤー〉。モータースポーツと密接な関わりをもち、勝利を象徴するウォッチとして君臨してきたそれは、時を経…

素材感と職人技が光る〈アニアリ〉。ミニマルに洗練されたジャパンメイドのトートバッグ。
SPONSORED
2025.11.18

素材感と職人技が光る〈アニアリ〉。
ミニマルに洗練されたジャパンメイドのトートバッグ。

上質なレザーのしなやかな感触と使い勝手の良さで支持を集めている〈アニアリ〉のバッグ。ミニマルで洗練されたデザインは、装いを自然に洗練されたものへと導いてくれる。また、確かな日本の職人技に裏打ちされた使いやすさと安心感が、使うほどに深まる風…

TAGS:   Urban Safari Fashion

loading

ページトップへ