インダストリアル感がある半地下のある住まい
気に入って購入した土地は、建築条件が厳しい閑静な住宅街。様々な制約をクリアしたのは半地下を作るという発想だ。シンプルな色と吟味した素材で、粗野に走らないインダストリアル感とお気に入りのモノたちを無造作に置いた、こなれた洒落感。頑張りすぎない格好よさを学ぼう!
- SERIES:
- 西海岸的なハッピー・ルーム! vol.42
M邸/2LDK/129㎡
ワークルームは、仕事関係者が訪れることも多いため、玄関土間からすぐの場所に。床は縦横の木目を生かした市松模様のパーケット張り。インダストリアルな中にも、木の温かみを感じさせる
自宅でも仕事ができる環境を求めて土地探しからはじめたMさん。お気に入りの住宅地に見つかった土地は、間口が狭く奥に土地が広がる旗竿地。さらに閑静な住宅地ならではの厳しい容積率と高さ制限。「敷地面積を考えると、ワークルームと家族の生活空間を併せ持つのは難しいかなと思いました」と語る。
そこで提案されたのが、地下を掘り下げる方法だ。地階を作ることで、建物の高さを抑えたまま3フロアを確保。地下は容積率に含まれないからだ。
広い玄関土間に面して作ったワークルーム。ここでは、お気に入りの本は背の高いブックシェルフに。窓の高さに合わせた低い書棚にはレコードや洋書を並べた。パーケット張りの床とともに、どこか図書館を思わせる作りに。
地階は一部をドライエリア(空堀)にすることで、寝室にも自然の光や風を採り入れられるようにした。さらにスケルトンの階段越しに、上階の窓から光が降り、地熱の効果で想定以上に暖かい。
「建物自体は大きくありませんが、すべてのフロアを仕切りのないワンルーム使いにしているため広々と感じられ、フロアが変わることでオンオフの切り替えがしやすいんです」と語る。
01 お気に入りの自転車をそのまま置ける広い玄関土間
玄関はモルタル仕上げ。美しい塗り跡が4.5畳ほどある広い玄関に表情を生んでいる。鉄骨階段はニュアンスのあるチャコールグレーに塗装し、武骨さに洒落感をプラス。シンプルな骨組みが際立つスケルトンの階段越しに、トップライトからの光が階下まで降りる。
02 天井のヌケ感に木の梁がアクセント
2階のLDKは勾配屋根を生かして、梁を見せる作りにした。ソファよりも床に座ってくつろぐことが多いM邸では、目線の位置が低くなり、いっそう天井の高さと開放感が感じられる。無垢のナラ材の床は、足当たりが心地よく、グリーンとの相性もバツグンだ。
03 ハイサイド窓からの穏やかな光が満たす寝室
ワンフロア・ワンルーム使いのM邸の寝室。「地下は想像以上に暖かくて静かです」とMさん。ドライエリアがあるため湿気を感じることもなく、カラリとしている。シンプルな白い内装に、ハイサイド窓からの光がリフレクションし穏やかな明るさが心地いい。
仕事の合間につま弾くギター音楽が好きで長年楽器に親しんできたMさん。ワークルームの一角はレコード棚にしているほか、〈タカミネ〉のアコースティックギターや〈ギブソン〉のエレクトリックギターを置いている。写真右はギタリスト、レス・ポールのモデルとして1952年に初登場以来、定番人気のレスポール・スタンダードシリーズのひとつ。仕事中にリフレッシュしたいときや発想の転換をしたいとき、仕事仲間との雑談の合間などに、艶やかなボディを手につま弾いている。
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●ハウストラッド
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URL:www.housetrad.com
雑誌『Safari』1月号 P240~241掲載
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